表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/118

規約はしっかり読もう。

あらかた植物に水をやると、私の左の腕だけが悲鳴をあげていた。

花屋の娘なのに、腕がプルプルしちゃう量の植物の多さ・・!!!

あとお願い右手を!離してくれ!!それだけでも、だいぶ違うと思うの!


「なんでこんなに植物を王子様自らが育ててるの・・・?」


左手をプラプラ振りつつ、思わず聞くと


「ああ、この国は山や谷が多いから、どうしても緑が育ちにくいんだ。

できれば、もっとこの国を緑豊かにして、農作物をもう少しとれる環境にしたくて、ここで実験してるんだ。」


そういえば王子様だったね。そっかぁ〜緑が少ないと困るのは異世界も同じか。


「私が最初にいた森は、どう見ても緑が多かったけど・・?」

「あそこは、国の中で結構緑は多いが、魔物も多くて・・、竜族が住むにしても、環境がいいとは言えない。出来れば、住民が安全に住める場所に緑を増やしたい。」



おーーーっとーーーーー魔物出たーーー。

っていうか1時間くらいは歩いてたはずなのに、よく遭わなかったな私。

よーし、セーフ!セーフ!!生き残れた!!!


「あ、そう言えば私を運んでくれたのセレムだった・・んだよね?あの、ありがとう」改めてお礼を言うと、


「・・・・別に。」と、素っ気なく答えるが、右手をさらにキュッと握られる。

いや、ちょ・・それ、ドキドキしちゃうからやめれ!


と、またふわっと柑橘系の香りがする。


「セレム・・、香水とかつけてる?なんか柑橘系の匂いがする。」


言うやいなや、バッと勢いよく私から離れるセレム。



「いや、臭くないよ・・・・???」


どうどう・・と、動物をなだめるがごとく慌てて説明する。

異世界では、柑橘系の匂いはダメなのか?!

目元を薄っすら赤く染めてるセレムは、右腕で顔を半分隠しつつ、

「そうか・・」と呟く。


え?何なの??匂いの話はタブーなの?

と、不思議に思っているとローニャさんが、すっと前に出てきて


「では、セレム様水やりも一通り終えましたし、カエ様にお城の案内して差し上げたいのですが、いかがでしょうか?」


と、提案してくれた。うん、とりあえずこの場を撤退は賛成だ。


「・・ん、そうしてくれ。カエ、夕食はこの部屋で食べて、その後また水やりを一緒にやってくれ。」


ちょっと安心した顔のセレムがそっと手を離す。

ごめんよーー、本当に臭いとかじゃないんだよーーーなんか本当にごめんよーーーと思いつつ、コクリとうなづく。


「では、セレム様。失礼致します。」


私はちょっと振り返りつつ、ローニャと部屋を一緒に出る。

扉を出てホッと一息ついてから、


「ローニャさん・・、この国って匂い・・柑橘系とかってあんまり好まれない感じですか?」


恐る恐る聞くと、出会ってから一番良い笑顔で、




「いいえ、でも2人の時だけ言うようにしください」



え、うーん・・・もっと謎が深まってるんですけど・・。

美女の笑顔めっちゃ綺麗。でも、異世界の何が地雷かわからないからめっちゃ怖い。


「あの・・、出来ればこの世界のルールとか、マナーとか、お付き合い上絶対気をつけないとやばいことを重点的、かつ迅速に教えて頂けると、大変ありがたいのですが・・。」


高校で、適度にサボれるマナー講座出ておいて良かった・・って、くらい丁寧に頼んだ。植物係は、安心して働きたいんじゃーーい!!!


「ひとまず城の中を案内してから、お話しいたしましょう。」


そういって、あれ?なんかはぐらかされた?と、思いつつも、うっかりしたら私が迷宮入りしそうな城を案内された。広い・・・広すぎて、意味がわからん。っていうか、ローニャさんがいないとどこへも行けない・・。


「この城を周りきった頃、ちょうど夕食ですね」


あ、これ完全にはぐらかされた・・と、気付いた頃には、セレムのお部屋で夕食となった。

わぁああああ、会話が怖いんだけどぉおおおお。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ