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弟の証言 1 お兄(おにい)と彼女
その女性は元々、俺の所属していたバンドのファンだった。
お兄にバンドの音源を聴かされたのがきっかけで通うようになったらしい。だからまぁ、お兄には少し感謝している。
ライヴ以外で初めて彼女に会ったのは、最初のバンドが解散した年の冬だった。お兄に呼び出されたカラオケボックスに彼女がいた。正直少し意外だった。数年前に別れた元カノをずるずると引き摺るお兄は、一時期相当遊んでいた。そんなお兄が、派手でもギャルでもない、でも決して地味ではない、清楚さと華やかさを併せ持った、いかにも純粋そうな彼女を連れていることに驚いた。それと同時に、「俺達のファンを泣かせないでくれよ?」と少し不安になった。彼女の年上とは思えない、愛らしい笑顔を見るほどに、何故か不安になった。




