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ダイヤモンドダスト

亀裂の穴を抜けると広大な洞くつが広がっていた。幅は150メートルくらいか?、高さも同じくらいある。他のダンジョンと同じように岩壁が薄っすらと発光している。


「よし、進むぞ。絶対にオレより前に出るなよ。」


「「「はい」」」


ドラゴンにもオレの確保領域の壁は通用すると思うが、普通に攻撃をくらったら一瞬でやられそうな気がするしな。


しばらく進むとミニマップの端っこに赤い点が写るのと同時に前方にトカゲみたいな影が見えた。この距離で形が分かるほと視認できるってどんだけデカイんだか。


近づいていくと、その巨大さに改めて驚愕する。四つん這いなのに、その高さはミノタウロスと同じくらい、50メートルくらいある。頭から尻尾までの長さだと300メートルくらいあるんじゃないのか?、


ただその容姿はドラゴンというよりはトカゲ。背中に翼らしきものは見られない。


アイスボールのウィンドウを展開するとそのターゲットに[アースドラゴン]と出ていた。


アースドラゴンのサブメニューを開き、その中で頭部を選択してクリックして発射。


ドン!


的がデカイだけにギリギリの射程で撃っても当たったけど・・・全然効いてる感じがしないな。


ギロリ


アースドラゴンの目が俺たちを捕らえた。


「ゴガアアアアアア!」


奴の雄叫びが腹に響いた。


ドドドドド!


地響きを立ててアースドラゴンが迫ってきた。


「退避、30メートル、いや50メートル後退だ。」


ドガガガーン


奴が確保領域の壁にぶつかった。


地震のような縦揺れがあり、一瞬体が浮いた気がした。


「ガアアア!」


ガン、ガカン!


壁の中に消えたオレたちを追おうと奴は壁に頭をぶつけ続けている。


大丈夫だとは思うが、ちょっと不安になるな。


ここは出し惜しみななしだ。最大の氷結魔法で行こう。


「ブリザード!」


ゴォオオオオ!


極寒の嵐がアースドラゴンを襲った。


しかし、


「ゴガアア!」


奴は健在だった。全然効いてない。いや、ほんの少し動きが鈍っているような気もするんだが、気のせいかもしれない。


氷がだめなら火で行くか。


ファイヤーランスのウィンドウを開き、アースドラゴンの頭部をロックしてクリックして撃ちだした。


炎の槍は奴の頭に命中したが、針が刺さったようにしか見えない。そして気のせいか、少し元気になった気がした。


万策尽きたか・・・・いや、前回スキルをとってからかなりレベルアップしたし、新しいスキルをとれるかも?


スキルのサブメニューから、追加を選択した。


===============

追加するスキルを選択してください。

現在残りスキルポイント64P


ダイヤモンドダスト 60P


アンブレラトルネード 20P

===============


アンブレラトルネードもちょっと心引かれるが、ここはダイヤモンドダストだな。よし、とったぞ。



「ダイヤモンドダスト!」


ミニマップでアースドラゴンの赤い点をクリック。


周囲から音が消えた気がした、いや凍りついた?


アースドラゴンの周りに氷の結晶が集まってきた。どんどんそれは集まり、やがてアースドラゴンを完全に包み込み巨大な氷柱に見えるほどになった。


そして、どこからか光が当たり、氷柱を中心に氷の結晶が舞い踊る幻想的な風景がかもし出された。


唐突に氷の結晶が霧散した。そして後には巨大なアースドラゴンの氷像が残されていた。


ごっぞり、MPをもって行かれた気がするな。消費MPは、500?、ブリザードの6倍以上か、でもまぁ、それだけの威力はあるのかな?


アリエスとトレイシーにアースドラゴンの首を上ってもらって、頭を潰してトドメをさしてもらった。


アースドラゴンが光の粒子となって消えていく。消える前にアリエスとトレイシーは慌てて、アースドラゴンの体を駆け下りる。


あれ、オレやシルフィじゃムリだな、途中で消えてかなりの高さから落ちるな。


アースドラゴンが消えた後には土色のボーリングの玉くらいの魔石と牛一頭分くらいの肉があった。


アイテムウィンドウに収納すると、アースドラゴンの魔石とドラゴンの肉とでた。


あの巨体から考えるとわずかなドロップのように思えるが、これ普通にもって帰ろうと思うと大変だな。


よし、レベルも上がって、MPも全回復したし、先に進みますか。

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