和解
アキラとアリエスがステラさんと同居することになったときの小話です。
私はアリエス、アキラ様に仕える奴隷。
ご主人様は毎晩のように私に情けをくださり、幸せでした。
でも、冒険者ギルドにご主人様だけで行った帰りにステラさんの臭いが濃く残っていることがあり、もやもやした気持ちになってしまいました。その時は強引にご主人様をシャワーに誘い、お互いを綺麗にした後、可愛がられたことですっきりしたのですが・・・
冒険者ギルドのステラさんの社宅にご主人様と私、ステラさんの三人で住むことになりました。ステラさんも一緒に住む・・・そう思うと私はまたもやもやした気持ちになりました。
ご主人様がステラ邸の露天風呂につかっています。私とステラさんは、ご主人様のお背中をお流しするために、脱衣所にいました。
「ねぇ、アリエスちゃん。ご主人様のこと好き?」
「勿論、誰よりも、ご主人様のことをお慕いしています。」
「あたしもアキラさんのこと大好きなの。アリエスちゃんに負けないくらい。」
「私のほうが絶対好きです。」
「ふふ、アリエスちゃんは負けん気が強いわね。でも、あたしはアキラさんのことが好きだから、アキラさんに幸せになって欲しいの。アリエスちゃんもそうじゃない?」
「それは・・・そうです。」
「あたしたちがアキラさんを取り合って争ったら、アキラさんは悲しむわ。」
「そうですね。」
「だから、協力して、アキラさんに気持ちよく、幸せになってもらいましょ?、」
「・・は・・い」
ステラさんは、私のことを抱きしめてきました。
「あたしは、アキラさんが好き。そしてアキラさんを好きなアリエスちゃんも大好きよ。」
そうか、ステラさんはご主人様のことが好きなだけ。私からご主人様をとろうだなんて思ってない。同じ想いをもった同志なんだ。そう思うと胸のもやもやが消えていった。
「・・・私もステラさんのこと、好きになれそうです。」
「よし、じゃあ、アキラさんの体の隅々まで一緒に綺麗にしましょ。その後、一緒に可愛がってもらいましょうね。」
ステラさんと和解した私は、この後、ことあるごとに協力してご主人様に可愛がってもらうようになりました。ご主人様を慕うものは同志。これからもその同志は増えていくかもしれない。でも、上手くやっていけそうな気がしました。




