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いざ異世界旅行!その17

セレムの転移魔法で、クレーターの中にある川付近へ行くと、すでに護衛の騎士さん達やメイドさん達が、天幕を張って用意してくれていた。お、お疲れ様ですーーー!!

びっくりしている私に、セレムがそっと耳元で


「あまり仰々しくすると、カエが驚くと思ったんだが・・すまない」

「あ、だから・・・」


アイシェさんと一緒に行くとなると、私が大事になって驚くと思ったから、渋ったのか・・。いつもは、城だとローニャさんとか、護衛の騎士さん達と、最小限で過ごしてるもんね・・・。セレムだって王子様だし、本当ならこれくらい警護をつけるのが当たり前なのかもしれない。なんだかんだで、いつも私の事を気遣ってくれてるんだよね。


「・・セレム、いつもありがとう」


気恥ずかしくて小声になっちゃったけど、お礼をいうと、セレムは言いたい事を理解してくれたんだろう・・微笑んで手を握り返してくれた。


アイシェさん達と川のそばへ行くと、青い小花が咲きみだれている。


「わ・・青いお花・・可愛い!」

「カエちゃんに以前送った種を、発芽させてくれたでしょ?これが、その花よ」

「ああ、そういえば・・」


そう、モルの実の種を送ってきた時に他のも入っていたので、発芽させて、また送ったのだった。こんなに綺麗な花だったのかぁ〜!青い小花は、5つの花弁がついていて、川の水が流れる度にゆらゆらと揺れていた。


「可愛い〜〜!こんなに大きくなったのか〜」


と、小花に話しかけると、私の周りにいた青い小花が急に伸び出し、膝くらいの大きさが、腰くらいの大きさに育ってしまった・・。あわわ、そんな張り切らなくても・・・。


「あら〜、初めて見たけど、こんなに早く育つのね!」

「いや・・今のは、お花達が張り切ってくれただけで・・」

「カエさんの力・・、凄いですね・・」


アイシェさんとリファートさんに驚かれて、恐縮しきりだった。本当に、完全に今は何の気なしに言った言葉だったんだけど・・。うっかり言い過ぎないようにしよう。秘密ってことにしてあるし。


お茶を飲んだり、軽食を摘んでいると、段々と太陽が傾き出す。

川縁の近くまでセレムと行き、夕日に照らされた川面がキラキラ輝いて、

やがてゆっくりと日が落ちていくのをぼんやりと眺めていた。



「・・・すごく綺麗だね・・・」


ポツリと呟くと、セレムが


「カエのおかげで、ここは大分綺麗になったんだ。」

「え?そうなの?穢れとかない感じだけど・・」


アイシェさんとリファートさんが、カメラで写真を撮りつつ、こちらへ来る。


「バシェ国もね、結構ひどかったのよ」

「ここの川も、穢れがあって・・カエさんの発芽させた草花で浄化されたんだよ。しかも短期間で!」

「えええ、そ、そうだったんですか!」

「そうよ。それで、今年は今まで見られなかったものが見えるようになったの」

「・・見られなかったもの?」


アイシェさんが、川の草花の所を指さすと、チカっと、何かが光った。


「・・・・・んん?」


目を擦って、もう一度光った草花を見ると、また別の所がチカッと光る。


「・・・え?あっちでも光った?」


チカチカと、草花の中から光が飛び交い、夜の色が濃くなっていくたびに光が増えていく。


「浄化された事で、星光という虫が帰ってきたんですよ」

「ほしひかり・・・」


蛍みたいなものかな?テレビでは見た事あるけど、本物は初めてだ!!

ふわふわと、光はどんどん増え、護衛の騎士さん達やメイドさん達からも、おおっ・・という声が聞こえる。


辺りは一面の星空と、川の水面で光る星光の虫で、星空に包まれたような光景になる。



「・・・・星の中に浮いてるみたい・・・」


足元で光る、星光の虫がふわふわと飛んでいて、あまりの綺麗な光景に魅入ってしまう。ずっとこの光景が続けばいいな・・・。そう思えるくらい美しい光景だった。


アイシェさん達と椅子に座ってポツリポツリと話しながら、その光景を堪能していたが、段々と眠くなってしまって・・・気が付いたら寝てしまったのかベッドにいた。






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