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事前確認は、大切です。

兎にも角にも、労働せずして家・・もとい城に置いてもらうのは大変申し訳ないので、「働かせてください!!」って、某映画の主人公の女の子のセリフを言ったよ・・・。



いや、だって・・ふっかふかのベッドの部屋に住んでいいとか言われたら、

一般庶民は、もう恐縮するでしょ???私はするよ!!!

クローゼットに、え?来るって知ってたの?ってくらい自分にピッタリの服がぎっしり入ってるんだよ?

お風呂もトイレも付いてるんだよ?

恐れおののくわ!!!



とりあえず働きたいので、シンプルな紺のワンピースを貸してもらい、クローゼット部屋で手早く着替える。

「やる」って言われたけど、こんな一般庶民でもわかるくらい、艶が良くて、触り心地が良い布で作られたワンピースを平気で貰うとか、そんな鋼の心臓ではないので、丁重にお断りする。



「別にいい。誰も着ないんだから、やるって・・」


セレムにブツブツ言われたけど、私は善良なる一般市民ですので遠慮します。

これ以上借りを作ったら、死ぬまで返せないと思うし。


ふと雇い主になるんだし、セレムさんかな・・と思って、着替えてそばへ行き


「えーとセレムさん?セレム様??」


と言うと、ジロッと睨まれ


「セレムでいい」と直される。


なんでやねん、こうさ上下関係とかあるでしょ???

あなた絶対身分高い王子様とかでしょ?

俺の城とか言っちゃうくらいだし。

城の働いてる人から、怒られるの私だよ???と、思うものの・・私は一応(?)

雇われの身なので、黙っておく事にした。



「ローニャ!」


セレムが私の手を引いて、部屋から出て声を掛けた瞬間、

音も無く、銀色の髪を一つにまとめ、黒く長いメイド服を着たハッとするほどの美女さんが


「お呼びですか」


いきなり私達の前に現れる。

びっくりして目を丸くする私を、無視して


「カエだ。今日からここで働いて貰う・・・・事に、とりあえず・・する」

「え?とりあえず?」


思わず口を挟む。

いや、頼むから申し訳なさすぎるから働かせて下さいよ。



「・・・お前は、そうしないと気が済まないんだろ・・」


チロっとセレムに横目で言われる。

なんで宇宙猫みたいな顔になってるの・・。

私の労働意欲をなんだと思ってるんだ。


ローニャさんと呼ばれた美女さんは、小さく頷き、


「それでは、セレム様のお部屋の植物のお世話をお願いして頂いてもよろしいでしょうか?」


「植物・・・・?」


実は、家はお花屋さんだったので、素直に嬉しい提案だった。

私が、ちょっと安心した顔を見て、セレムも安心したのか、


「うん・・それはいいな。まぁ、襲いかかってくる植物は、とりあえず片付けておけばいいし」



ちょっと待って、それ私の知ってる植物じゃない!!

思わずツッコミそうだったが、危険な植物は撤去してくれるようなので、有り難く植物のお世話係りを任命される事になった。異世界コワイ。



ただ、この後私の部屋よりも広い部屋に温室があるわ、植物の数がやたら凄くて

これを世話しろと・・・・・???と、遠い目をした私は思い知った。

事前の確認は、大変重要だと。





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