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いざ異世界旅行!その1

アイシェさんの所へ行く事が決定すると、あっという間に準備が始まる。

滞在は1週間!アイシェさんの住む場所は海が近いというので、海で遊べるかな・・と思うと、ワクワクしてきた。


いつもお世話になっている護衛騎士さん達と、ローニャさんが今回は一緒に付いて来てくれる事になり、セレムと二人っきりでない事に大いに安堵した。「さながら新婚旅行ですね」っていうローニャさん・・・。そいつは大きな誤解だぜ。セレムがそれを聞いて、いい香りをふわふわとさせていたが、私は無視した。



アイシェさんにはお土産に、土と水を浄化する花と苗木と、庭園で摘んだお花で作ったドライフラワーのリースを用意する。喜んでくれるといいな。


ちなみに、私が穢れた所でも、ちゃんと発芽をできるよう育てた種達は、バリスさんが責任を持って管理し、少しずつ世界中に販路を広げている。周囲の国も、その存在を知って色々と探ってくるようだが、きっちりバリスさんが潰しているらしい・・。植物が自生し始めれば落ち着いてくるでしょう・・との事だ。頼もしいしかない。


ドアをノックする音がして、返事をするとセレムが部屋へ入って来る。


「カエ、用意できたか?」


セレムは成長と共に黒髪が腰まで伸び、今日は緩く編んで後ろに垂らしている。濃紺のマントをつけ、中も軍服みたいな服なので、いつものシャツスタイルでない姿にドキリとする。


「うん。転移魔法で一瞬で行けちゃうっていいね〜」

「・・・俺は、飛んで行きたかった・・」

「・・・いや、そこは恥ずかしいので結構です。」

「俺は恥ずかしくない。」

「お願い、人の話聞いて??」


流れるように、攻めてくるな!?

そして抱きしめてくるな!!

顔をすり寄せてくるセレムに「ミ?」と、私の腕の中にいたおもちが不思議そうに見る。嗚呼、私の癒しよ・・。すっかり仲良くなったおもちも、今回は一緒だ。おもちをちょっと不服そうに見るセレムが、転移の魔法をかける。


「行くぞ」


その声に、急いで目を瞑るとセレムの手がそっと手を握る。

・・・こういう所、ずるいよなぁ・・ってちょっと思う。


体が引っ張られる時間が、いつもより長くて、思わずセレムの手を握り返す。

・・と、瞬間、地面に着地する感覚になる。

そっと目を開けると、お屋敷の一室なのだろうか、セレムの城とは違い、中世のヨーロッパのような、重厚な家具が置いてある部屋だった。そして、目の前には超絶美女ことアイシェさんがニコニコしてこちらを見てる。


「カエちゃん〜〜〜!!久しぶり!!」


ふわぁっと大人な香りのするグラマー美女アイシェさんから熱烈なハグをされる。み、見目麗しい〜〜〜。


「お、お久しぶりです。以前はお花の種ありがとうございました」


アイシェさんに挨拶するとハグされたまま、にっこりと綺麗に笑う。


「セレムも久しぶり。あら〜本当に少しずつ大きくなってるのね〜!」


と、上から下までセレムを面白そうに見ている。

ちょっとげんなりしている表情のセレムが面白くて、私も笑ってしまう。


「アイシェ、僕にも挨拶させてくれよ」


優しい穏やかな声が聞こえて、アイシェさんの腕の中から声をした方をみると、薄い茶色の髪に、緑の綺麗な瞳をしてメガネをかけた優しそうな男性がニコニコ笑って立っていた。


「カエさん、初めまして。アイシェの片翼、リファート・デラ・ユルマです。リファートと呼んで下さいね」

「あ、よ、よろしくお願いします。」

「セレム殿もお久しぶりです。お元気そうでなによりです。」

「リファート殿も、今回は急に訪問が決定して・・色々とご配慮頂き感謝します。」


お、おぉ〜〜〜が、外交してる・・。

アイシェさんの腕の中で、ちょっと感動してしまう。


「うちの旦那さんかっこいいでしょ!」


こそっと囁くアイシェさんが可愛くて、小さく笑う。

アイシェさん、旦那さんの前では可愛い感じなんだなぁ。


「セレムは?どう?」


・・・・んーーーーーーーー、そこは黙秘したい!

曖昧に笑うと、ふふっと面白そうに笑われてしまった。

「あとで聞かせてね」と、こそっと囁かれ、ちょっと遠い目をする・・・。噂のセレムを見ると、いつの間にかこちらをニコニコ笑って見ているので、私はそっと顔を逸らした。




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