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自慢のご主人様

中華料理店っぽい建物には[美食豚亭]と看板がかかっていた。


オレたち、オレとアリエスとシルフィは扉を開けて中に入った。


「いらっしゃいませ、何名さまですか?」


「ビルの名で予約が入っているはずなんだが?」


「あ、はい、ビルさんのお連れの方ですね、ご案内します。」


店員に奥の個室に案内された。


「お、きたな。アキラさん、おつかれさん。」


「おつかれさん、ビル、ジム、サムに・・・えと、トレイシーだったかな?」


ビルの隣には赤髪の麗人、トレイシーが座っていた。


「ああ、冒険者仲間のトレイシーだ。トレイシーもダンジョンでアキラさんに助けられたそうじゃないか、昨日の話をして、御礼に食事をご馳走するって言ったら、なら自分も払わせてくれってんで連れてきたんだ。」


「トレイシーです。改めてよろしくお願いします。あのときはありがとうございました。」


トレイシーが少し赤くなり、挨拶してきた。・・・なんか急に可愛く見えてきたな、なぜだろう。


「ああ、トレイシーを助けられて良かった。」


そこで、人数分のエール?が運ばれてきた。


ビルが乾杯の音頭をとる。


「それじゃあ、アキラさんたちへの感謝を込めて、乾杯!」


「「「「乾杯!」」」」


エールを一気に飲んだ。


なんだこれ、冷たくはないけど、パイナップルみたいな良い香りがして、甘みとコクがあって美味しい。


ここは、オーク肉の専門店らしく、次々にオーク肉を使った料理が運ばれてきた。


一口カツ、酢豚、角煮、等々・・・


「オレたちがダンジョンでとって来た素材だと思うと一層美味くなるよな?」


「そうだな、努力がむくわれた気がするな。」


ビルとオレは一口カツを頬張りながら話していた。


「ところでアキラさん、あのアイスボールだよな?、技名叫んでなかったからいまいち確信はもてないが、あんなに連続して撃てるなんてスゴイな。」


「ああ、ちょっと、秘密のやりかたなんだ。あんまり人には知られたくないんだ。」


オレは口に人差し指をあてた。


「おっと、そうか、冒険者にとって切り札は秘匿したいもんだもんな、すまんすまん。」




少し離れたところでアリエスとトレイシーが話していた。


「アリエスさん、アキラさんって、とっても強くで素敵ですね。」


「そう、ご主人様はとっても強い。ダンジョンで大盗賊ゲイル一味も瞬殺した。」


「え?、あの大盗賊ゲイルをアキラさんが倒したんですか?」


「大勢の盗賊に囲まれたとき、ご主人様は、『こいつらはオレの女だ。誰にも渡さん。』って叫んだ。かっこ良かった。アリエスはずっとご主人様の女。」


「えぇ、いいなぁ、あたいもそんなこと言われてみたい。」


「そして、ご主人様はとってもえっち。この前はスリップを着てご奉仕した。」


ああああああ、ちょっと、アリエスさん、ストオオオオオップ、それはいっちゃあ、あかん!


オレはアリエスの口をふさごうと駆け寄ろうとしたが、後ろからサムに掴まれた。


「アキラさん、飲んでますか?、アリエスちゃんもシルフィちゃんも可愛いですねぇ、とっても羨ましいです。」


いや、放せサム、今はそれどころじゃ・・・


結局、オレは酔っ払ったサムに絡まれて動けず。アリエスの口をふさぐことはできなかった。





ステラ邸への帰り道、オレはアリエスを背負って歩いていた。


「アリエスのやつ、あんなことまで話すなんて、はずかしくて穴があったら埋めたかったぞ。」


「でも、アリエスちゃん、ご主人様のことを話すときとっても楽しそうでした。自慢のご主人様なんですよ。・・・それは私にとっても同じです。」


シルフィが腕を掴んで抱きついて来た。


「・・・そか、オレは幸せものだな、こんなに思われて。ありがとう。」

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