突然のジョブチェンジ
前回のバイ星ィ!
あなたは死にました。
動物なら犬が好き。特にシベハスとか柴とか。
前略、お母さん、元気でしょうか。
今私はパニック状態に陥っております。助けて。
立てるようになったところで森の中を歩く。
私「10人?1人?どういう事?」
私はコミュ力はある方だ。頭はまあまあ悪いけど。
?「あなたのバッグの中に葉書がありました。これは間違いなくウチの上司が書いたものです。」
私「なるほど、詰まりはあんたらが書いたものなのか。」
?「ええ、まさかこんな事故を起こして亡くなってしまうとは思いませんでした。」
私「やっぱり死んだんだ…。」
?「割と大変でしたよ。身体の復元に20分も掛かりましたから。」
私「と言うか、蘇生って…あんた何者?」
?「申し遅れました。私は【文月 綾】です。」
私「【日向 凪】。日向でいい。」
綾「私のことは綾とでもお呼びください。」
すげえ人間っぽい名前やん。何や。普通の人間やん。
綾「それはそうとして、もう少しで着きますよ。」
森の中を抜けると、昔風の村が目の前に広がる。
だが、そこには人間の姿はなく、獣人がいた。
綾「ここはあなたがいた場所とは別の空間です。なので、私もこの通り、姿が変わります。」
そりゃ見りゃわかるわ。と綾を見ると、狐と人が合わさった様な、まさに獣人が目の前にいた。
私「本で見た事はあったけど…本当にいたんだ…!」
なぜ私は感動している。そこ普通驚くところだからな?
綾「あなたも変われますよ。まず、あなたは人間なので、自分の好きな動物を想像してください。2度と変えられないので、本当に好きな物です。」
私の好きな動物…やはり犬だな。いや、狼だ。理由はいつか話すとして、狼を想像する。
綾「…はい、OKです。ゆっくり目を開いて見てください。」
目を開いて綾の持っている鏡を見る。
私はそもそも人間だ。だが、鏡に映る私の姿は狼の獣人。
私「劇的過ぎるわ…。」
頭の上でとんがった耳、恐らく尾骶骨から伸びている尻尾、手足は毛皮で覆われていた。
綾「狼ですか…似合っていますね!」
恥ずかしいわ。
綾「その姿なら怪しまれる事なく行けるでしょう。付いてきてください!」
綾が走り出す。人間の数倍も速い。
私「…って事は…!」
足を前に踏み込むと、私の想像していた速度よりも更に速く走るじゃないか。コントロールは難しいが、あっという間に綾に追いついた。
綾「速いじゃないですか!」
私「制御が難しい!」
スピードの制御をしやすいように跳んで移動する。今度は割と走りやすくなった。
綾「いい調子ですね、そこを右に行ったら目的地です。」
十字路を右に曲がると、そこには大きな建造物があった。
綾「くれぐれも失礼の無いようにお願いしますね。」
言われなくても知っとるわ。
中に入ると広い空間が目の前に映る。
私「ここも別空間なのか?」
綾「ええ、外の見た目よりも数倍広いです。」
私「凄いな…今の科学力何かよりも全然進歩してる…。」
綾「おっと、離れないで下さいね、ここ結構迷いますから…。」
私「わかった。」
そう言いながら綾に付いていく。
室内なのに店があったり、畑があったりと、見ていて忙しくなる。たが、どれも綺麗だ。
綾「ここです。ここに我が社の社長がいます。」
私「これまた大きな扉だな…全力で押さないと開かないなこりゃ。」
綾「ここからはお1人で行ってください。大丈夫です、私は外で待っていますから。」
私「えぇ…まあ仕方ないか。」
私はドアをノックする。中から、「入れ」と声がかかった。
私「生きて帰ってくる。」
綾「ガチで怖いですからね…ウチの長は…。」
ドアを開け、中に入る。
まるで城の中にある殿がいる場所のようだ。奥には1人の可愛らしい少女が座っていた。
少女は物凄く真剣な顔で聞いてきた。
?「名前は?」
私「日向 凪と言います。」
とんでもない親からもらった名前だ。嫌でも覚える。
?「そうか…じゃあナギちゃんだな。」
私「はい…えっ?」
いや、え?凄く真面目に聞かれたのにナギちゃんって…おかしいだろ!
?「ははは。すまないな、どうせ綾から何か言われていたのだろう?それよりここまで御足労だった。私は【御月 燐】。ここの長だ。」
私「よ、よろしくお願いします。」
燐「そう硬くなるな。敬語も使わなくていい。硬いのは嫌いだからな。」
ここで確信した。この子私と同じ性格だ。
私「う、うん。」
いや驚きだわ。私と同じ性格の人がいるとは。
燐「改めて燐ちゃんとでも呼んでくれ。」
私「この葉書には【バイト募集中】と書かれていたけど…一体何をすれば?」
燐「その事だが…お前には神様をやってもらう。」
私「わかりまs…one more please?」
燐「you can ask to became a god.」
やだこの子英語ペラペラじゃないの。
私「いやいやいやいや!おかしいでしょ!神様って!」
燐「安心しろ、神様とはいえ、星を上から眺めているだけでいい。」
そんなやっすい仕事なのかよ…
燐「とはいえ、ナギちゃんは何をすればいいのか分からないんだよな…。詳しくは綾から聞くといい。」
私「はい…」
燐「どうした、気分でも悪いのか?」
いや、なんと言うか思い切った事言われて回路ショートしちゃった。
お寿司ならサーモンが好きだよ。
バイ星を読んで下さり、ありがとうございます!日向の下の名前は凪でしたね。ちょっとした裏設定ですが、この職場で働くものは必ず【月】が付きます。月だけに。ん゛っん゛ん゛!そこで、日向がここに来る。詰まりは【日が向かう】って事になりますね。これからここでちょっとずつ彼女も変わって行くのでしょう。その為にこの苗字にしたのですから。名前は適当ですけどね。
では、次回【神様と一言で言われても】