情報のすり合わせは丁寧に。
ひとまず、私はこの異世界で「植物係」を任される事になった。
なんか、久しぶりな感覚だ・・植物係とか。
と、のんきに思っていると・・
セレムが、先に自分の部屋にある襲ってくるとかいう植物を片付けてくると言って、部屋を出て行く。頼む、怪しげな植物は根こそぎ片付けてくれ。
「それでは、その間にこの世界の事をご説明いたしましょう」
と、ローニャさんは、不思議な香りのするお茶を用意してから説明してくれた。
この世界は7つの大陸があり、このコルト国は別名「竜の国」
と呼ばれているそう。他の国にも竜はいるけれど、ここはほぼ全ての竜族が暮らしているとの事・・
「え?じゃあ、ローニャさんも竜族?」
こんな美人さんが?思わず聞くと
「はい。私は銀竜族の娘です。この度、セレム様のお城で働かせて頂く事になりました。」
ほえぇえええ。
美人さんと竜族が結びつかない・・・。
じゃあ、セレムも竜族なのかな・・と思っていると
「セレム様は黒竜族で、我々竜族の王の子のお一人です。」
あれ?エスパー??頭の中読んだ???と思うのと、すごい情報に驚く。
やっぱ王子じゃんかぁあああ!!!呼び捨てダメでしょ!!?
「セレム様が呼び捨てで良いと仰っているのならば、問題ないかと。」
と、サラッとまた答えられる。
え、ねぇ、考え読まれすぎて怖い・・・。
「あ、はい。ありがとうございます・・・。」
とりあえずお礼を言ってから、じゃああの私の前に飛んできた黒竜は・・
と、ふと思い出す。
あれは、仲間かなんなのかな・・・
「あ、セレム様ですね。」
「待って!ローニャさん、私の考えとか読める???」
思わず言ったよ!だって、怖い!!!
「いえ、そう思うかな・・と、思いまして・・。怖がらせてしまい、申し訳ありません。」
しゅんとしたような(でも表情筋動いてない・・)美女さん。
「あ、その、なんでわかっちゃうの?って、不思議に思っただけで、すみません・・。え、でもセレムは人の形をしてましたよね?変身するんですか?それとも本来は竜の姿なんですか?」
「どちらも本当の姿・・・と言えますね。公式の場では、常に人間の姿をして公務もなさいます。逆に戦いの場などでは、竜の姿です。」
「た、戦い・・・」
思わずゴクリと唾を飲む。怖いワード来たぞ・・・。
できれば聞きたくない。平和一番。
「今は平和ですから、なんのご心配も及びませんよ。いざとなったら、セレム様だけでなく、私もカエ様をお守りいたします。」と、凛とした声で宣言されます。
待って、私は一般庶民の植物係です。
王子と一緒に守るとか・・、王子だけで、あ、やっぱりちょっと怖いから守って欲しい・・。
綺麗なローニャさんを見て、ふと・・
「そういえばローニャさんおいくつですか?」
「38歳です。」
「え??!!!!もっとお若いかと・・」と、慌てて口をセルフで塞ぐ。
「竜族の寿命は500〜800年ですので、年を取るのはゆっくりなんです。
私は、人間でいえばおよそ14.15歳くらいですかね・・。」
「今度は若い!!ああ、じゃあに人間年齢で言えば、私の方が少し年上ですね。私は18なので。」
「「え・・・・・・・!!!!!????」」
あれ、2人分の声が聞こえるぞ・・と、思ったら、部屋へ入ってきた
青い顔したセレムと、びっくりして表情筋が動いたローニャさんが・・。
美女さんと美少年は、驚いた顔まで綺麗だなあぁと、思わず見惚れちゃう。
そして、私は一体幾つに見えたの???