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豚しゃぶ

いつもの時間に冒険者ギルドに訪れた。


「ステラさん、おつかれさま。」


「アキラさん、いらっしゃい。おつかれさま。」


ステラさんが笑顔で迎えてくれる。最近は表情がすごく柔らかくなったというか、艶っぽくなったというか、うん、ぶっちゃけエロい。最初から桃色営業モードだ。妖しい視線がオレに絡みつき、誘惑に負けそうになる。だが今は家に帰れば思う存分楽しめる、がまんがまん。


「素材の買取りをお願いします。」


おれはコブリンダンジョンでの残りの素材とオークの魔石、オークのモモ肉を出した。


「それと今月の家賃のポーション、マジックポーションも出しておきますね。」


ポーション50、マジックポーション50も出す。


「・・・はい、少々お待ちください。」


ステラさんは、ちょっとうらめしそうに頬を膨らませて素材のトレイを持って奥に行った。


いや、本当に前みたいに、二階でイロイロすることを期待してたんですか?、それはそれで興奮するけど、アリエスやシルフィもいるんですからね。


いつも通り三分でステラさんは帰って来た。


「お待たせしました。コブリン魔石小が4、中が4、大が1、オーク魔石小が2、コブリンの短剣4本、長剣1本、オークモモ肉が1つで、金貨2枚、銀貨2枚、銅貨3枚になります。あと、これ家賃帖ね、確認してください。」


「確かに・・・あ、ステラさん。オーク肉のロースを確保してありますから、今晩はこれで豚しゃぶしましょう。」


「いいわね、じゃあ、今日はなるべく早めに帰るようにするわね。」




昼はさつき軒で親子丼を食べた。美味しかったけど、おかわりできなかったからちょっと育ち盛り少女ズには不満だったかも?、




野菜を買いに市場に行くとアリエスが大人気だった。あっちこっちから声がかかり、買うたびにおまけがついた。アリエス可愛いからな、おまけしたくなるよな。お金は以前アリエスに預けた分がまだあった。皆がおまけしてくれるお陰であまり減らないらしい。





「お茶をどうぞ。」


「うむ、ありがとう。」


メイド姿のシルフィに入れてもらった紅茶に口をつける。もちろん本物のダージリンだ。


オレは今再びオークダンジョンに来ている。確保した領域の中に1LDKのお応接セットを置いて、午後の紅茶を楽しんでいる。


その時、ミニマップに赤い光点の反応が三つ。徐々に近づいてくる。


オレはゆっくりとティカップをテーブルに置いて、アイスボールを撃つためのウィンドウを展開する。


オークたちが確保した領域の境界に現れた。


オレは連続クリックしてアイスボールを二発ずつ撃って行く。


アイスボールはゆっくりオークに向かって行く。普通この距離で撃てば二発ずつくらいまず避けられる。しかし・・・


アイスボールは全弾命中し、オークたちは三匹とも凍りついた。


オレが確保した領域の境界はオレのシステムPT以外のものにはダンジョンの壁にしか見えない。オークたちには壁からいきなりアイスボールが現れたようにしか見えなかっただろう。


「いってきます。」


アリエスが凍りついたオークをなで斬りにしてトドメを刺していった。オークは光の粒子になって消えていく。


「ご主人さま、ドロップアイテムです。・・・今回はハズレでした。」


アリエスが魔石とドロップアイテムを持ってきてくれた。ん、なんだこれ?、トレイに入った細かい肉?、三つとも?


アイテムウィンドウに入れると[オーク細切れ肉]と出た。あ、これ朝に露店で食べたやつか。たしかに、いろんな部位の中途半端な寄せ集めだもんな、ハズレだな。


よし、これくらいにしておくか、ステラさんが帰ってくるまで、時間つぶしのためにダメもとで領域境界で網をはっていたのだ。一組でも獲物を狩れてよかった。ラクチンだったしな。


応接セットを片付けてステラ邸にもどった。




ダイニンクのテーブルに魔道コンロをセットする。魔石を利用したコンロだ。ほぼカセットコンロと同じ使い方ができる。ここステラ邸では、魔道具によって、ほぼ現代日本と変わらない環境が実現されている。さすがギルドマスターの社宅だね。


土鍋にお湯とだし用コンブをいれて、魔道コンロに置く。


「ただいまぁ」


十分コンブだしが出たかなと思ったところに、ステラさんが帰ってきた。


オーク肉ロースをできるだけ薄くカット。


土鍋からコンブを出して、ネギとシイタケを投入。


ニンニクとショウガをおろして、そこに酢と醤油をいれてツケダレが完成。よし、食べよう。既に皆、食卓についている。


「「「「いただきます。」」」」


薄いロース肉をお鍋で、しゃぶしゃぶして、ツケダレにつけて・・・パク。


「美味い!」


皆も同じように、しゃぶしゃぶして、パク。


「「「美味しい。」」」


「アキラさん、はい、あーん?」


ステラさんが、お肉を差し出してくる。パク。


「美味しい、ステラさんも、あーん?」


「美味しいわ。」


「「ご主人さま、私にも食べさせて!」」


ひな鳥状態のアリエスとシルフィの口にもしゃぶしゃぶを放り込んでやる。


「「美味しい!」」


皆で囲む鍋って、どうしてこんなに美味しくて楽しいんだろうね?

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