ブルーしゅごいの見つけたの
「内戦?」
「はい、もう1つの浮遊島、ミッドガルドでは私たちのような多くのドラゴンの民が長きに渡り平和に暮らしていたのですが、今の代の竜王さまは民に厳しく、税金が上がる一方だったのです。そしてその圧政に耐えかねた一部の民衆が蜂起し、内戦に発展しました。私たちがいたレッドドラゴン族の村はその戦いに巻き込まれ、壊滅してしまいました。」
炊き出しの後、オレとステラさんはリーダーの少年、レックスから、話を聞いていた。1LDKのダイニングからもってきたイスを地面に置いて座って向き合っている。
「それで、若い者たちだけなんとか逃げ出したのか…」
「はい。途方にくれて空を彷徨っていたところ、黄金に輝くカイザードラゴンさまを見かけ、その美しさに魅了されてしまいまして…」
「追いかけてきたのか。」
「はい。」
戦争難民ってやつか、まぁ、でもこの人数ならイネルバの街で受け入れて冒険者としてやってけばいいじゃないかな?、
「なあ、ステラさん…」
「ごしゅじんたま!」
ステラさんに相談しようと話しかけたところで、ブルーが駆けてきて大声でオレを呼んだ。
「ん?、どうしたブルー?」
「ごしゅじんたま、ブルーしゅごいの見つけたの、こっち来てくだしゃい!」
ブルーがオレの腕をとって何処かにひっぱって行こうとする。
「わかったわかった、レックス、悪い、また後で話そう。」
オレはブルーに手を引かれて、湖畔に散らばる中で一際大きな岩の前まできた。つられてステラさんとレックスもついて来ている。この岩3階建てのビルくらいの大きさがあるな。
「ここでしゅ!」
ブルーが指差す先には人が入れそうな大きな亀裂があった。…ん?、なんか中の岩壁が薄っすら光っているような…
「アキラさん、これ、ダンジョンみたいよ?」
ステラさんが驚いた顔をしている。
ブルーを見るとムフーっと胸をはってドヤ顔をしている。
オレは膝をついてブルー目線になり、頭を撫でてやる。
「すごいぞ、ブルー良く見つけたな。」
「あい!」
ブルーは気持ち良さそうに目を細めた。
いつものダンジョン攻略メンバーに加えてステラさんとブルーの発見したダンジョンに入った。
視界の右上にミニマップが表示される。
入ってすぐは広間になっていた。そこから道が3つ出ている。あの岩の中がこんなに広い訳ないんだが…ダンジョンってのはやはり不思議空間だな。
「シルフィ、ステラさんもいるし、念のため、ここからバリアとシールドを張っていこう。」
「はい。ウィンドバリア!、ウィンドシールド…」
オレたちを風の障壁が覆う。今のシルフィのMPなら、バリアが切れるたびにかけ直しても余裕だ。
右の道を選択して入る。
普通のごつごつした岩の道は最初に遭遇したスライムダンジョンに似ている。
そして、前方に中型犬くらいのサイズのブヨブヨしたものが出現した。
「スライムですね。」
「スライムだわ!!」
何故かステラさんは興奮気味。
スライムが縮んだかと思うと先頭のアリエスに飛び掛ってきた。
スパン!
アリエスは冷静にその赤い核をオリハルコンの長剣で切り裂いた。
スライムは光の粒子となって消えていき、赤い魔石とマジックポーションを残した。
しばらく歩くと道が2手に分かれており、また右を選んで歩くと行き止まりになっていた。
この間10匹ほどのスライムを狩っていた。
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スライムダンジョン2(1)を掌握しました。
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掌握ウィンドウがでたので引き返した。
「アキラさん!、このダンジョンは公開してくれますよね?!」
ダンジョンから出るとステラさんが興奮して話しかけてきた。
「そうですね、下のスライムダンジョンみたいに1LDKに繋がってる訳ではないですから。…いいよな?、ブルー。」
「はい、いいでしゅ。」
「ありがとう、ブルーちゃん、アキラさん!」
ステラさんは、ブルーとオレを抱きしめて頬ずりしてきた。
「随分嬉しそうですね、ステラさん。」
「そりゃそうよ。だってポーションとマジックポーションの大規模な採取場所が見つかったんだもん。イネルバの街にとってポーション、マジックポーションの安定確保は悲願なのよ。」




