ミッション
祖母と完全同居の生活が始まりました。
夕食後、祖母の自室へ遊びにいくと、
「マコト、今日のご飯どうだった?」
「えっ?ちょっと薄かったかな?」
「よく分かってるねぇ、お母さんに伝えといてね。味見しなさいよって。味見は料理の基本だからねぇ。それに味付けが分からないなら、聞いてくれたら教えるのに……」
純粋な私です。尊敬する祖母が言うんだから間違いがないと、母に伝えに行きます。
実はこういうことは、引越しする前からありました。でも、居住スペースが曖昧になり、ごはんを一緒に食べることで、回数が激増しました。
共有スペースに来ては、
「全然掃除できてないな……。こういうところも掃除しないとダメだからね。お母さんみたいになったらダメよ?」
家族で外食しては、
「この味を覚えるのよ?家の味は覚えたらダメよ?」
コロッケなどのお惣菜が出ると、
「家で作れるのに……。こんな不味くて添加物がたくさん入ってるものをなぜ買うのかしら?」
目の前に母がいてもいなくても、全ての締めは、
「お母さんに伝えてといてね」
なぜ自分で伝えないのか、疑問に思いたずねました。
「私(祖母)が言うと角が立つでしょ?それにおばあちゃんが言うと、お母さん、すぐに泣くし」
つまり、私の役目は、祖母の意見をまるくまるく言い換えて、母に伝えること。
母と祖母の仲を取り持つこと。
いやいや、小学4年生にミッションの難易度高すぎるでしょ?