路地裏袋小路掌握
たっぷりいたスライムを倒して広間に入った。
中にはスライムの魔石とポーションの小瓶が散乱していた。
それを全て拾ってアイテムウィンドウに入れた。
今のステータスとアイテムはこんな感じ。
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名前:アキラ・クラタ
種族:人間
性別:男
年齢:25
レベル:32
HP:220/220
MP:258/330
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ポーション:301
マジックポーション:298
スライムの魔石(青):291
スライムの魔石(赤):315
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一息ついていると広間の奥まったところに宝箱らしきものがあるのに気がついた。
近寄って開けようとしたが……もしかして罠あるんじゃね? と思い逡巡……どうするかなぁ?
傘でつついてみる。……なにも起こらない。
傘で蓋を持ち上げたら簡単に開いた。バックステップで後ずさる。
……なにも起きない……ね?
近寄って中を覗きこむと金貨が入っていた……合計10枚。見たこと無い金貨だった。とりあえずこれもアイテムウィンドウに……入った。
さて、他になにかないかと見回すも……何も無いな。出口も無い? 出られないの?
とりあえず汗を流すか、
広間の壁をクリックして、1LDKの扉を開いて、自宅に帰還。
シャワーを浴びた。そしてジャージを着る。スーツはビジネスマンの戦闘服だけど、ここはやっぱビジネスマンの戦場じゃないね。動き易いのが一番です。はい。
リュックを背負い、スニーカーを履いて、傘を装備して玄関を出た。
相変わらず洞くつの中だったが、玄関扉横に新たな穴があり、外から光が差し込んでいた。こっちに出口ができてたのか……実はそんな気がしてたんだ。本当だぞ?
洞くつ出口をでると、そこは小高い丘の上だった。後ろを振り返ると大きな岩があるが出口の穴は綺麗に塞がっていた。オレのマンションの扉も日本では塞がってなにもなかったようになってるのかなぁ?
下を見ると高い塀に囲まれた街があった。
これはやっぱり、異世界に転移しちゃったんだろうなぁ……帰る術はないんだろうか? もしかしたら、ダンジョン掌握をもっと使いこなせれば帰れるかも? ……とにかく今は下に見える街に向かうか。
街の門には門番の兵隊が一人立っていた。
「止まれ!」
「こんにちは」
普通に日本語が通じてるね? これなら文字も大丈夫かな?
「身分証を見せろ。」
「えと、すみません。気がついたら、あの丘の岩の前にいて、ここが何処だかわからないんです。一応、免許証はありますが……」
本当は岩の中だけど、前でいいだろ。
免許証を見せてみる。
「これは、この国の身分証じゃないな。もしかして迷い人か? 一応、犯罪者登録されてないかの確認をするから、詰所まできてくれ。」
門横の詰所に入ると拳大くらいの水晶の前にたたされた。
「その水晶に手を置いてくれ。」
言われた通りに水晶に手をおいてみたが、なにも起こらない。ただなにか探られたような感じはした。
「うん、反応しないな……OKだ。もし、犯罪者登録されたものがその水晶を触ると輝くようになっているんだ。では、仮の入場証を渡してやろう。これは今日一日だけ有効なものだからな、今日中にこの街を出るなら、その時に返却してくれればいいが、何日か滞在するなら、正規の身分証を作って、これを返却しにきてもらわねばならんぞ。持ち逃げしたら、そのまま犯罪者登録されてしまうからな。気をつけろよ。」
そう言って門番さんは、金属の板を渡してくれた。
「はい、ありがとうございます。ところで身分証を作るにはどうすれば良いのでしょう?」
「そうだな、冒険者ギルドに登録するのがてっとり早いな。登録料をとられるが……お前お金はもってるか? 魔石でもいいが……」
「あ、はい。スライムの魔石なら、いっぱいあります。」
宝箱から出た金貨もあるけど、あれが本当に使えるかどうかはまだ分かんないもんな。
「そうか、それじゃそれを買取りに出してお金を作ってから登録するんだな。ああ、冒険者ギルドはこの門を入ってスグの通りを真っ直ぐ行った突き当たりの建物だ。」
「わかりました。ありがとうございました。」
「ああ、そうそう……ようこそ、イネルバの街へ!」
門番さんは、そう言うとニカッと笑ってくれた。案外良い人かもしれない。
門を入ると大きな通りがあり、その先に大きな建物が見える。あれが冒険者ギルドかな? 町並みは中世ヨーロッパみたいだなぁ。
とりあえず冒険者ギルドを目指してトコトコ歩く。途中町並みを見ていてふと思う。なんか建物の間の路地ってダンジョンみたいだなぁ……は?! もしや……
ひらめいたオレは路地裏に入り、歩きまわる。すると袋小路になった場所を見つけたので入ってみる。
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イネルバの路地裏袋小路を掌握しました。
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ビンゴぉ、やったぜ。これでこの街の出入りが楽になった。
袋小路を出て振り返ると、そこは普通の壁になっており、袋小路など最初からなかったようになっていた。さて、今度こそ冒険者ギルドに行きますか。
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