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8話 村到着

話が進んでない、、

あの二人を埋葬した後、俺達はまた野宿をしていた。

本当は村に着いている予定だったんだがなぁ。

それもあの二人のせいだ。


「結局、あいつらは何者だったんだろうな」

まあ、だいたい目星はついてる。

魔物と人間が和解したことが気に食わない人達なんだろう。

やっぱり恨みがあるのだろうか。ラフにも聞いてみる。


「そうですね……やっぱり長年争っていたいましたし、人間と魔物の

 間に諍いはあるでしょうね。人間はいままで戦っていた人達の

 仕事がなくなったのも原因ですかね」

仕事がなくなった人達か……そういった人達もいるのか。

かなりの人数がいそうだな。


「それにしてもライさんはやっぱり強いですね。

 一瞬で二人を倒してしまうなんて」

そんなことない。ワープのおかげだ。

ワープがなければ俺はすぐにやられてしまっていただろう。


「それがなくてもライさんは強いと思いますよ」

そう言うとラフにそういわれた。

ラフはどれだけ俺のことを強いと思っているんだろうか。

俺は強くないのになぁ……


「じゃあ、おやすみ」

「はい、おやすみなさい」

野宿の準備をし寝始める。

本当は俺が先に見張りをするつもりだった。

でもラフが、

「今日は私が先に見張りをします。また昨日みたいになっては悪いですからね」

「いや、でも……」

「いやもでももなしです。絶対私がします!」

そうやって押し切られてしまった。別に気にしなくていいのにな。


先に眠りにつく。

一日中歩いてたせいか疲れがたまっていたのだろう。

すぐに意識が暗闇に落ちていった。


夢、だろうか?

俺の目の前には一人の女性がいた。

「本当にいってしまうんですか?」

「ああ、これできっと終わるだろう」

夢の中で俺はそう言っていた。

「でも…もし何かあったら……」

「大丈夫さ、きっと無事に帰ってくるさ」


そういって俺は彼女と村人達に見送られながらその村を出る。

その後、俺は王様だろうか? 立派な装飾具を付けた人間と話をしていた。

その人と話している途中、いきなり胸を貫かれた。


苦しい……どうして俺はこうなっているんだろう。

なぜこいつらに刺されているんだ?

俺は正しいことをしていたはずなのに……

夢の中で俺はそう考えていた。そこで俺を呼ぶ声が聞こえた。


ライさーん! ライさん、大丈夫ですか?

この声は…ラフか。ラフが呼びかけているのだろう。

そこで俺の意識は戻った。


「ライさん!? 大丈夫ですか?」

そういってラフは水を渡してくる。

その水を俺は飲み干す。凄い喉が渇いていたようだ。

意識がはっきりしてくる。


「うなされていましたよ。悪夢でも見たんですか?」

悪夢か……何だったんだろうあの夢は。

見たことのあるような光景。だけどなにも思い出せない。


「調子が悪いようなら今日は私が見張りをしていますよ?」

「いや、大丈夫だ。今ので目も覚めたしな」

本当、あの夢のせいで目が覚めてしまった。もう眠れる気がしない。


「無茶はしないで下さいよ? 何かあったらすぐに言ってくださいね」

「ああ、ありがとう」


ラフがそう言って眠りにつく。

なんだったんだろう、あの夢は。

目の前にいた女性、なんとなくラフに似ていた気がする。

村もそうだ。俺がこの世界に来てからいた村に似ていた。


俺の記憶なのだろうか? この世界に俺はいたことがあるのだろうか。

思い出せそうにもない。いつになったら思い出せるのだろうか。


「まあ、考えてもしょうがないか」

考えても仕方がないことだ。

きっとそのうち思い出すことができるだろう。


それよりもこれからのことだ。せっかくこの世界に来たんだし

この世界を楽しもう。


----


「おはようございます」

「ああ、おはよう」


そして今日もまた歩き始める。

結局村に着いたのは昼ごろだった。


見た感じ、人間の村と変わらなかった。

普通に家が立っている。


「人間の村と変わらないんだな」

「村によっては家がないところもあると聞いています。

ここは人型の魔物が多いそうですから」

魔物とはいえ人型なら人間と生活は大差ないようだ。


「じゃあ入りますか」

ラフと一緒に村に入る。


「お、観光…じゃないよな。なんの用だい」

村に入ってすぐ声をかけられた。

顔が狼だった。いや、それだけではない。

体も全体が毛に覆われている。狼人間とでもいうのだろうか。


「ちょっと訳あって村を見て回ろうと思いまして」

「そうか、まあ何もない村だがゆっくりしていけよ!」

ひとまずいきなり追い出されるということはなさそうだ。


「泊まれるところとかありますかね」

「それならここをまっすぐ行ったら村長さんの家があるから

 そこなら泊めてくれると思うぜ」

その狼の魔物の方にお礼を言って村長の家に向かうことにした。

村人は様々な魔物がいた

先ほどの狼の姿のような者、体が岩で出来ている者、液状の者

様々な魔物がいた。

ほとんど俺らをちらちら見ている。

やはり村に来る人が珍しいのだろうか。それとも魔物と人間が

一緒にいるのが珍しいのか、又は両方か。


「すごい注目されてますね……」

「早く村長さんのところまで行くか」

落ち着かない中、村長さんの村まで向かった。



村長さんは小人だった。すごく小さい。俺の腰より引くかった。

一応種族はドワーフというらしい。

「まあ、ゆっくりしていってください。特になにもない村ですが」

「お世話になります」


村長さんは普通にいい人だった。

一応、この村にも人間はいるらしい。明日はその人に

この村について聞いてみるつもりだ。


俺とラフが見た感じではこの村は良さそうな村だ。

とりあえずこの村をゆっくり見て回ろう。時間はまだまだある。


今日はそのまま寝ることにした。

村長さんに泊まるところが欲しいといったら二階の部屋を貸してくれた。

俺もラフも歩き疲れていた。それに久々に野宿から解放されたしゆっくりしたい。


「久々にゆっくり寝れますね!」

ラフも嬉しそうに言う。やっぱり野宿はきつかったんだろう。

というかあれ? 部屋が一つしかない?


「なあ、ラフ。これ部屋が一つしかないよな?」

ラフが固まる。さすがに同じ部屋で寝るのは悪いだろう。

野宿の時は一緒だったって? 

それとはなんか……こう…違うじゃないか。


「あー、じゃあ俺は外で寝るよ」

「い、いえっ。別に同じ部屋で寝てもらって構いませんよ。

 ライさんなら何かあることもないでしょうし」

信用されているのかな? それは嬉しいけど……。

そんなことを考えているとついにはラフが

「なら私が外で寝ます!」

とか言い出したので結局、同じ部屋で寝ることになった。

今晩も眠れないかなぁ……。




そんなことを俺が考えていたとき、遠くから村を見ている人達がいた。

「どうする? なんかよく分からない二人組が入ったぞ」

「二人ぐらいなら問題ないだろう。計画通りいくぞ」

「へーい。じゃあ行きますか」


二人はそんな人達には当然気付いてなく、お互い眠れないで過ごしていた。

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