私も以前はお前と同じ職だったが、膝にその玉を受けてしまってな
はい、駄犬(翠月)です。土日は何も言わずにすんませんでした。不定期とはいえ、やはり毎日投稿したいものですね。また頑張ります。
気を取り直して前回のバイ星!
石像、のど飴舐めろよ。あ、そもそも水分無いから無理か。(ゲス顔)
しゃぶしゃぶはポン酢で食べる派。
洞窟から出ると、いつの間にか夜になっていた。
燐「夜か、人間界に帰るのか?」
私「うーん…」
やっべ、全くなんにも考えてなかった。大抵、異世界ファンタジー系の小説や漫画、ゲームでは人間のいる世界の時は止まっているって設定が多いが、ここではそれが通用するのかも考えていなかったし、そもそも帰ってもいい事なんてある訳ない。うん、ここにいても疲れるけど。
燐「どうした?帰る家が無いのか?」
いやあるけどさ?帰りたくないって言うか、その…ね?家出って程家出って訳でもないし…頭混乱してきたわ…
私「…1つ質問していい?」
燐「ん?」
私「ここの世界と人間界って時の流れって違う?」
燐「あー…その事か、安心しろ。【代わり】を用意しておいた。」
私「代わり?」
代わりって言うと…ダミーとかデコイ的な?
燐「恐らくナギちゃんの想像してるのとちょっと違うかな。」
私「何か魔法で作り出したもう1人の私的な何か?」
燐「ビンゴ。」
私「わーい。」
いやいやいやいや!嬉しかねーよ!驚きだよ!
燐「ナギちゃんの予想した通り、魔法…と言うより、道具で作ったナギちゃんの人格をそっくりそのまま移したコピー人形を人間界に送っておいた。何時って?それは移動中に決まってるさ。」
道理で何かいじってると思ったら…。
私「それって大丈夫なの?」
燐「割とな。」
私「そうなの。」
いや納得すんなよ私!確かにそこまで完璧に言われたら納得せざるを得ないけどさ!
燐「まあそういう事だ。安心したか?」
私「半分…。」
燐「よし、次は家探しだな。うーん…村の近くがいいよな…」
SFとかではよく見る立体映像の機械のような物を動かしている燐は楽しそうに見える。でも何でだろうか、稀に淋しそうな素振りを見せるのだ。
燐「あった!空家があるからそこ使うか?」
私「一応見てから…。」
まあ、これに関して考えるのはもう少し後からにしよう。
暫くして村に着く。そこには私や綾と似た姿の住民達が夜の市で買い物をしたり子供達が家に帰っている姿が見える。子供の頃、絵本だけでなく、隣の家にいた友達と遊んでいた時を思い出す程似た光景。涙は出ないけど何だか懐かしい。
燐「ナギちゃーん!ぼーっとしてないで行くぞー!」
私「ごめん!ちょっと考え事してたー!」
いっけね、燐の事忘れてた。
燐「ここがナギちゃんの家になる。」
燐が指さす先には和風の一軒家。ボロボロという程ではないが、新品とも言えない中性的な家。
私「それにしてもでかいな…ここでいいの?」
燐「大丈夫だ。私のお墨付きという事で今回だけの大サービスだぞ。」
燐が胸を張ってふんぞり返る。ちっせぇ。…私もそれ程無かったわ。ごめん。ガチでごめん。
その時、坂の上の方から悲鳴と何かが走ってくる音がした。
?「さーがーしーまーしーたーよー!」
黒い大きめの物体が物凄い速さで飛んでくる。私の防衛本能が咄嗟に行動に移す。燐の前に立って軽く飛んで右膝を突き出し、黒い物体にめり込ませる。この間わずか0.5秒。
私「ウルゥアッ!」
?「ぎゃんっ!」
すげぇ!この体マジでスゲェ!咄嗟とはいえ、高速移動物体を何の痛みもなく吹っ飛ばしちゃったよ!
燐「おー!綾か!ご無沙汰だったな!」
え?もしかして今蹴ったのって…
綾「いっでぇ!顔に入った!」
目の前には黒い物体ではなく、光の加減で黒く見えていた綾が鼻を抑えて悶絶していた。
私「え!?嘘!ごめん!」
綾「どに゛がぐみ゛づがっ゛でよ゛がっ゛だでず…」
うーわ痛そう…
燐「それより、済まなかったな。ナギちゃんの球を取りに行くのですっかり忘れていた。」
可哀想に…この子の関係的には私>球>綾なんだろうな…。
燐「ナギちゃんよ、済まないな、私は綾を医療室に連れていく。兎に角疲れたろう。手数を掛けるが、また明日私の所に来てくれ。」
私「う、うん。綾、本当にごめんね…」
綾「大丈夫です…だいぶ収まってきました…」
綾が左手でサムズアップをする。やだこの人(?)優しい。
燐「また会おう!」
その声のトーン、どっかで聞いたことがあr…っておいおいおいおい引きずっていくの?綾おもっきし怪我してるんだよ?引きずってくのは止めてあげてよ…。
家に入ってみると、まるでタイムスリップしたような気分だ。本当に江戸時代のような民家で、囲炉裏や布団が用意されている。
私「凄いな…色んなものが揃ってる。」
そう言えば幾つか気になることがあった。
その一つとして、私は魔法が使えるのか?という事だ。最低でも燐は使える事が分かっている。つまり、魔法という概念は存在している事がこの時点でわかる。
とりあえずアニメとかでは手からビリビリした物が出てきたり、口から炎が出るが…。試しても全く出ない。
私「発動条件が違うのかな…」
ここで思ったのが【自分で魔法を作るのでは?】と言う事。
試しに今使いたい魔法を強く想像する。この方法は私がこの世界に来た時に種族を変える魔法のような現象(第3話参照)があったという事だ。
手始めに土手にある小石を浮かせてみよう。小石の大体の重さ、魔法の詳しい内容、発動させるためのモーション。これら全てを素早く計算する。もしこれでダメだったら赤っ恥だ。
私は目を瞑って指を鳴らす。
私「…どうだ!」
ゆっくり目を開くと、目を前にある石が浮かんでいる。成功だ。
私「よし!」
だが、集中力も必要なのだろう。すぐに小石は落ちてしまった。
私「これを応用すれば…」
やっべ、面白い事考えたわ。
この部屋一帯、魔法使えば全部綺麗になるんじゃね?
私はワクワクして魔法を発動させた。思い通りだ。全て思い通りに動いた。
だが、限度もあるらしい。動かせるのは最大5つまでのようだ。
私「やっぱり身体の問題もあるのかな…。」
部屋が綺麗になる頃には疲れて布団を敷き、そのまま寝てしまった。
人間界みたいなクソゲーより、こっちの方が断然楽しいじゃねーか。何で神様はこの世界に生まれさせてくれなかったんだろう。
そんな事を思いながら、私は眠りについた。
( ´・ω・)「つー♪」
( ´・ω・)「ぎー♪」
( ´・ω・)「のー♪」
( ´・ω・)「ひー♪」
( ・´ー・( ・´ー・( ・´ー・( ・´ー・`)彡
朝だ。何時もなら鬱陶しいが、この世界なら違う。やりたい事があるんだ。
まずは昨日手に入れたこのレガリアストーンだ。中を覗くと、原住民が神…つまりは私に狩りの成功を祈っているようだ。
私「そう言えばこれも魔法なのか。」
よく考えたら強く念じるという事は魔法の一つになると考えられる。
私「よし…」
球を額に当て、強く「獲物となる生物をいい感じに増やせ」と願う。
これでいいだろ。当分は。
球は割と大きい。なので昨日、遺跡からの移動中に細工をしてもらい、首に通せるようにしてもらった。都合の良い話だよね。本当に。それはさておきまるでペンダントだ。私の胸より大きいのが腹立つが。
家の扉を開け、外に出る。外は大通りから近く、住民達で賑わっていた。
?「あのぅ…」
後ろから声を掛けられる。老人の声だ。
老人「いやぁ…ここらでは見ない顔だと思ってな…。名は何という?」
私「日向…だが…。」
何だこのじっちゃん。すげぇニタニタしてて怖いんスけど。
老人「その首に下げているのは星石か…」
老人は私の首に下げているレガリアストーンを指さす。
私「そうだが、やらんぞ。」
老人「そんな事はせんよ…それがな…長くなるが、大丈夫か?」
いやまぁ、予想はしてたよ?これが目当てではないって。本当だよ?
私「大丈夫じゃない、大問題だ。簡潔にまとめてくれ。」
老人「ふむ…なら、私も以前はお前さんと同じ職だったが、膝にその玉を受けてしまってな。今はこうしてただの老人なんじゃよ。」
私「へ、へぇ…と言うか、この玉がどうして膝に?」
老人「立ち上がる時に落としてしまって…そのまま膝に直撃したんじゃ。それが何度か続いて、ついに心が折れてしもうた…。」
だっさ!ちょ、だっさ!ここまでダサい人初めて見た!石膝にぶつけて仕事やめるって…酷くないかいおじいさん!?
私「すいません、私急いでるんで、じゃあの。」
ヤバイ…このおじいさんヤバイ。最後当たりでちょっとヤバそうな顔してたもん!
私「ふう…ここまで来れば何ともないな。」
何とか逃げ切ったようだ、ごめんねおじいさん。
私「…ん?」
周りを見ていると、左の方にガラの悪いあんちゃん達が屯っていた。この世界にもいるのね。
私「個性的だな…。」
取り敢えず疲れたし、燐の所へは歩いて行こう。
すき焼き食いてぇ…
前書きでも申しました通り、本当に申し訳ありませんでした!頑張ってこれからも書いて行きます!
さて、この度はバイ星をご閲覧頂き、誠にありがとうございます!
今回のタイトル回収は老人でしたね。老人については次回語られると思われます。多分。
星石…レガリアストーンの事ですが、人によって呼び方は様々です。河童や蝸牛みたいにね。ただ、メジャーなのが星石と言う名前なだけで、実際はSGS【スターゲイザーストーン】と呼ばれるそうです。これを使うには燐も言っていた通り、結構な量の魔力…かな?が必要になります。どういう原理で星を見ているかって?HAHAHAHA☆魔法に決まってるじゃないか。
次回、【何を考えているのか分からない】