表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チビ陛下と私の味噌汁ウォーズ  作者: 佐田祐美子
前半、馴れ初め
16/32

SS 髪を切りましょう

オマケ漫画を文章化して少し加筆したものです。








 私はとうとう、ずっと気になっていたことを訊きました。


「レンてさ、随分髪の毛長いよね」


 太陽光を束ねて絹糸にしました、というような表現が似つかわしいレンの髪。さらっさらのつやっつやですが、男の子にしては些か長いのです。女の子だったら結ぶか結ばないか悩むくらい、セミロングと呼ぶべきか迷う長さです。


「これか? あまり短く切ろうとすると手が届かなくて、不恰好になるからな」


「えっ? 自分で切ってるの」


「刃物を持って背後に立たれるとまずいからな。エレーヌの手ではハサミが使えぬし」


 難しい立場の国の王サマは大変なようです。


「じゃあ私が切ろっか」


「そうか、マリサに切らせればいいか」


 ほい、とハサミを渡されるくらい信用されているかと思うと嬉しい限りです。ところで私は兄弟姉妹いませんので、誰かの髪を切るという行為をしたことがありません。


 嫌な予感がしますね?


「じゃ、触るよー」


 一応声をかけてから触ります。自分の髪と全然触り心地が違いました。切ったぶんを私の髪と取り替えて欲しいくらいです。


「どのくらい切ればいいの?」


「坊主にならない程度で邪魔にならなければいい」


 長さは特にこだわりはないようです。私は近所のがきんちょ共を思い出し、髪の長さを適当に平均化しました。それを目安にじゃきじゃき切っていくことにします。


 じゃきじゃき。


 うなじ白っ!? 細っ!?


「どうした?」


 思わず手を止めた私に訊いてきました。私は「いやなんでも」とかそれとなく誤魔化し、襟足を整えようと指を沿わせました。するとレンがビクッと首を竦めました。おや。


「もしかして首、弱い?」


「首に強度もなにもないだろう」


「へえ~? ふ~ん?」


「よ、よからぬことを企むな!」


 声が必死だったので、私は理性で悪戯心の手綱を引きました。その後は無心です。素人ながら整うようにと願いながらハサミを動かします。


 顔の左横の髪を切っていた時でした。目に切った髪がかかったのかレンが瞼を伏せました。その一瞬。一瞬だったのです。私の中に相変わらず睫毛長いな、という雑念が生まれてしまったのは。


 ざくっ。


「…………………………おい」


「…………………………ハイ」


 レンはしばらく、左横の髪をピンで留めて誤魔化す羽目になりました。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ