エリクサーの奇跡
カイザードラゴンだと?
オレが名前をつけたことが切欠になったのだろう。ゴールドはオレの従魔となり、そのステータスが表示された。
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名前:ゴールド
種族:カイザードラゴン
性別:♀
年齢:5035
レベル:345
HP:600/8710
MP:6780/6780
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なんか、いろいろとぶっとんでるな。
種族のカイザードラゴンってドラゴンの頂点に君臨してそうな名前だし。
外見幼女なのに年齢四桁半ば超えてるし。
もしかして、これでもドラゴンとしては若いのか?
「ご主人様、宝箱でてるよ?」
ゴールドのステータスを見て悩んでいると、アリエスが教えてくれた。
広間の奥に燦然と輝く金の宝箱があった。
おぉ、これは期待できる?
オレは宝箱に近づき、傘で宝箱を開ける。そしてバックステップ。
ヒュッ!
パシ
オレの目の前を通過しようとした矢を掴みとると、その矢も金だった。
宝箱の中には金色に輝く傘があった。
また傘かよぉ!
アイテムウィンドウに入れると[オリハルコンの傘]とでた。
うん、もう殆ど最終兵器ですね、傘だけど。
オレは、宝箱も矢もまとめてアイテムウィンドウにいれた。なんか、価値ありそうだったしね。
[黄金の宝箱]に[黄金の矢]ね、こいつらは見た目のまんまだった。
さて、宝箱の回収も終わったし、帰るか。
「よし、じゃあ、帰るぞ。」
オレは広間の床をクリックし、ステラ邸地下倉庫の扉をだした。
「おぉ?、突然扉がでたのじゃ、ご主人様のちからか?」
ゴールドが驚いて目を見開いている。
「ああ、ちょっと窮屈だけど、ここに皆で入るぞ。」
皆で地下倉庫に入り、そして出るとそこはステラ邸の物置小屋の中だった。
物置を出ると、外は夕焼けに染まっていた。
「ここが外の世界か?、とってもキレイなのじゃ。」
ゴールドはうっとりとした目で夕焼けに染まる景色を見ている。
そして、倒れた。
「ゴールド?!」
オレは慌ててゴールドを抱きかかえてステラ邸に入り、オレの部屋のベッドにゴールドを寝かせた。
「シルフィ、どういうことだ?」
「分かりません。もしかしたら、ダンジョンモンスターが外に出た影響かもしれません。」
ゴールドが薄っすらと目を開けた。
「ご主人様・・・」
「ゴールドしっかりしろ!」
「もしかして、我は死ぬのかな?・・・いやじゃ、せっかくご主人様が外に連れ出してくれたのに・・・もっともっと、外の世界を見てみたいのじゃ・・・」
「ああ、オレたちと世界中を見て回ろう。だから、しっかりしろ。」
オレはアイテムウィンドウから、ポーションを取り出して、ゴールドに飲ませる。
だめか・・・
ハイポーションを取り出して、飲ませる。
これでもだめか・・・
念のためマジックポーションも飲ませてみたが変化なし。
そうこうする内にゴールドの体が微かに光り、輪郭が薄くなってきた。既にゴールドの目は閉じられて意識がない。
くそ、こうなったら、もうエリクサーしかない。たのむ、これで効いてくれ。
オレはエリクサーを取り出し、ゴールドに飲ませようとした。
しかし、もう意識の無いゴールドには上手く飲ませられない。
オレはエリクサーを口に含み、ゴールドに口づけをした。
口移しでなんとか、エリクサーをゴールドに飲ませた。
突然、ゴールドの体が激しく輝きだした。
光が止むと輪郭がはっきりとしたゴールドがいた。
ゴールドが目を開いた。
「ご主人様!」
ゴールドは元気に抱きついてきた。
「ゴールド、平気か?、いたいとことかないか?」
「大丈夫なのじゃ、なんともないのじゃ、ありがとうなのじゃ。」
「よかった。」
オレはゴールドを抱きしめ、その存在を実感した。
気がつくと、シルフィ、アリエス、トレイシーも抱きついてきていた。
「ゴールドちゃん。よかった。」




