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DASH  作者: Aoi/エーオーアイ
第1章
10/10

新たに始まりを

梓。泣かないで-


早鶴、志乃愛まで.....

私はこんなに血を見ることなんて知らなかった。

1度だって見たことない、服に滲む血を。

耳を流れる血を...

「そこに見えるよ。人々の恐怖、そして涙。血だってあるさ。」

「でも、きっとそこにはある。そんなものどっとどかして輝き取ればな。」


きっとそこにはある。そうだ。


「きっとそこにはある!」

麗の突然の大きな声に、皆目を丸くしてドキッとした。

「お姉ちゃん何?早鶴ちゃんも志乃愛ちゃんもケガしてるんだよ!」

「でもこれ以上怪我人増やしたくないでしょ?」

「それはそうだけどでもっ」

「早鶴も志乃愛も、助けられるかもしんない!」



『私言うたな?』

冷たい空気に溶け込む少し低めの女の人の声。

きっとその声は春佳よね。私の大親友の春佳だ、久しぶりに顔を見たわ。あれ?耳から血が出てる。ったく春佳ったら、またやってきたのね。


「春佳!またやってきたなぁ!もうぅ~」

『あほちゃう』

あぁ。まただ。春佳の声の重みが久しぶりに伝わった。


また、怖いのかな。

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