チャーシュー麺チャーシューましまし
「お待たせしました。オーク魔石小71、オークロース5、オークヒレ肉1、オーク肩肉11、オークバラ肉11、オークモモ肉10、オークタン5、オーク豚足5、オーク細切れ肉25で、金貨12枚、銀貨2枚、銅貨2枚の買取りになります。」
「・・・確かに」
どうやらこちらでのお金の価値は銅貨1枚が日本円の千円くらいに相当する。そうすると、今回の受け取り金額は122万2千円にくらいになる。オークダンジョンに3日潜ってこれなら、できすぎだろう。盗賊討伐の賞金も別にあるしな。こちらでの生活基盤はほぼ磐石といっていいだろう。
「それにしても、アキラさんの収納って中の物が傷まないのね。オークの肉は傷みが早いから、こんなにためて出す人は、半分くらい痛んでる場合が多いのに、どれも新鮮だったわ。」
「そうなんですよね、だからついついためちゃってました。すみません。」
「いいわよ、まぁ、あたしとしてはできるだけ頻繁に来て欲しいけど・・・」
「ところでステラさん、このオーク肉をつかった美味しい料理を出す店、知ってたら教えてくれませんか?、」
「そうねぇ・・・」
「ここよ」
オレたちは[番頭火ラーメン]と書かれた看板を見上げていた。
「ラーメンですか?」
「ここのオーク肉を使ったチャーシュー麺が絶品なの。」
オレたちは、丁度昼休み時間だからと、ステラさんも一緒に昼ご飯を食べることにした。
古風な扉を開けて店内に入ると席はカウンターだけのシンプルなものだった。
「いらっしゃい、なんにしますか?」
筋肉モリモリの頑固オヤジっぽい店主がいた。
「チャーシュー麺、チャーシューましましで、」
ここは常連っぽいステラさんにあわせておくか。
「あ、オレも同じで、アリエスとシルフィも同じでいいか?」
「「はい」」
「あいよ、チャーシュー麺チャーシューましまし、4ついただきました。ありがとうございます。」
カウンター席だと、ラーメン作ってるところが見れておもしろいよね。
まず麺を茹でてるな、あれは、縮れ麺っぽいな、スープがよく絡みそうだ。
そして、スープは、ドンブリに醤油ダレをいれて、その上から鶏がらスープっぽいのをいれてる。うんうん、美味しそうだ。
麺を湯きりして、いれて、ネギとメンマをいれて、いよいよチャーシューの登場か、うわ、分厚ぅ、それを、ええ、おいおい、どんだけ、入れるんだ。うわ、まだ入れるの、ちょっと・・・・おいおい。
「おまたせしました。チャーシュー麺チャーシューましましです。」
正にデーンといった感じでドンブリが圧倒的な存在感をもっている。厚く盛られたチャーシューによって、麺がまったく見えない。アリエスとシルフィも目が点になってるな。
まぁ、とにかく食べるか。
「「「「いただきます。」」」」
これは、肩肉のチャーシューかな、コリコリした食感が心地いい。お、こっちはバラ肉か、そこそこ脂身もあって、美味しい。うんうん、おぉ、今度はもしかしてロースのチャーシュー?、絶妙のバランスで脂身があって、旨みがにじみ出てくるようだ。って、こっちはもしかしてヒレ肉か?、脂身はあんまりないけど、さっぱりした食感がすばらしい。
気付いたら、てんこ盛りだったチャーシューは残りわずかになっていた。やっと見えた麺をすする。うん、よくスープの味がなじんでいて美味しい。
ずずず・・・。
スープも残さず飲み干して完食した。
「「「「ごちそうさまでした。」」」」
美味かった。これでお値段は・・・銅貨1枚と青銅貨2枚か、あれだけフンダンにチャーシューが入ってたんだけら、安いよな。
勘定を済ませて、店を出ると、行列ができていた。ちょうど混みあう前に入れていたようだ。
「美味しかったです。ステラさん。良い店を教えてくれてありがとうございます。」
「どういたしまして、こちらこそ、ごちそうさま。でも、こんな美味しいチャーシュー麺が食べられるのも、アキラさんたちがダンジョンでオーク肉をとって来てくれるおかげなのよ。これからもがんばってね。」
「はい、がんばります。」




