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お礼はお茶が定番?

いきなりやってきた私が、木を生やしちゃうわ、森を復活させちゃうわ・・と、色々やってたけど、実は若干「でも、他の人もできるんでしょ・・?」って思ってたけど、どうやらそうでもないらしい。


国によっては、私の取り合いになるという恐ろしい現実。

それはいかん。

平和が一番!のんびり、まったり、ゆったり生きていきたい!!


早速、セレムの温室に用意してあった鉢に、種をそれぞれ植える。

いきなり大きくなって巨木になると困るよね・・・。


「あの、この植物たちって、どれくらいの大きさになりますか?」

「薄い黄緑の種は大体50センチくらいの花になります。白い種は120センチくらいの木ですね」

「じゃあ、一つずつ大きくしてみます。種もできれば採れた方がいいですよね?」

「ぜひお願いします。」


バリスさんに微笑まれて、気合を入れる。

うまくできるといいな・・。


薄い黄緑色の種の鉢の土にそっと指を触れる。

目を閉じて、指からパワーが流れるイメージを浮かべる。

せっかくだし、穢れを清めるなら、神様とかにお願いした方がいいのかな?



ええと、この世界の神様、皆反省しているので、

ちゃんと浄化できる種を下さい。

お花さん、土さんもお願いします!



そう願って、土に指を入れてみると、指がポカポカしてから、体がほんわか温かくなる。

これ気持ちいいな〜〜。私が癒される。


目をそっと開けて鉢を見ると、一瞬間が空いて、シュルっという音が聞こえたかと思うと、薄い黄緑の芽が出てきた!あっと目を輝かせると、そこから早かった。シュルシュルと早送りが3倍速になったくらいのスピード感で、茎が伸び、花が咲き、蕾になった。


「え?蕾になっちゃった??」

「・・こんなに早く・・・?!」


バリスさんは、目を見張るように蕾を見る。


「え?ダメだったんですか?」

「いや、この花は蕾の中に種を作るんだ。開いたら種が出てくるぞ。ほら」


そういって、セレムがそっと蕾を開くとギッシリ同じ薄い黄緑色の種が入っていた。


「良かったぁあ〜〜〜!」


喜ぶ私に微笑むセレム。隣に立つバリスさんは信じられない・・とばかりに、種を見る。


「セレムが言っていた通り、ものすごい力ですね・・。これは・・本当にセレムがカエさんを保護してくれて良かった・・。セレム、神に感謝だな。」

「ああ、本当にそう思う」


お、おぉ・・・兄弟でそんな褒めるなよう・・。


「あ、あのもう一つの種もやってみますね」


照れ臭くて、すぐにもう一つの鉢の前へ行く。

バリスさんは、ワクワクした顔になっていた。

白い種かぁ・・どんな木なのかなぁ・・そう思って、目を閉じて同じように土に指を入れる。

あ、神様にお礼言った方がいいかな・・



神様〜〜、お花ありがとうございます!

この木も無事に育って、この世界を

綺麗にしてくれますように。

よろしくお願いします!

 


そう願って、またパワーを流すイメージで念じてみる。

また指も体もポカポカしてくる。

ふぁ〜〜気持ちいいわぁ〜。


目を開けて、鉢をみると今度はポンっと音がして芽が出てくる。

そしてあっという間に枝が伸び、葉が茂り、私の胸くらいまでの大きさになると、花が咲き、実がなる。種なのかな・・丸い形のツヤっとしたものができた。


「これも・・・一瞬で!!」


バリスさんは感動しているのか、手を口に当てて感極まっている。

そこまで喜んでもらえると照れくさい・・。

でも、この世界の神様が応えてくれたって事でいいのかな。

種っぽいものにそっと手を触れると、プツッと音がして手の中に落ちてくる。


「・・・ありがとう」


思わずお礼を言うと、手の中の種がほんわりと暖かくなる。

うーん・・・神様にお供えとかしておくべきかな・・?




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