まあ、色々あるよね?
一緒に寝たいってごねたセレムを、なんとか宥めた私は、自分をものすごく褒めて一人グッスリ眠った。安眠万歳。明日の事は、明日の私にぶん投げる。頼むぜ明日の私。
快晴の朝。
枕元には、お約束の花束が飾られている。
ね、いつも思うけど・・本当にいつの間に飾ってんの?
私は、コルト国の王子必修科目を知りたいわ・・。忍者とかありそう。
ローニャさんが、着替えの手伝いに来てくれた。チラッとお花を見て
「安定のセレム様ですね」
「いつの間にか、飾っていくのすごいよね・・」
「寝首を掻く練習も怠らない方でしたから」
「ワァー、ブッソウ・・・」
セレムの知らない姿、色々あるんだろうなぁ・・と、思いつつ着替えて、朝食を取りに食堂・・でなく、セレムの部屋へ行く。うん、通常通りだわ。
「おはようセレム、お花ありがとう〜」
机で書類を見ていたセレムに声を掛けると、嬉しそうに微笑む。
くそっ、格好いい・・。
こちらに近付いてくると、ふわふわいい匂いするし、頑張れ今日の私!
「神殿はいつ来てもいいと返事をくれていたが、午前中行こうか」
「セレムは大丈夫なの?仕事とか・・」
「いや、早い方がいいだろうし、大丈夫。目処はついた」
「至れり尽くせり・・ありがとうございます」
可笑しそうにセレムが笑って、頭を撫でる。
ナチュラルにイケメン〜〜〜。怖いわぁ王子のポテンシャル!
なんかもうそわそわしながら朝食を取ってから、久々に植物に水やりをする。植物に、元気だった〜?って言ったら、花が咲いた。せっかくなんで、カメラで花を撮っておいた。成長記録!
そうして、神殿に向かうために支度をして、今回は馬車に乗って出かける。
神域の近くに転移するのは失礼にあたるらしい・・。
城から1時間くらいの距離なので、セレムとローニャさん、おもちも連れての外出にちょっとウキウキしてた。ハーリカさんの所と、シューレの森以外は、そういえばコルト国は出かけてなかったしなぁ。
窓の外を眺めると、草原が広がっていて、外国に来た気分になった。
いや、ここ異世界・・・と、自分で突っ込んだけど。
「緑って、やっぱりコルトも増えたの?」
「ものすごく増えたな・・。元々、植物が育ちにくい土壌だったが、カエの発芽させた植物で、随分と改良された。ありがとう・・」
「いやいや、私じゃなくて、神様の力だから」
「それを使いこなすのは、カエだろう」
そうなんだけど・・、神様も褒めてあげて・・って思ってしまう。
牧歌的な道を揺られて進み、少しずつ石で出来た家がチラホラと見えてきた。
「神殿の周りの街ですね。こちらは石造りの街なんです」
小さい時、ローニャさんはこの近くに住んでいたそうで、懐かしい・・と話してくれた。色んな場所が、身近な人と繋がっていくって、面白いな・・と石造りの街を見ながら眺める。
全体的に白い石で作られた家が多くて、すごく統一感がある。
やがて、大きな坂道を登り始め、小高い丘の上に、一際大きい石で出来た建物が見える。
「セレム、あれが神殿?」
「そうだ、この国で一番大きい神殿だ。以前は、神託を受けるために大きな役割を持っていた」
「神託って、神官さんが受けてたの?」
「主にな。時々、王族も受けてた」
「セレムは?」
「俺はないが、父上は受けた事があったな・・・」
「はぁあああ・・・・」
王族とか受けてる神託を、一般庶民が受けるって・・もしかして稀なのでは・・?そう思うと、神様に話しかけられたの、夢だったかもー・・って絶対言えない雰囲気だよね・・?
い、胃が痛い・・・。
お腹の辺りをさすっていると、セレムがそっと手を握ってくる。
うん、そうだここに王族がいたっけ・・。
何かあれば、全部ぶん投げよう!今日の私は・・これからの私に任せる事にした。




