ちょっと待とう。
糖分高めの2部ですー。
日本に住むお父さん、お母さん、あとついでに私のアイスを勝手に食べた挙句、最近太ったなって言ってた弟よ許さん。・・・とりあえず、お元気でしょうか?私は今、死にそうです。
植物に対して言霊の力があって、発芽させたり、花を咲かせたり、
それでバリスさんが言うには、森の精霊に呼び寄せられて、
なんやかんやで地底に流れる湧き水まで浄化しちゃったり、
そのために森の精霊に気に入られたり、
色々・・・ね、色々あったの。
弟よ・・・あんた異世界とか行きて〜!って言ってたよね?
可愛いエルフちゃんとお知り合いになりたいとか、いや、あん時バカだな〜って思ってたけど、訂正しよう。お前は大馬鹿だ。なぜなら、異世界人の顔面偏差値は世界を超えるからだ。
顔面宝具の人間に迫られると、息ができない。死ぬ。
ソースは私だ。
「・・・カエ?」
ふわっ・・と、柑橘系のいい香りと共に、私の後ろから低音ボイスが聞こえる。
セレムの長い髪が、机で手紙を書く私の背後でサラっと音がして、肩に掛かる。
「何を書いているんだ・・?」
甘い顔で、私を見つめてくるのは、ええ・・・セレムさんです。
ただ・・、一つ違うのは彼は成長を止めるのをやめて、今本来の年齢に近づいてるんです。ゆっくり戻った方が、体に負担が掛からないらしく・・、今は20歳くらいだと話していまして・・。
美少年の時だって、十分イケメンだったのに、色気とか、色気とか、色気とかが、出てきてですね・・・。
「カエ?聞いてるのか?」
クスクスと面白そうに、耳元でセレムが聞いてくる。
「聞いてる!!!!!み、耳元禁止!!!!」
「そうかそうか」
ニコニコして、後ろから抱きしめようとするな!!!
こら、顔をすり寄せるんじゃない!!!
・・端的に言えば、私は現在セレムに猛烈に、せ、迫られている・・・。
あの洞窟行方不明事件から、1ヶ月。
セレムの「絶対逃がさない」宣言以来、攻撃の手は一切止められる事なく繰り広げられている。なんか昔は『竜族の剣』とか呼ばれるほど、強かったそうで・・・。まさにその時のごとく・・の猛攻撃ですね♪って、ローニャさんに言われた時、私はぶっ倒れたくなった。なんなら白目むいたわ!!
知らなかったとはいえ、求婚に対し「YES」の意味である、き、キスをですね・・いつもやられっ放しで悔しくて、手の甲にしちゃったんですけど・・・否定したんですけどね???
「・・・カエは、俺が嫌いか?一緒にいてくれないか?」
ちょっと、悲しげな瞳でイケメンから聞かれてみ?
ちょ・・・ちょっとは好きだなぁ・・?なんて相手に「いたくない!」って言える?ああそうだ言えなかったよ!!!顔を赤くして、うーとかあーとかしか言えなかったYO!!!
肯定と取ったの?!日本人でないのに空気読まなくていいよ?!
とにかく私は、「結婚だけはまだしません!!!」と、そこだけは強く宣言している。が、戦では猛将で知られるセレムは、私の心の鉄壁を毎日、毎回、毎秒、破壊せんとしている。
このままではいかん!毎回やられっぱなしではいかん!
そんな事で消耗してる自分も情けないが・・。
「そうだ、カエ・・。アイシェ姉さんがお前に会いたいとしつこいんだが・・、遊びに行くか?」
私はその話に飛びついた。
戦局が変わらないのであれば、変えてみせようホトトギス。
確か、セレムはアイシェさんにはタジタジだったはずだ!!きっと味方になってくれるはず!私は一縷の望みを持って、遊びに行く事を快諾した。