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7話 二日目

やっぱり小説を書くのは難しいです。

うまく表現できない……

ようやく朝か……

結局一晩中寝ていない。


「ふわぁ、ん? おはようございます」

ラフがやっと起きたようだ。

「ああ、おはよう」


「ってもう朝じゃないですか!

どうして起こしてくれなかったんですか!」


「いや、凄く気持ちよさそうに寝てたから……」

あんな気持ちよさそうに寝ていたらなぁ。


「遠慮なく起こしてくれて構いませんよ……

すいません、起きなくて……」


「いや、気にしなくていいよ。可愛いし寝顔と面白い寝言も

聞けたしさ」

そう行った瞬間ラフの顔が赤く染まる。

そのまま後ろを向く。


「あぅ、寝顔見られた寝顔見られたいやでも可愛いって

言ってもらえたし……というか寝言ってひょっとして……」

向こうを向いたまま何かブツブツと言っている。


「おーい?」


「い、いえっなんでもないです。それよりも次は起こしてくださいよ? ライさんばっかりに負担をかけるわけにはいけませんからね」

まあ、次は起こさせてもらおう。俺も眠いしな。


またラフととりとめのない事を話しながら歩く。


「もうそろそろ結界を抜けますね」

「やっとか……」

ここにくるまで一日半かかっている。

本当、この結界は広いな。


「なんで結界があるかが分かるんだ?」

「魔素が少し周りと違うんですよ。まあ、魔法の一種ですからね。ライさんならすぐに分かるようになると思いますよ」


そういうものなのか。

魔法万能だな。


それからしばらく歩いた。

そうして森を抜けた先には草原が広がっていた。

「何も見えないんだが……」

そう、やっと森を抜けたと思ったら今度は草原だ。

草原しかない。


「見えるじゃないですか。ほら、あそこに村がありますよ」

そういってラフが指を指すがやはり何も見えない。

ラフの視力はどれだけあるんだよ。


「まだ遠いな……」

「そんなことないですよ。今夜には着きますよ」

今夜には着くのか。それを考えるとわりと近いかな。


また二人で歩き始める。

この世界に来てからほとんどの時間、

ラフと一緒にいる気がする。不思議とラフが隣にいるのが

当たり前のような気がする。

どうして俺はそう思うのだろうか?


結論が出ないまま、歩き続ける。

「どうしたんですか? そんなに難しい顔して」

「いや、ちょっとな」


まあ考えても答えはでなさそうだ。

とりあえず俺はその疑問について忘れることにした。



「ライさん、ちょっと止まってください」

「どうした?」

ラフが険しい顔でそう俺に呼びかける。


「誰ですか? そこにいるのは」

ラフがそう言って何もない空間を見つめている。

いったい何があるというんだろうか?


「さすが龍だな。まさか気が付くとはな」

「さすが龍だな、じゃない。お前の力不足だろう」


そういって俺たちの目の前に二人の男が現れた。


「そういうなよ、まあこうやって向こうから来てくれただけでも

 運が良かったじゃないか」

「確かにな。というかあいつはなぜ魔物と一緒にいるんだ。

 おい、人間。今なら見逃してやるぞ」

一人がそう俺に言う。どういう状況なんだろうか。


「あの人達は私を攫っていた人達ですよ」

そうラフが隣から言う。

そういえば残り二人いたんだった。でも俺を見逃してくれるということは

俺が殺した事はばれていないのか?


「全く困ったもんだぜ。せっかく龍を捕まえたらと思ったら一人殺されて

 逃げられるんだもんなぁ。その上結界がまた張ってあるしで入れないし。

 ま、そう悩んでいたところに来てくれたわけだがな。さて、どうするんだ人間?」


どうするんだ、と言っても俺は死ぬ気もないしラフを見捨てる気もない。


「ライさん、私のことなら気にしないでいいですよ」

ラフはそう言う。気にしないでいいというのは見捨てて逃げろ、

ということなのだろうか。

俺はラフに見捨てて逃げるような人に思われているのかな。

それはちょっと悲しい。


「逃げないって事はお前も死ぬってことでいいんだな」

そういって一人の男が手を俺に向けて何かを呟く。

その瞬間、俺を大きな炎の塊が襲った。


「ライさん!」

「あれ、直撃か? 龍といるぐらいだからどれほど強いのかと期待してい……」

そこで男の言葉は途切れた。

いや、さすがにそんな直線的な攻撃は俺でも避けれる。

いや、ワープがなかったら避けられたかは分からないが。

俺はワープで男の後ろに回り込みそのまま首にナイフを突き刺していた。


「なっ!?」

隣の男が俺がいきなり現れたことに驚いている。

その隙に拳銃を抜き隣の男に打ち込む。

隣の男もそのまま倒れた。


「大したことなかったな」

「ライさん……?」

ラフが驚いた顔でこっちを見てくる。

俺が逃げなかったことにだろうか。それともあっさり人間を殺した事に対してだろうか。

どちらともかもしれない。


「すまないな、殺してしまった」

「いえ、ありがとうございます。私達を襲おうとしてましたし……

 私も戦うつもりでしたが、それにしてもライさんは強いですね。

 それに躊躇いもないですし」

躊躇いないか……俺も思っていたが、人間を殺すことに躊躇いがない。

逃げる、という手段もあったはずだ。だが俺は殺すことを選んでいた。

なんでだろう。人間に恨みでも持っているのだろうか。

それにしてもこいつら、一人ぐらいは生かしておいて話を聞くべきだっただろうか。


まあ、やってしまったものは仕方ない。

「とりあえず埋葬はしておくか」

「そうですね。このままにしておくのも後味悪いですしね」


二人の埋葬が終わる頃にはもう夜になっていた。

今夜には村に着く予定だったのになぁ……


今夜も野宿になってしまった。


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