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問題事案発生。

急転直下、青天の霹靂・・?

植物係から、まさかの竜族の王子様であるセレムの婚約者になってしまった。

あれから後ろで生温かく見守っていたローニャさんに


「おめでとうございます」


って、微笑まれた時ほど、穴を掘って飛び込みたかった・・・。

やめてぇ・・・まだ18の乙女に・・・羞恥プレイよ・・?

日本人は恥ずかしがり屋さんなの・・。


ゆっくりのんびりまったりお付き合い・・を、強く宣言したので、

植物係は自分の力も見極めたいし続けていく事、

あと読み書きができないのは不便なので、勉強と

この世界の生活の仕方を覚えていく・・の3点は、ちゃんとさせて欲しいとお願いした。


セレムは会った当初・・何も知らない私の手を繋いでたりしたものの、心細いだろう・・と、気を使ってたらしい。何で「らしい」かというと、今、遠慮リミッターを外しているからだ。


あれから更に2週間ほど経ったが、手を繋いで移動はもちろんのこと、毎朝枕元に花を手ずから飾る。ご飯は絶対一緒に食べるし、「おはよう」から「おやすみ」まで挨拶を欠かさない。しかも仕事でいないはずなのに、常時どこへいても柑橘系のいい香りがどこかしこからする。

すごい・・・・。竜族の「好き」を舐めてた。


しかもちょっとドキッとすると、セレムがめちゃくちゃ微笑む。

ぐわぁ・・・匂いがするんですね、わかります。

お願いだから!!!控えて!!!!


居たたまれないって・・よくわかんない感情だったけど、今、痛いほどわかる。これか!!!精神的に落ち着かない私の心を癒すのは、その張本人がくれた「植物」のお世話っていうのが、また皮肉な事を付け加えておこう。



「・・・・はぁ」


今日は外せない仕事が入って渋々執務室へ行ったセレムがいないので、温室で一人水やりをする。久々の一人・・・、お、落ち着く・・。いや、扉の近くにローニャさんが待機してくれてるけどね。


アイシェさんから「おめでと〜〜!」の手紙と共に送られてきた種が入った鉢に水をかける。アイシェさん・・・、セレムから何をどう聞いたんだ・・・いや、何も考えないようにしよう。


「まだ芽は出ないなぁ・・」


貰って、今日で10日目・・。

ローニャさんにお願いして、束ねてもらった紙に鉛筆で、発芽なし・・と、書いておく。記録とか大事かな・・って。


「栄養とかあげた方がいいのかなぁ・・。」


昔、朝顔育てたけど、発芽にこんなに時間かかったっけ?

でも、ここは異世界だし勝手が違うのかな・・。


異世界の子供用の「お花をさかせてみよう」っていう本を取る。

言うなれば全部ひらがなで書かれている本だ。少しずつやった読み書きの練習の成果のおかげか、小さい子向けなら何とか読める。エライぞ私。


「えーと、お水はあげた。お日様にも当たってる・・。えーと、「大きくなあれと言う」・・。ああ、これはまだ言ってないかも・・。っていうか、言葉がけが必要なのか・・?」


可愛い竜の子供が「おおきくなあれ」って言っているイラストを見て、そういえば私の世界も植物に声をかけると、それに応えてくれる・・みたいなの聞いた事あったなぁって思い出す。

ちょっと照れくさいけど・・一人だし(ローニャさんいるけど)



「お、お花さん・・大きくなあれ。あと綺麗に咲いてね」



一瞬の間。

これ、ちょっと恥ずかしいな・・と、思った瞬間、ゴォッと音がして・・

ものすごい勢いで、鉢から花・・・でなく、木が温室の高いガラスを突き破って伸びた。



「・・・・・・・・・・え????」


花が木になったのも驚いたけど、いつの間にかセレムが私を庇うように抱きとめていたのに更に驚いた。え、何で??



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