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53話 再び森へ

リン達を見送った後、俺達は村に戻りこれからどうするかを話し合っていた。

勿論アンリの事についてだ。あの蛇が言うことには俺が飛ばされた場所の近くの村にいるらしいが……

わざわざあの蛇のためにそこに封印されているやつを倒しに行くのは面倒くさいなぁ。だけれどもアンリもいるみたいだし、一応助けてもらったことには変わりないしな。


「じゃあその蛇さん信じて行ってみます?」

「ああ、行ってみよう」

それ以外にアンリの手がかりがあるわけでもないし行くしかない。アンリが戻ってきていないという事は何かあったんだろうしな。やっとラフに会えたと思ったら次はアンリか……早く前みたいに三人でいろいろな場所をのんびりとまわる生活が戻ってくるといいなぁ。



「じゃあ、お母さん。行ってくるね」

「うん、行ってらっしゃいラフ。無茶はしちゃだめよ……というより油断しちゃだめよ」

「分かってるって!」

「全く……ライさん、どうかラフをよろしくお願いします」

そうぺこりとエマさんが頭を下げる。俺としても、もうラフと離れる気なんてない。

「はい、ラフは何があろうと絶対守ります」

まあ、あんな事があった後だけどな……

絶対にラフの事は守り抜く。たとえ俺が死んだとしても。



それから村をでて、俺が飛ばされたあの薬草があった場所へと飛ぶ。

「この森もひさしぶりですね」

まあ、久しぶりといってもあれから大体一週間ぐらいだけどな。確かに凄く長く感じる。

そういえばこの森といえば……なんだっけ? 何か忘れているような気がする。

「どうしたんですかライさん? 早くその村とやらを探しましょうよ!」

「あ、ああ。そうだな」

思い出せないという事は大したことじゃないんだろう。必要があれば思い出すだろうしな。

しかし俺は何を忘れていたのかすぐに思い出すことになった。



「ラフ! そっちはどうだ!?」

「すいません……こっちも……!」

俺達はあらゆる方向から飛んでくる葉っぱやら枝やらを落としていく。そしてそれが飛んできた木に向かって魔法やら拳銃を撃っていく。俺が忘れていたのはこれだ。ここにはこいつらがいたんだった。この木に化けている魔獣。アンリがいた時はどいつが魔獣か一発で分かっていたから楽だったが、俺達に見分けるすべはない。一応、ラフは真後ろにいるしいつでも逃げることはできるが……

この沢山ある木の中でどれが魔獣か分からない、中々先へと進めないでいた。

「もうこれ全部焼いてしまったらだめかなぁ?」

「いや、流石にそれは……」

だよなぁ。流石にここの木を全部焼いてしまうわけにはいかないよな。ちまちま一体一体倒していくしかないのか? そう俺達が苦戦、否面倒くさがっていた時だった。


「なんだ?」

「急に何も飛んでこなくなりましたね」

そう、ラフが言った通り、急に何も飛んでこなくなった。何が起こったんだ?

俺達が不思議に思っていると前から二人の小人が現れた。そう、小人だ。かなり小さい。俺の腰ぐらいまでしかない。恐らく一メートルもないだろう。


「大丈夫ですか?」

その小人の内の一人、すらっとした顔立ちをしたまあ、イケメンと言えるであろう小人が俺達に声かけてきた。身長が小さいから凄い違和感だが。

っと、とりあえずそんなことじゃないよな。恐らくこの二人が助けてくれたんだろう。お礼は言っておかないとな。

「ああ、助かった。ありがとうな」

「貴方達はこんなところまで何をしに来たんですか? ひょっとして薬草でしょうか。それならもっと森の浅い所に生えているはずですよ」

「いや、薬草じゃないんだ。ここら辺にある村に人を探しに来ていてな」

「村……ですか? ここら辺には僕達の村しかないですけど」

「多分そこだと思う。案内してもらえるか?」

「んー、でも今は……まあいいか。案内しますよ」

よし、案内してもらえそうだ。そこにアンリがいるといいんだけどな……



「そういえばまだ名乗っていませんでしたね。僕はユウといいます。隣にいるのはレティです。無口ですけどいい奴ですよ」

「よろしく……」

「俺はライだ。さっきはありがとうな」

「私はラフです。先ほどはありがとうございました」

話している途中も魔獣を焼きながら進む。アンリと同じでこの二人にはどの木が魔獣かが見分けられるそうだ。そのお陰で楽に進めている。

「そういえばユウ達の種族はなんなんだ?」

まあ、恐らくそれが身長にも関係しているんだろう。

「僕達はコロポックルです。身長が小さいのと、気配を察するのが得意なところが一番の特徴ですかね」

ほう、アンリと一緒の種族か。まあ、アンリはあくまでハーフだったが。

「ライさんは人間ですよね。ラフさんの種族は何なんですか?」

「私は龍です」

「はい?」

「だから龍です」

「え……?」

前を歩いていた二人とも固まる。ああ、またこの反応か。

それから二人が動くようになるまで数分待った。


「まさか龍に会うなんて……」

「ありえない……」

二人ともまだ驚いているようだ。これ、毎回誰かに会うたびにこうなるのかな。今の所ラフが自己紹介すると大体の人がなっているしな。クレアさんぐらいか? 

「いやー驚きました。まさかラフさんが龍だとは……」

「本当、驚いた」

「あはは、よく言われます」

そんなこんなで歩く事数分、ユウ達のコロポックルの村へと着いた。


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