そうくる・・?
長い廊下を歩いて、もと来た扉を目指して歩いていると、私はちょっと・・・いや、かなり、恥ずかしい事を、セレムや神様の前で言ったのでは。・・っていうか、言っちゃったーーーー!!!!と、軽く羞恥心で死にそうになっていた。
いや、言い訳しちゃうと、神様の前に立つと、なんかこう・・パワーみたいなの貰っちゃうの??なんか、大きく出ちゃったよね???うあぁあああああ恥ずかしい、ごめんなさい神様。
なんかイキちゃったかもーーー??!!
セレムもずっと無言だし、早く扉の所へ着かないかな・・
私はもう居たたまれない気分で、そわそわしっぱなしだった。
と、入って来た扉が見えてきた。
ちょっと安心して、セレムに
「・・・ねぇ、セレム・・今度神様にお供えとかしたいんだけど・・何か好きなものとか知ってる?あの・・なんていうか、今から謝りに行きたい気分で・・」
そう言いかけると、ギュッと抱きしめてくる。
まぁ・・今は神の御前じゃないしいっか・・・。
私は、セレムの背中をトントンと叩く。
「えーと・・セレムさん?」
「・・・・カエが好きだ」
「・・・・うん・・、まぁ、知ってます」
「ずっと・・・俺のそばで生きて欲しい」
「・・・うん・・」
あ、セレムからすごくいい香りがする。
「・・・俺のそばで、笑っていて欲しい」
「・・・・・・うん」
「結婚・・して欲しい。できればすぐにでも」
「・・・・・・うーん・・?」
「・・・そこはうなづく所だろ・・」
セレムが恨みがましい目で見てくる。
だって、返事したら・・きっと、今日にでも結婚式挙げそうなんだもん。
「・・じゃあ、結婚式はしてみたいな」
「今日中に」
「早い!!そう言うと思った!!普通は、どれくらいの期間をかけるの?」
「普通に・・了承すれば当日する・・・・こともある」
ちょっと横目で説明するセレムさん・・・。
王子ー、嘘はいけないと思います。
きっと・・ここを出たら、さっさと結婚式挙げかねない。
まぁ、それでもいいか・・。というか、覚悟するしかない。
言い出したら聞かないのは、なんとなくわかってきた。
セレムが、蒼い瞳をキラキラさせてこっちを見る。
ああ、綺麗だな。
私の星の色だ。
不思議な縁で、私はこちらの世界へ来たけど、あっちの世界とも確かに繋がっている・・そんな気持ちになった。
「カエ、返事が欲しい・・」
掠れた声が、耳元で囁く。
心臓に非常に悪い。
しかも神殿の中ですよ?
神様だって見てると思いますよ?
いいんですか?知りませんよ?
「・・・・・・・・・・・よろしくお願いします」
真っ赤な顔で返事をすると、甘い香りがいっぱいに広がる。
神様、すみません・・。
ちょっと見ないでいて頂けると嬉しいです・・。
あとできれば、耳も塞いで欲しいです・・。
セレムの蒼い瞳が嬉しそうに私を見ているけど、恥ずかしいので目を瞑る。
そっと触れてくるキスに、胸がいっぱいになって、
頬を触れてくるセレムの袖をギュッと掴む。
深くなるキスに、溺れないように。