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いざ異世界旅行!その13

誤解はなんとか解けた・・。

しかし、現在私は溶けそうだ。


大人に戻ったセレムは子供セレムの服がほぼ破けてしまったので、ほとんど衣服を身につけていない。大事な事なんでもう一回言っとく。


ほとんど身につけていない。


「カエ・・」


色気大盛り入りまーす!

ってくらい甘い声で、いい香りをさせて、頬を撫でてくるセレムに、ドギマギしてもう息も絶え絶えだ。

筋肉がしっかりついた体に、すっぽりと抱きしめられている。

しかもいい香り付き。



「・・・もう死にそうなんで、お願いです。離してください。」

「嫌だ・・。やっと好きって言ってくれたのに」

「・・せ、セレムだって今まで言わなかったじゃない?!」


胸元をなんとか押して、顔をあげる。

と、顔をすり寄せたセレムが



「好きって、言ったら・・多分止まらない」

「え?十分、暴走してたと思うけど???」


君、何言っちゃってんの??と、思わずはてなマークが飛び交う。


「・・・大分、加減してた・・というか我慢してた。」

「・・・・我慢の定義をもう一回勉強してください。」


あれで我慢していたなら、私は我慢を忘れたセレムにどうされてしまうのだ。これ以上、死にそうな目に合いたくない。っていうか、今現在死にそうなんだけど・・・。



「・・・あの、分かったから・・十分、分かったから、お願いです。そろそろ起きましょう。」

「・・・・・嫌だ。」

「私・・ローニャさんが「起きましょうか?」って部屋へ入ってきたら・・と、考えると、もうすでに恐ろしいので、起きましょう。可及的速やかに起きましょう。」


無言のセレムが、こちらをチラリと見る。

な、何・・・?


セレムの顔が、アップになった・・と思ったら、

チュッと音がして、キスされた事に気付く。

ちょっと引いてきた顔の赤みが、また戻ってきた。凄い勢いで戻ってきた。



「・・・カエ、先に部屋へいってくれるか?」



ニコッとセレムが笑う。


そういえば、君、ほぼ服を着てなかったね・・。


ふっとセレムが腕を緩めた瞬間、無言で勢いよく起き上がった私は、ものすごい早さで寝室を出て行った。多分、音速だったと思う。部屋へ戻ると、ローニャさんがすっごい良い笑顔で


「もういいのですか?ゆっくりしていて構いませんのに・・」


って、言うものだから、私は膝から崩れ落ちた。

恥ずかしすぎて・・・「失踪、簡単、今すぐ」と、グ●りたい・・。


なんとか立ち上がると、おもちが心配そうにこちらを見上げてくる。

おもち〜〜〜〜〜!!!!思わず手に取って、顔でスリスリ頬ずりする。

「ミ?」と、不思議そうに私を見つめたおもちを、ローニャさんが素早くお菓子を出すと、おもちは食いつき、去っていく。早い!私の癒しがあっという間に去って行った。


「さあ、お着替えいたしましょうね」

「はぃっ・・・!!!」


絶対、今日は寝室別にして!!って、アイシェさんにお願いしよう。

私は心に固く誓って、着替える事にした。


支度が終わると、どっかで見てた?っていうくらい、タイミングよくセレムがやってきて、食堂まで手を繋がれて行く。ドナドナとか聞こえそう。

アイシェさんは、私達を見るなり、


「あら〜、もうセレム戻っちゃったの?小さい頃のセレム、可愛かったのに!ね!カエちゃん」

「あ、はい」

「でも、今の俺が好きだろ?」

「待って、8歳児に対抗しないで。あと、セレム・・本人だからね?」

「嫉妬に狂う男って、みっともないわよ〜」


絶対、面白がってるアイシェさんと、面白くないセレムに挟まれ、固まる私。微笑み合いつつ、睨み合う二人から「まあまあ」と、そっと離して座らせてくれたリファートさんが有難かった・・・。

さーて、今日はどうなるんだろう・・・。





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