挑戦的に挑むのはいいのだが
前回のバイ星ィ!
…あれ?何だっけ?
柴犬飼ったら必ず「シヴァ」って名前つける。
あ、今回一部グロ注意です。
前略我らが柴犬、クラウよ。元気してるか?モフモフしてるか?冬のクッソ寒い中震えてないか?私は夏の暑さで死にかけてるぞ。
私「これでどうするの?」
燐の手にはスピードガンのような物が見える。
燐「これは能力を測る特殊な機械でな。精度はなかなかだがあまり使う機会が無いんだ。」
私「能力の高さの基準は?」
燐「ふむ、まず能力の単位だが、【魔力強度】と言う呼び方をする。ドラゴ○ボ○ルのす○うたぁ?だっけか、そんな感じで測るから遠隔式の技も測れるのだ。」
伏字職人さんお疲れ様です。
燐「例えば、指先から炎を出すとしよう。」
うわぁ本当に炎出たよこっわ。
燐「これを測ると【魔力強度2】と出たな。これの数値が高ければ高い程強い訳だ。」
私「なる程、本当にス○ウターだな。」
燐「物は試しだ。得意な魔法は?」
私「得意…と言うよりこれしかやったことないけど、無機物を自由に動かす程度なら…。」
燐「無機物だな。人形を動かしてみろ。挑戦的に挑むのはいいが、無理はするなよ?」
目の前に急に幾つかの木の人形が現れる。
私「いくよ…」
集中して人形をじっと見る。身体の関節の位置、頭となる場所の位置、そしてどうやってどのように動かすのか。これらを1度にまとめて考える。
私「これで!」
手を前に突き出す。木の人形が立ち上がった。
燐「…!綾、この数値…!」
綾「嘘…こんなに計算が単純なのに!」
私「そして!」
更に木の人形は陽気にタップダンスをし始めた。
燐「重複計算…!」
綾「そんな、僕でも難しいのに!」
何か言ってるけどそんなに珍しいかな?ただ、
【今やっている4つの計算をしながら更に5つ計算足すだけなのに。】
燐「ナギちゃん…お主…!」
綾「やはり逸材でしたね。」
私「どういう事?」
私が疑問をすると同時に木の人形も疑問を抱くようなポーズをとる。何だこいつ、かわいいな。
燐「いいか、今お主がやっているのは重複計算と言う上級者のテクニックだ。」
私「え?私バカだからよく分からないけど…それは凄いことなんだね。」
私が馬鹿なのはよく知っている。昔からテストの点は悪くて、いつも怒られて、なのに皆私を天才と言う。皮肉でもない、憧れの目で。あれ?混乱してきたぞ。弟の頭が良くて私は悪くて、女だから嫌われて…あれ…【私って一体何なんだ?】
燐「どうした!ナギちゃん!」
おかしいな…視界が眩んで…もう一回死ぬのかな…もう一回って言い方はおかしいけど…。
随分前の事だ。私はごく普通の明るい女の子だった。
だが、親からは嫌われていた。何故なのかは分からない。今でも。
ある日、私に弟が生まれた。弟は私よりも愛情を受けていた。
でも、弟の頭は悪かった。酷く悪くて、成績なんて目も当てられないくらい。
それでも弟は親には怒られなかった。「何故?」と聞くと、「まだ幼いから」と言われた。【私が幼い頃は叱られまくっていたのに。】
私が悪い事をすれば怒られる。弟がすると慰められる。
私がいい事をすれば疎まれる。弟がすると褒められる。
私が何かをする度に睨まれる。弟がすると応援される。
そんな日常だった。
ある日、私は眠れなくて飲み物を飲みに行った時に声が聞こえた。
「アイツは生まれなければ良かったんだ。」
「不細工な子供なんていなくればいい。」
間違いなく父さんと母さんの声だ。
「俺より知恵が付いている。恐ろしい。」
「そうだ、あの子と記憶を交換しましょう。」とも言っていた。
そんなこと、出来る訳ない。
それからだ。私は更に恵まれること無く育ったのは。
数ヶ月後の事だ。
私は酷く頭が悪くなった。まるで弟のように。
弟はとても頭が良くなった。まるで私のように。
でも、今までもそうだったのかも知れない。私も、弟も。
しかし、こんな変化もあった。弟が急に女々しくなった。
私は自分でも分かるくらい性格が男勝りになった。
それから、私は学校に行くと必ず天才と言われる。頭なんてこれっぽっちも良くないのに。
更に数ヶ月後、私は外出をしたく無くなった。
でも、学校は休み休み行っていた。高校生が終わるまで。
次の学校を探していた頃、父親から急に【外国に留学しろ、お前へのチャンスだ。】と言われた。無理だよ。頭が悪いんだから。
物凄く悔しい。絶対にこれが一度きりのチャンスのはずなのに、手は届かない。後1cm。それだけなのに。それがすごく長く感じた。でも、やはりダメだ。普通の大学に死んでも行ってやると言ったら「勝手にしろ」と言われた。やってやるよ。
私はやはりダメだった。大学の試験当日に、理不尽な事に母親が阻んだのだ。
「どうせまた家出でしょ。」「ちがうよ、大学の試験に行くんだ。」
「うるさい!そうやって言い訳するんでしょ。」「邪魔だよ!どいてよ!」「嫌よ!アンタの話なんて絶対に聞かないわ!」
そんな会話がループしていた。
結局その日は大学の試験に行けなかった。
私は泣いていた。弟は笑っていた。
父親に怒り気味に「どうした、大学の試験はどうだったんだ。」と聞かれた。私は「行けなかった。」と答えた。「何故」と聞かれた。
「母親に邪魔をされたから」と言った。父親は黙って部屋を出た。
それから数時間、母親が部屋に入ってきた。
母親は偉そうにずかずかと私の部屋を踏み荒らすように入って、こう叫んだ。
「ざまあみなさい!」
と。
こんなの、理不尽だ。殺してやりたい。
手足に力が入る。揺らめくように立ち上がり、
母親の顔をぶん殴った。
私の手には返り血が付いていた。母親は倒れて痙攣を起こしながら
「死んじまえ!このバケモノ!」
と叫んだ。
うっせぇんだよ、もういっぺんやってやろうか。そんな思いで睨む。
もうこんな家にはいられない。私はさっさと準備をして窓から外に出た。もちろん私の家は一階にあるので怪我はしない。
行く宛はあった。数少ない私の友達は不動産屋をしていた。
事情も知っていたのでアパートの一部屋を借りた。
だが、気になることに私の姿を見て酷く驚いていた。殆ど変わっていないのに。
お金なんて殆ど無い事もお見通しだったみたいだ。家賃は代わりに払っていてくれた。
それから数年、私は力尽きたように落ち着いていた。
そして、あの葉書が届いた。
手が届く場所に。
私「…!」
唐突に目が覚めた。ベッドの上で眠っていたらしい。
燐「良かった!」
いきなり燐が涙目になって抱きついてくる。やだうれしい。
綾「大丈夫ですか?急に倒れて動かなk…うわっ!」
綾も来たが、様子がおかしい。
綾「燐様…!これ…!」
燐「ああ、ナギちゃん、落ち着いてよく聞いてくれ。」
私「う、うん。」
燐は私から離れて説明を始める。
燐「まず、ここは私の根城の病室だ。安心していい。」
それは見てもわかる。如何にも病室のようなインテリアが幾つも置いてあるし、そもそもここに居なくちゃおかしいし。
燐「そして、お前さんは…」
私の目の前に鏡が置かれる。しかし、そこには人間の私ではなく、獣人の私でもない。まるで化け物じゃねーか。
目は赤く、耳は尖り、牙も生え、髪は金色。何よりも短い角が生えていた。
燐「【二面一体】ではなく、これまでに無い【未知】だったんだ。」
私「これまでに無い…!?」
綾「ええ、今までに例の無い特殊な種族です。」
燐「そして、お前さんの親もしっかり特定した。」
綾「両親とも分類は【人間】ではなく【邪鬼】でしたよ。」
燐「しかし、お前さんが産まれる可能性はほぼゼロに近い。」
綾「そこも調べた結果、【身体の構造、お呼び記憶、そして種族情報も変わっていた】のです。」
私「それはつまり…」
燐「お前さんはレアモンスって事だ。」
おー納得行ったわ。
【()】って書くの面倒いわ。
いやぁ今回は疲れました。私の過去を一部改変して作りましたので今も半泣きです(過去は改変したとしても本当だけど、泣いてません。)
さて、今回のタイトル回収は燐でしたね。分かりにくかったかな?
そして今回は何よりも誤字が酷かったですね。お陰様で疲れましたよ。
そんな訳で次回、「逃げるのは卑怯?」