ゴッデスウエディング~すべての想いを込めて~
浮遊島ライトガルドの西に巨大な丸い建物が建っていた。モニカ教の教会だ。
中には巨大な女神像があり、長椅子が並んでいて、ほぼ全ての椅子が埋まっている。
オレは女神像の前で白いタキシードを着て立っている。傍らにはシスター姿の幼女がいる。
歓声が上がり、入口からウエディングドレスを着た金髪碧眼に黒縁メガネをした美女が中年紳士にエスコートされて入ってきた。
ステラさんとスティールさんだ。
「アキラさん、ステラを頼みますよ。」
「はい。任せてください。」
スティールさんはステラさんをオレに預け、参列者の方に下がる。
「新郎アキラ、新婦ステラ、汝らは生涯愛し合うことを誓いますか?」
幼女シスターが厳かに聞く。
「「はい、誓います。」」
「では、誓いのキスを」
オレはステラさんのヴェールをめくり、見つめる。ステラさんは潤んだ目で見上げてきた。
「愛してるよ、ステラさん。」
「あたしも愛してるわ。アキラさん。」
オレたちは熱いキスをした。
ステラさんの胸にあった赤い婚姻魔石が光り輝いた。
その光は宙に舞い、やがて分裂して2人の左腕に吸い込まれていった。
それぞれの腕には直径5ミリほどの赤い魔石が埋め込まれていた。
「婚姻契約は成立した。」
幼女シスターがそう告げると参列者から歓声が上がった。
入口の方から再び歓声が上がった。
プラチナブロンドをツイン縦ロールにした双子の美女が立派な髭を蓄えた紳士にエスコートされて入ってきた。
アイ王女、レイ王女とガルム王だ。
「アキラ殿、2人を幸せにしてくれよ。」
「はい。勿論です。」
ガルム王は参列者の方に下がっていった。
「新郎アキラ、新婦アイ、汝らは生涯愛し合うことを誓いますか?」
幼女シスターが厳かに聞く。
「「はい、誓います。」」
「では、誓いのキスを」
オレはヴェールをめくり、アイを見た。
アイは目にいっぱい涙をためて微笑んでいた。
「アキラさま、わたし幸せです。」
「オレも幸せだよ。」
オレはアイにキスをした。
アイの胸にあった赤い婚姻魔石が光り輝いた。
光は宙に舞い、分裂して2人の左腕に吸い込まれていった。
それぞれの腕には赤い魔石が埋め込まれていた。オレの腕には2つめだ。
「婚姻契約は成立した。」
参列者から歓声が上がる。
「新郎アキラ、新婦レイ、汝らは生涯愛し合うことを誓いますか?」
幼女シスターが厳かに聞く。
「「はい、誓います。」」
「では、誓いのキスを」
オレはヴェールをめくり、レイを見た。
意外なことにレイはアイと違い、目に涙はなく。輝く笑顔をしていた。
「アキラさま、これからよろしくね。」
「ああ、こちらこそ。」
オレとレイは熱いキスを交わした。
レイの胸にあった赤い婚姻魔石が光り輝いた。
光は宙に舞い、分裂して2人の左腕に吸い込まれていった。
それぞれの腕には赤い魔石が埋め込まれていた。オレの腕には3つめだ。
「婚姻契約は成立した。」
参列者から歓声が上がる。
入口の方から再び歓声が上がった。
3人の美少女が老紳士にエスコートされて入ってきた。
老紳士の右には長いプラチナブロンドに狼の耳が出た碧眼の美少女がウエディングドレスを着ていた。
老紳士の左側には薄緑色の髪をハーフカットにしたエルフの美少女がウェディングドレスを着ている。その胸はエルフなのに自己主張が激しい。
その後ろに赤い髪をおさげにした琥珀色の瞳をした美少女がウェディングドレスを着て付き従っている。
リックさんにエスコートされたアリエス、シルフィ、トレイシーだ。
「アキラさん。奴隷商にとって送り出した娘がその主人の妻になることは最上の喜びです。ありがとうございます。そして、これからもこの娘たちをよろしくお願いします。」
「勿論です。必ず幸せにしてみせます。」
リックさんは参列者の方に下がっていった。
「新郎アキラ、新婦アリエス、汝らは生涯愛し合うことを誓いますか?」
幼女シスターが厳かに聞く。
「「はい、誓います。」」
「では、誓いのキスを」
オレはヴェールをめくり、アリエスを見つめる。
アリエスはその碧い瞳にいっぱいに涙をためていた。
「ご主人さま、大好きです。」
「オレも大好きだよ。アリエス。」
オレとアリエスは熱いキスをした。
アリエスの胸にあった赤い婚姻魔石が光り輝いた。
光は宙に舞い、分裂して2人の左腕に吸い込まれていった。
そしてアリエスの背中にあった奴隷紋が消えていった。
それぞれの腕には赤い魔石が埋め込まれていた。オレの腕には4つめだ。
「婚姻契約は成立した。」
参列者から歓声が上がる。
「新郎アキラ、新婦シルフィ、汝らは生涯愛し合うことを誓いますか?」
幼女シスターが厳かに聞く。
「「はい、誓います。」」
「では、誓いのキスを」
オレはヴェールをめくり、シルフィを見つめる。
シフフィは潤んだ瞳で微笑んだ。
「ご主人さま、幸せにしてください。」
「わかった。」
オレはシルフィにキスをした。
シルフィの胸にあった赤い婚姻魔石が光り輝いた。
光は宙に舞い、分裂して2人の左腕に吸い込まれていった。
シルフィの背中にあった奴隷紋が消えていった。
それぞれの腕には赤い魔石が埋め込まれていた。オレの腕には5つめだ。
「婚姻契約は成立した。」
参列者から歓声が上がる。
「新郎アキラ、新婦トレイシー、汝らは生涯愛し合うことを誓いますか?」
幼女シスターが厳かに聞く。
「「はい、誓います。」」
「では、誓いのキスを」
オレはヴェールをめくり、トレイシーを見つめる。
トレイシーはすでに泣いていた。
「ご主人さま、あたい、幸せだよぉ。」
「これからもっと幸せにしてやる。」
オレとトレイシーは熱いキスをした。
トレイシーの胸にあった赤い婚姻魔石が光り輝いた。
光は宙に舞い、分裂して2人の左腕に吸い込まれていった。
トレイシーの背中にあった奴隷紋が消えていった。
それぞれの腕には赤い魔石が埋め込まれていた。オレの腕には6つめだ。
「婚姻契約は成立した。」
参列者から歓声が上がる。
入口の方から再び歓声が上がった。
2人のウェディングドレスを着た幼女が正装した子供たちに囲まれて入ってきた。
右の幼女は金髪に赤い目をしており、8歳くらいに見える。ウエディングドレスを着たゴールドだ。
左の幼女は青い髪に青い目をしており、5歳くらいに見える。ウエディングドレスを着たブルーだ。
周りの子供たちはリタンブールで保護した孤児たちだ。
「アキラさま、親分とブルーちゃんをよろしくおねがいします。」
子供たちのリーダー格となっているトムが頭を下げた。
「まかせろ。」
子供たちは参列者の方に下がっていった。
「新郎アキラ、新婦ゴールド、汝らは生涯愛し合うことを誓いますか?」
幼女シスターが厳かに聞く。
「「はい、誓います。」」
「では、誓いのキスを」
オレはヴェールをめくり、ゴールドを見る。
ゴールドは目に涙をいっぱいためていた。
「ご主人さま、よろしくたのむのじゃ。」
「ああ、こちらこそよろしくたのむ。」
オレはゴールドにキスをした。
ゴールドは光の粒子に包まれた。
その中から小さな光が飛び出してオレの左腕に収まった。オレの左腕には7つ目の赤い魔石が埋め込まれた。
光が収まるとスラっとした金髪の美女となったゴールドがいた。左腕には赤い魔石がある。
「婚姻契約は成立した。」
参列者から一際大きな歓声が上がる。
「新郎アキラ、新婦ブルー、汝らは生涯愛し合うことを誓いますか?」
幼女シスターが厳かに聞く。
「「はい、誓います。」」
「では、誓いのキスを」
オレはヴェールをめくり、ブルーを見る。
ブルーはつぶらな瞳でオレを見上げてきた。
「ごしゅじんたま、ブルーをしあわせにしてくだしゃい。」
「ああ、必ず幸せにしてやる。」
オレはブルーにキスをした。
ブルーは光の粒子に包まれた。
その中から小さな光が飛び出してオレの左腕に収まった。オレの左腕には8つ目の赤い魔石が埋め込まれた。
光が収まるとボン、キュ、ボンのスタイル抜群の青髪の美女となったブルーがいた。左腕には赤い魔石がある。
「婚姻契約は成立した。」
参列者から大きな歓声が上がる。
ゴールドとブルーは婚姻契約によって魔力供給が安定し、大人の姿を維持しやすくなったようだ。
8人の花嫁と花婿を祝う歓声が飛び交う中、幼女シスターの声が響く。
「皆さんお静かに、まだ花嫁が残っています。」
会場が静寂につつまれると、幼女シスターが光につつまれた。
光が収まるとそこにはウエディングドレスを着た、ゆるふわプラチナブロンドの髪をした6歳くらいに見える幼女がいた。
幼女はオレに向き直って聞いてきた。
「新郎アキラ、汝はわたしモニカを生涯愛することを誓いますか?」
「誓います。」
「では、誓いのキスを…」
オレはヴェールをめくり、モニカさまを見つめる。
「ああ、アキラさん。この時をずっと待ってたわ。」
「待たせてすみませんでした。モニカさま。」
オレとモニカさまはキスをした。
モニカさまは光につつまれる。
小さな光がオレの左腕に収まり、他の8つの魔石の中心に少し大きめの赤い魔石が出現した。
光がおさまると、そこにはウエディングドレスを着たゆるふわプラチナブロンドでスタイル抜群の超美人、女神モニカさまがいた。その左腕には赤い魔石があった。
「…モニカさま?」「女神さま?」「女神さまだ!」「女神モニカさまが結婚なされたぞ!!」
女神モニカさまの存在に気付いた観衆が騒ぎ出し、やがてそれは女神の結婚を祝う大歓声へと変わっていった。
結婚式から1ヵ月後、オレはレックス、ガンツたちのパーティと共にライトガルドのドラゴンポートにいた。
「しっかし、結婚とほぼ同時に全ての花嫁を妊娠させちまうとは流石アキラだなぁ。」
「「「ねー!」」」
ガンツとユリちゃんたちがからかってくる。
「はい、流石、[ライトガルドの種馬]ですね。」
「レックスまで、カンベンしてくれよ。それになんだその[ライトガルドの種馬]って、」
「わりと有名ですよ、知らなかったんですか?、」
「しらねーよぉ。それよりレックス、早く変身してくれ。」
「はい、かしこまりましたご主人さま。」
レックスは光の粒子につつまれ、大きくなっていった。
光が収まるとそこには赤い30メートルぐらいのドラゴンがいた。
花嫁を全て妊娠させてしまったオレはレックスを従魔にしてガンツたちのパーティに一時的に入れてもらうことにしたのだ。
「さぁ、新たなダンジョンに行こうぜ。」
オレとガンツたちがドラゴンの背に乗るとドラゴンは羽ばたき、ゆっくりと浮かびあがった。
ダンジョンの奥に眠る孤独なモンスターたち、待ってろよ、今助けに行くからな。
これにてこの物語は一応の完結とさせていただきます。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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