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猿と熊

柔らかい温もりの中でオレは覚醒した。なんだこの柔らかくて気持ちいいの。


もみもみ


「ああん」


顔を上げるとシルフィの顔があった。


「おはようございます。ご主人様。」


「おはよう。シルフィ。」


人数が増えたことで、一人はオレが目が覚めるまで添い寝をしてくれることになったそうだ。素晴らしい。


ダイニングに行くとすでに朝食の準備ができていた。


アリエスがてててと駆け寄ってきて抱きついてくる。


「おはようございます。ご主人様。」


「おはよう。アリエス。」


アリエスの頭を撫でてやると、尻尾がパタパタ振られる。


「今日はアリエスがフレンチトーストを作ったの。」


「そうか、ありがとな、アリエス。」


テーブルにはフレンチトーストとコーヒー、サラダがのっていた。





「そう、木の洞が中継ポイントとして使えて、野営しなくても進めそうなのね。良かったわ。アキラさんたちがこの家に帰ってこなかったら、やっぱり寂しいもの。」


「はい、オレもステラさんと会えないと寂しいですから。」


「ふふ、ありがと。」





ステラさんの出勤を見送ったあと、オレたちも皮鎧の装備をつけて準備する。


「皆、準備はいいな?」


「「「はい」」」


オレは玄関トビラをクリックする。木の洞が出現した。そこに入り、出る。するとそこは昨日来たトロールダンジョンの森の中だった。


振り返るとシルフィたちも出てくる。ここの入口もPT共用に設定してあるので一人ずつでも通れる。


全員が出てきたことを確認して出発する。





森の中を太陽の方向を頼りに北にしばらく進むと、ミニマップに赤い光点の反応があった。数は20以上。


「敵だ。昨日同様、最初は固まって行動するぞ。シルフィ、バリアだ。」


「はい、ウィンドバリア!」


風の防壁がオレたちを包んだ。


赤い光点の群れが近づいてくる。・・・あれ?、なんでまだ見えないんだ?


やがて、俺たちの白い光点と一部重なる。・・・上か!?


ヒュ!、カン!


バリアになにか硬いものが当たった。


上を見るとやたらと手の長いサルが複数いた。


「ロングアームモンキーですね。ああやって、木の上から投石して攻撃してきます。」


森の住人、エルフのシルフィが解説してくれた。くどいようだがシルフィはエルフでもオッパイは大きいぞ。


ガガガン!


連続して、やつらが投げた石がバリアに当たる。


これ、ケッコウな威力だな、ただ、魔力リングで強化され、ミノタウロスダンジョンでレベルアップしたシルフィのバリアなら、余裕だ。


オレはウィンドボールのウィンドウを展開し、クリックする。


ドン!


「キー?!」


一匹のサルに当たり、地面に落下してきた。


ドサ、


「いきます!」


アリエスが飛び出して行き、長剣を振るう。


ザシュ!


「ギィ」


逃げる間もなく、切り伏せられ、サルは光の粒子となって消えていった。


どうやら、奴らは地面におちると極端に移動が遅くなるようだ。


オレは、連続でクリックして、サルどもにウィンドボールを撃っていった。


ドドドン!


「「「キー?!」」」


面白いように当たり、サルどもは落下してくる。


木の上では素早いようだが、見えない空気の弾は避けられない。


下では、アリエスに加え、トレイシーもサルどもにトドメを刺して回っている。


サルどもは大混乱になって、もうオレたちに石を投げるどころではなくなっている。


オレは連続クリックを続け、サルを木の上から片っ端から叩きおとした。


やがて、全てのサルが光の粒子となって消えていった。


ロングアームモンキーのドロップは黄色いロングアームモンキーの魔石と瓢箪に入った猿酒だった。


それぞれが22、手に入った。





ゆっくりと近づいてきたそれは、クマだった。


既にシルフィのウィンドバリアは展開している。


「ムーンベアーですね、首と額のところに三日月の模様があります。」


「なるほど。」


それにしても、デカイ。四つん這いの状態なのに、3メートルを超えてるんじゃないか?まぁ、ミノタウロスに比べたら可愛いものだが。


「ガアアア!」


クマが後ろ足で立ち上がって、襲い掛かってきた。立ち上がると高さは6メートル近くになり、流石にちょっと怖いな。シルフィが息を呑んでいる。


ガン!


バリアに当たってクマは止まる。


そこで、オレは準備していたアイスボールをクリック連打で3つ叩き込む。


ドンドンドン


ゼロ距離で撃たれたそれは、全て命中、クマは綺麗に凍りついた。


「はああ!」


トレイシーが大剣で一刀両断にすると、クマは光の粒子となって消えていった。


後にはムーンベアーの魔石と熊肉、熊の胆嚢があった。ダブルドロップもあるんだ。





この後、ステラさんが作ってくれたサンドイッチを昼食に食べ。


フォレストウルフ32の群れとロングアームモンキー25の群れと戦った。


そろそろ帰りたいなと思っていたところに丁度、木の洞を発見できた。


===============

トロールダンジョン(2)を掌握しました。

===============


中継ポイントを確保した後、オレは地面をクリックし、ステラ邸地下倉庫のトビラを出し、帰還した。

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