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時には黙秘も大事。

神経が図太いと異世界で生きていくには、大変よろしい・・と、思った朝。


きっと普通に生きてたら、絶対寝ることのないであろうデカイベッドで、小鳥の囀りと共に目を覚ます。まごう事なく爆睡してたなぁ・・・昨日、がっつり泣いて幾分気持ちが落ち着いたのも大きいのかな。そう思って、もそもそと布団から這い出す。ベッド、デカすぎる・・・。


カーテンを開けて、テラスをそっと開けてみると、爽やかな風と共に、竜が3匹城の周りを悠然と飛んでいる景色がいきなり目に入る。


「い、異世界〜〜〜〜〜」


思わず呟く。

朝日に照らされ、小高い丘(私にしてみれば山だ)に建てられているこの城は、横に川も流れてて、水が朝日に照らされている。綺麗な水音と共に、テラスからも木々の間から流れているのが見える。遠くには山々が連なり、朝日が上がっていて・・・いやぁ〜・・朝から風景でお腹いっぱい。


「あ、起きてる」


声がして振り返ると、セレムが部屋を覗いてる。

こらこら、いくら美少年でも勝手に寝起きの乙女の部屋へ来るでない・・。と、片手に抱えきれないくらいの花束を持っている事に気付く。白、薄ピンク、淡い紫の花束だ。


「おはよう。お花綺麗だね。」

「おはよう・・・。庭園から取ってきた。部屋におけば、少し華やかだろ。」


と、勝手知ったる自分の部屋のごとく空いている花瓶に花を入れる。いや、ちょい待てこの部屋十分華美です。ああ、でも昨日思いっきり泣いてたし、気を使ってくれたのかな・・。


「お花・・ありがとう。温室もあって、庭園もあるんだ・・。すごいねぇ・・」

「後で庭園にも行ってみるか?春になったし、今は見頃の花が色々ある」


あら素敵な提案。あと私の世界も春だったけど、こっちも春だったのか。

今更ながら気付く事、これからもありそうだな。


「うん、行ってみたいな。うち家はお花屋さんだったし。」

「ああ、だから植物の水やりも手慣れてたのか・・」


ちょっと納得していただけたらしい。っていうか、

今日こそ両手を使ってジョウロを使わせてくれ。そういえば植物で思い出した・・


「ねぇ、ローニャさんに言われたんだけど、匂いの話は2人の時にしてって言われたんだけど、どういう意味?」


ピシッと音がするように固まるセレム。


「ん、あ、それ・・な・・。」


みるみる赤くなっていくけど、どうした?なんか匂いって卑猥な言葉かなんなの?!!


「え、ごめん・・。なんかまずいなら聞かないようにすればいいのかな・・?男性には聞いちゃいけない奴?」

「いや・・・・うん・・・・そうだな、話を・・「「失礼いたします」」


ローニャさんが、目の前に突然現れて挨拶する。


「うわっ!!!びっくりした・・。お、おはようございます」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ローニャ・・・」


あれ?セレムどうした??ジト目でローニャを見てる。


「驚かせてしまい、申し訳ありません。お声をかけたのですが、お返事がなかったので・・。セレム様、お着替えなさってない乙女の部屋へ朝早く押しかけるのは、いささか失礼かと。カエ様のお支度致をしますので、お部屋へお戻り頂けますか?」

「・・・・・・わかった。後でなカエ」


若干顔の赤いセレムは逃げるように部屋を出る。あー・・・聞けなかった・・・。まぁいいか、このネタはしばらく黙っておくのが吉とみた。匂いの話はしばらく封印決定ー。


「カエ様、それではお支度しましょうか」

「あ、はい、よろしくお願いします。」


ローニャさんが優しく微笑んでくれる。

今日も朝から美女さんは綺麗だ。

よし!!!気合を入れて今日から頑張るぞ!!!



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