12日目 曇りのち晴れ
この楽園みたいな生活を手放せず、バイトが終わっても日本に帰らず正社員となり、「願う権利」まで使ってダンジョンごと蘇るようなダンマスも居るようだ。
噂によると二桁期のダンマスは総じてみな、そういった選択を選んだ正社員らしい。
朝ごはんは久しぶりにAセットにした。Dのハンバーグカレーも旨そうだけど、Aの付け合わせがコンビーフとマッシュポテトを混ぜて焼いたやつなので選んだ。旨い。
さて、メスゴブリンがさっそく野生動物を狩りに行きたいと言ってきたので許可した時に思ったが、ゴブリンみたいに生殖能力だけを破壊するウイルスなんかは作られなかったのだろうか。
病気は魔法でどうにでもなるが、病気と気付かなければ魔法で治そうと思わないのでは?
生殖能力を失う以外に症状が無ければ、気付かれにくいだろう。
と思って調べてみたら、やはりもう実行されていた。そして対処されていた。病気の部分をサーチする魔法もあるらしい。ウザいな。
かなり昔から思い付いたダンマスが何回もそういう病気を流行らせていたらしいが、魔法がどうにかするか、魔法でなくても免疫を獲得して抵抗に成功するようなパターンが結構あったようだ。そのせいか、生き残りの血筋は人間としてかなり強いらしい。地球で言う「現代人と比べて昔の人は病気に強かった…じゃなくて治せないから強くなきゃ死んでいた」ってやつだ。
しかも異世界人にはレベル制の加護があることもあり、ただの人間と比べたらかなりしぶとい生き物のようだ。ダンマスがけしかける魔物がスキルを積んでるからと実装されたらしいが…厄介な。
話は変わるが、行商は村から去っている。村は夜間に見張りはいるがおざなりであるため、襲撃も上手くいくだろう。
まあダンジョンまで来てもらった方がポイント的には良かろう。
というわけでお誘いを掛けるために、幻惑スキルを持つフェアリーを2匹召喚する。カスタムはしていない。能力的に削る部分も盛る部分も無いからだ。フギンムニンのように外見を誤魔化す必要もない。水と蜜、または魔力で生きるフェアリーは野生化してもイタズラを仕掛ける以外に人間を襲う必要がなく、人間社会にモンスター扱いされていないからだ。
それどころか綺麗だからって飼っている者もいるらしい。
村の周りで草を摘んでる子どもの中からひときわ幼い者を選び、姿をちらつかせるように指示。キラキラがいる!とフェアリーを認識させてから、素早く撤退させた。
今日はここまで。
今後も毎日とまでは行かないが、姿をちらつかせておくことでフェアリーを身近にしておきたい。まだ大人の前には出ていかない。換金目的で捕まるのは困るからだ。幻惑スキルも特殊素材のかごに入れたり、普通の素材でも木箱などに密封されてしまえば通じないので。
というわけで後はゲームしながら菓子食ってた。
700年以上の歴史があるダンマスの文化だが、今のところ2000年~2020年までに存命の若者を複数の平行世界の日本から毎年スカウトしてきていることもあり、けっこう面白い進化をしていたりする。
中にはダンジョンを最低限の維持だけして、コンテンツの制作と販売を生業にしているマスターもいるし、アニメーターやってたようなプロ有志が集まって、実在したコンテンツを再現してるようなとこもある。
ダンマスがダンジョン運営シュミレーションゲームをやっていたり、逆にダンジョン攻略ゲームをしていたり。そこから発展して親しい仲なら互いにゲーム上で再現したダンジョンを攻略することで弱点を探る、といった文化もあったり。
ちょっと毛色は変わるが、中にはエロトラップダンジョン配信で稼いでいる連中もいる。別に異世界人相手なら規制はないので、エロだけでなくエグい方面…スナッフなフィルムの配信とかもあるそうだ。
(ダンマスは異世界人相手に恋愛しないが、二次元を楽しむ感覚でオカズにしている連中もいるらしい)
そうして蓄積された作品の層は厚い。
各媒体をいくら遊んでも尽きることはないだろう。
お昼のハンバーガーセットをゲームしながら食べてたら、さすがにアシさんから苦言が飛んできた。
服にケチャップとピクルスを落としていたのでさもありなん。
夕飯はジャンボえびふりゃあセット。昨日はジンギスカンにしようかと思ってたんがが、ビッグ・エッビの魔力には勝てなかったよ…。
となるくらい、冗談抜きでジャンボエビフライだった。タルタルソースもかなり旨かったので、タルタルソースだけ売ってはくれまいか。
売ってた。
買った。
ばいとちゅらい。




