独白或いは懺悔
教会で鐘の音を聞きながら私は祈りを捧げる
私が祈りを捧げるようになったのはあの日殺人を犯したからだ
愛を永遠にする為必要なことだっただけどどこか申し訳ない気持ちもあり神に助けを請う為祈りを捧げる
私が愛を永遠にするようになったのはある男がきっかけだった
その男の名はSと言うもので私が2人目に好きになった残酷で優しい男だ
Sと出会ったのは学校だったいきなり話しかけてきてそれから毎日話しかけてきた話してるうちに名前やクラスが違うものである事を知りお互いにあった事を話すのが楽しかった
時は流れ進級し同じクラスになったそこは頭の悪い人が寄せ集められたクラスでSの不良仲間も同じクラスになった
同じクラスになったので不良仲間とも仲良くしていく事になり或る日不良仲間の一人が私にSは君の事が好きだって毎日可愛いだのなんだの言っててうざいくらいよと教えてくれた
私は嬉しかった私もSに恋心を抱いていたから
それから私はSに告白し付き合うことになった
(今思えば罠だって分かるけど当時は何も知らなかったんだ)
それからは順調に交際しSは本当に優しい人でまるでお姫様みたいな扱いをしてくることもあった
本当に何もかもキラキラしてて楽しくて幸せな日々だった
それも終わりを告げることになった
Sが浮気をしていたのだしかもあの時私にSの恋心を教えた女だった
女曰くSとは私にSが恋心あると教える前から付き合っており最近Sと一緒にいる私が鬱陶しくなりわざとSが恋心あるなど教えたのだと
Sはそれを知っててまぁヤれる女が出来るからいいかと承諾したそうで私との事も逐一不良仲間に教えて笑いあっていたと
私は何も言えなかったただそうかと強がるのが精一杯だった
弄ばれていた事そして何よりヤり捨てられた事が一番辛かった
当時は純粋な子供だった
エッチ=愛があるだと思ってたでも現実は愛が無くても出来てしまうものだった
私は理想と現実の間で悩んだエッチ=愛ではないのだとしたら何が愛なのだろうか悩み続け私は殺すことが愛なのだと思い始めた
どれだけ愛を誓ってもどれだけ体を重ねようが結局は捨てられるいやそれが自然なのだ
人間である以上心は移ろい変わりゆく
永遠の愛はなくあるのは有限の愛
では永遠にするならば?永遠にするなら...殺すしかない
殺して相手の時間を止めるしかないそう思ったのだ
私はSを山にある廃墟に肝試ししようと誘いそこで殺した
私は錯乱した人間のような演技をしながら山を下り近隣住民に保護され警察に連絡してもらった
私は終始錯乱したかのようにしていた為かSの死体が見つかった時も別段怪しまれなかった
それから1年後3人目の好きな人ができた
その人はとても優しく月の光のような自分の罪や弱さを許してくれるようなそんな雰囲気の男だった
名はNだ
この頃愛する人を殺した罪悪感に苛まれ自殺を図ろうと自殺掲示板を見て書き込みをしていた時Nさんが自殺仲間として仲良くしてくれたのだ
色々話すうちにNさんがこんなの無責任かもしれないけど君には死んでほしくないと言ってきたのだ
私はこの言葉が好きだ
今まで色んな人に自殺を止められてきたがどれも綺麗事やテンプレのようなものばかりだったがNさんのこの言葉には重みがある
Nさんだって死にたい気持ちはよく分かってる筈なのに私に死んでほしくないために無責任である事を最初に言ってるのだ
ほんと無責任だと思う自殺を止めるのは止めた側のエゴでしかないそこには肥大した正義感もあるだろうでも死のうとしてる側から見れば生きることこそ地獄なのだ
結果的にこのNさんの言葉で私は自殺を止めた
そして私はいつしかNさんに惚れていた
一人で死ぬより二人で死ぬほうが精神的に安定するから一緒に死なないかと提案したらNさんは最初私の家族に迷惑が掛かるしと渋っていたが最後は承諾してくれた
或る日Nさんが僕の事どう思ってるか聞いてくるので好きとそれはどっちのと聞かれたので恋愛感情としてと答えると僕なんかでいいのかと聞きながらもokしてくれた
それからは楽しかったバレンタインの日は私がチョコを作り写真で見せてあげたりした
会いたいと言ってきたことは一度もなかった多分私が子供であることそれからNさんの仕事が忙しかったからだろう
そんな日々は唐突に終わったNさんが自殺したのだ
今までありがとう僕はこれから死ぬけど君は希望を忘れず生きて約束守れなくてごめんねと言い残して逝ってしまったのだ
私は絶望に暮れた何度も死のうとしたでもNさんはきっとそんなことは望んでいないだから生きなくちゃとNさんの分まで生きなきゃと思い生きてきた
そしてNさんが自殺してから1年後4人目の好きな男いや依存してた男だったかもしれない
名はLと言った
Lとはゲームで知り合いいきなり惚れたといい求婚してきた男だった
私はNさんのこともあるし出会い系サイトじゃないんだからそうゆうのはと断り続けていた
そんな男を私は好きになったのだ
もしかしたらNさんがいなくなった寂しさのせいだったかも知れないわからない私もどうしてLを好きになったかわからないのだ
そんな強引な求婚をする割には意外と知的な男性だった
おかげで話も楽しく友達として仲良くし続けたそして私から告白した
Lは嬉しがって毎日連絡をし電話をしてきた
私もそれが嬉しかったでも出会いもあれば別れもあるLとは普通にお付き合いをしLが私に飽き別れた
その別れから2か月後彼女を作ってきたのだ最初は申し訳なさそうにしていたLだが私が平気だという事を知ると調子に乗り始め彼女の自慢話しかしなくなった
私はそんなLに傷つき昔の傷が抉られ少しずつ狂っていった
そう殺せば永遠の愛になるという事
そして人魚姫のお話になぞらえ私は可哀そうな人魚姫だと思い始めた
人魚姫は最後王子様を殺し自分が生きるか自分を殺して王子様を生かすか選ばされ人魚姫は後者を選んだでも私は前者を選ぶだって王子様が他の女と結婚するかもしれない私はそんなの耐えられない
そんな事になるくらいなら王子様を殺すそう思ったのだ
相変わらず悪びれる様子もなく彼女の話をする王子様が私に会いたいと言ったのだ大方セフレにでもする気だったのだろうそれでも私は良いよと言ったそして王子様と出会い教会で殺した
そう今自分が祈りを捧げ過去の事に思いふけているこの場所だ
いま私の目の前には王子様の死体がある
サイレンの音が聞こえるもうじき私は逮捕されるだろうでもそれでいい最後に皆様にこんな言葉を
❛もしも真実と空想が入り混じっていたら、真実が何かなんて誰にも分からない’
殺人鬼メアリー・ベルより引用
お名前をお借りしたSさん、Nさん、Lさん、に謝罪と感謝を