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再び問題発生。

会議中だったセレムは、中庭にモルの木を元の大きさに戻して埋めてから、また仕事へと戻っていった。

忙しい中ごめんよ...。私はというと、その後成長が遅いなぁーと思っていた温室にあった草木にそっと声をかけて、発芽させたり、花を咲かせたりしていた。

夢だけど、夢じゃなかったー!


ふざけてるわけじゃないよ。....たぶん。



昼食をセレムと食べてから、温室で生長させた草木の変化した様子を報告する。けど、いつ、またうっかり話して巨木にしちゃうかわからないので、極力小声で話す。

そうするとセレムが聞き返す..を、繰り返すので、面倒だなぁと思って、セレムの耳元で話す。

と、急に甘い匂いがしてセレムがしゃがみ込んでしまう。



「カエ、耳元はだめだ..」


赤い顔して、こちらを見る。

ご、ごめんよ...でも、私も匂ってるんだろうな。

セレム、こっちをニコニコして見てるし。

気持ちが常に筒抜けとか恥ずかしすぎるんだけど...。


「この香りって、いつまで続くの..?」


思わず聞くと、ちょっと顔を赤らめたセレムがボソッと


「結婚すれば、縁が結ばれて匂いは止まる」


ま、まじかーーーーーーーー!!!!!

結婚までこの恥ずかしすぎる状況が続くのか!!!

竜族はあれか、耐久レースとか好きなのか?!


結婚どころか、生活するので手一杯でそんな事考えられないのに..

そんな日が想像もできないよう...


ふいにしゃがみ込んでいたセレムが、私の手を握って目の前に立つ。



「俺と結婚してくれるか?」


蒼い瞳がじっと静かに見つめる。


いやちょっと待て、結婚の話した?プロポーズの流れあった?!

あ、いや会話の流れで出てたね?!って、自分にツッコミを入れる

私、顔真っ赤だろうな...と思っていると、セレムがそっと抱きしめてくる。


ちょ、こら!!恥ずかしくて死ぬから!!!

もうきっとお互い、いい香りが出てるんだろうな。

セレムからは、すっごく柑橘系のいい匂いがするし...。

スリッとセレムが嬉しそうに顔を擦り寄せてくる。


私より10センチくらい高いけど、まだ少年っぽさが残る顔を見ると、ちょっと冷静になれる。うん、とりあえず離れよう..そう思って顔を動かすと、セレムのポケットから甘い香りがする。


「セレム、モルの実持ってたんだ」

「ああ、カエの力が入ってるだけで、調べたら害はないようだし。」

「モルの実って、食べられるの?」

「食べられるぞ」


そう言って、ポケットからモルの実を出すとセレムはパクっと一口で食べてしまった。


「あ!私も食べたかったのにのに..」


後でローニャさんと取りに行こうかな..と、中庭を向いた時、急に今まで嗅いだ事のない甘い匂いが強くした。



「セレム?!」


慌てて上を見上げると、サラッと長い黒髪が頬を掠める。


え???長い髪....???

シャツの辺りを見ると、ボタンが弾けたのかしっかり筋肉が付いた胸元に驚く。

蒼い瞳をした美少年の腕の中にいたはずなのに、太い筋肉質の腕にかわっている。

顔を見上げたら、目の覚めるような美青年がいて...口がポカンと空いた。




「えっと....どなたですか?」


そう言った私を誰も責められまい。

え、本当にどうゆこと...????




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― 新着の感想 ―
[一言] (^w^)クスクス やっぱりト●ロ。。。森の妖精でしたね。
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