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ショッピング

フラフラと路地裏に入り、1LDKの扉を設置して帰宅した。


「おかえりなさい。ご主人さま。」


アリエスが玄関口で抱きついてきた。


「?!、ご主人さま。冒険者ギルドのステラさんの臭いがします!」


ぎくぅ!、何故か脂汗がだらだら出てきた。


「あ、ああ、さっき冒険者ギルドに行ってきたからな。」


「・・・これはカウンター越しに話しただけでつくレベルのものではありません。」


ジトーっとした視線を絡ませてくるアリエス。


「え・・・いや、そのぉ・・・・」


だらだらだら、脂汗がとまりませんよ、ステラさん。


「とりあえず。シャワーを浴びてきてください。」


「・・・・はい。」





シャワーを浴びて出てくると、再びアリエスが抱きついてきて臭いをかいでいる。そして納得したら、ギューっと体を押し付けて擦り付けてくる。・・・・マーキング?


「・・・よし!、ご主人さま、お昼ご飯つくったんですよ。一緒に食べましょう。」


「ああ。」





ダイニングのテーブルには卵チャーハンののったお皿があった。


パクリ、


「美味いよアリエス。ちゃんとご飯がサラサラに炒められてる。」


「ありがとうございます。あのガスコンロは火の調節がしやすいですね。ちゃんと使えればお料理が本当に楽しいです。」



「午後からはアリエスの服とか装備を買いにイネルバにいくからな。」


「はい、あの、ご主人様。その言い方だと、ここはイネルバじゃないようなのですが、何処なのですか?」


「ああ、そういえば、アリエスはまだ。ここをそのまま外に出たことがなかったんだったな。じゃあ、食べ終わったら、一度外に一緒に出てみようか。」





アリエスと一緒に玄関から普通に外へ、そして洞くつから外にでた。


眼下にはイネルバの南の外壁からその先の町並みが広がっていて、またその先の北の外壁まで一望できた。頬をなでる風が気持ちよかったが、すこし肌寒いかな・・と思いアリエスの肩をそっと抱き寄せた。


「イネルバから見える小高い丘の上だったんですね。・・・キレイ」


「ああ、人の営みとは時に信じられない美しさを見せてくれるな。」





イネルバの大通りをアリエスと一緒に服屋をさがして歩いていると、かわいらしい声がかかった。


「アリエスちゃん。」


さつき軒のウェイトレスのミリアちゃんだ。


「「ミリアちゃん、こんにちは。」」


「こんにちは、アキラさん。デートですか?」


「そうだね、アリエスの服を買おうと思って一緒に街にでてきたんだ。でも、なかなか良い店がみつからなくてちょっと困ってたんだ。ミリアちゃん、良い店しらないかい?」


「あ、はい、勿論知ってますよ。・・・じゃあ、お邪魔じゃなければ、私も一緒にいって選んであげましょうか?」


「本当かい。是非おねがいするよ。」


「はい、おまかせください。」


それからは、オレは二人について行って荷物持ちするだけのオプションになっていた。でも、まぁ、楽しそうな女の子たちを見ているのはそれだけで心なごむよね。たっぷり衣服や靴を買ったけど、金貨1枚消費しただけだった。





「それじゃあ、アリエスちゃん。またね。」


「うん、ミリアちゃん。またね。ありがとう。」


「ありがとう。ミリアちゃん。」





ミリアちゃんと別れて今度は[武器・防具の店 ブライアン]に行った。


「いらっしゃい。おや、昨日のあんちゃんかい?、今日はなんだい?」


「ああ、この子の武器と防具が欲しくてきたんだ。オレのと同じくらいのロングソードと皮鎧を見繕ってくれるかい?」


「わかった。」


おっちゃんは、オレの時と同じように店先の籠からロングソードを一本抜き、その横においてあった皮鎧をもって、渡してきた。


「これでいいだろ。ほれ、お嬢ちゃん。試しにつけてみてごらん。」


アリエスはさっき買ったチェニックの上から皮鎧をつけて、ロングソードを何度か軽く振った。


「はい。いい感じです。」


「よし、じゃあ。それにしよう。おっちゃん。いくら?」


「ああ、おまえさんの時と同じでセットで金貨一枚でええよ。」


「じゃあ、これで、」


「あいよ、まいどありぃ。」


よし、これでアリエスとダンジョンに入る準備は万端かな?


今日はもう、さつき軒にいって飯くったら帰って寝よう。

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