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50話 救出

思ったより逃げるのが速くて驚いた。まさかあんなに早いとは。まあ、捕まえようと思ったら捕まえれただろうけどそこまで無理に捕まえる必要もないだろう。なんせ今回の目的はライ君な訳だし。

「にしても、もうちょっと遅くきたらよかったのになぁ」

そうしていたらラフちゃんも死んで計画通りだったんだけどなぁ。まあ仕方がない。次の事をするとしよう。ライ君を仲間にするために。すべてはあの人のために。


――――

ミチと一緒に階段を下りていく。かなり深い。ここにラフがいるのだろうか?

「一応この先に一人はいるみたいですけど……」

それがラフだったらいいけどな……

階段を一番下まで降りると広い空間が広がっていた。かなりの広さだ。その中にあるのは牢屋だけだった。その中にラフがいた。

「ラフ!?」

「ん……? ライさん……?」

「ラフ!」

ラフの所に駆け寄り、抱きしめようとする。が、そのまま頭を檻にぶつける。そうだった、檻があったんだ……

「無事だったんですかライさん! 私、ライさんに何かあってたらどうしようかと……」

「ラフの方こそ無事でよかった……とにかくここから出ないと」

「それが……この枷のせいか魔法が使えないんです。龍の姿に戻ることもできなくて」

この檻の扉を開けるにはどうしたらいいだろうか……とりあえず錠を拳銃で撃ってみる。キーンと大きな金属音が響き渡るだけで壊れてなかった。これで壊れないとは……一体どうやったら……

「すいません、見せてもらえますか」

そうだった、ミチがいたんだった。とりあえずミチに任せてみるとしよう。

「この人は?」

「ここまで来るのにもいろいろあってな。途中から協力してもらっているんだ」

「ふーん、そうですか」

急にラフが不機嫌になる。なんだ? いきなりどうしたんだ。今不機嫌になるようなことがあったか?

まあ、何はともあれまた再開できたんだ。後はラフを連れてここから逃げるだけだ。

「ライさん、すいません。開けれそうにないです」

「え?」

「こんな複雑な結界見たことないです……私にはどうやったら開けられるかが分かりません」

ミチが開けられないだと、じゃあどうしたらいいんだ。何か開ける方法は……

それについて悩んでいると俺達が下りてきた階段、そこから声をかけられた。


「無理よ。その結界は私しか解除することはできないわ」

声の下方向を見るとそこにはあいつがいた。俺が人間側に来ることになった原因となった奴が。

「え!? ええええ!? 何でこんなところに!?」

ミチが慌てふためいている。ん? ミチはこいつを知っているのか?

「知っているも何もあの人はあれですよ! 人類最強じゃないですかぁ!」

人類最強? 何だそれ。初めて聞いたぞ。

「あの人は人間の中で今一番強いと言われている魔法使いですよ! 何でこんなところに……」

そうだったのか、そんな奴がなんで俺を仲間に誘うのか。

「久しぶりね、ライ君。元気にしてた?」

「お陰様でな。で、何をしにきたんだ」

「いやねぇ、そんなに睨まなくてもいいじゃない。何をしにきたって決まっているじゃない、勧誘よ」

「勧誘だと? 俺がお前たちの仲間になると思うのか?」

「思うわよ? というかならないとその結界はといてあげないわ」

はぁ? 結界をとかない? そんなの関係ない。とかないと言うなら無理やりとかせるだけだ。

「相変わらず物騒ねえ。この結界は私を倒したってとけないわ。ラフちゃんをずっとそこに閉じ込めたいっていうなら別だけどね。とりあえず一緒に来てくれるならといてあげるわよ?」

こいつと一緒に行くのは嫌だ。どうにかならないものか……それについて行ったからと言ってといてもらえるかも分からない。

「ライさん、私の事は後回しでいいですよ。きっととける人がどこかにいますよ」

ラフはこういうが……ラフをここに置いて行くわけにはいかない。絶対に連れて行く

「すいません、私がとけたらよかったんですが……」

「無理よ無理。私の結界がとけるわけないわよ」

どうしようか。大人しくこいつらについて行くしかないのか? しかし……どうすればいいんだ?

とりあえずここから逃げる? いや、ラフを置いて行くなんてできない。だがそのためには結界をどうにかしないと……どうにかするためにはこいつらについて行くしかない。

ああもうどうしたらいいんだ!?

「大人しく私達の所にきなさいよ」

あいつはそう言ってくる。やはりそれしかないのか……?

俺が諦めてあいつについて行こうと決めた時だった。


「いやぁ、困ってるねぇ。どうにかしてあげようか?」

目の前に一人の少年が現れた。そう、呑気な口調でその少年は言ってくる。いや、誰だよお前は。

「あれ? 忘れたの? ってそうか、一応この姿を君が見るのは初めてか。いつも夢であっているじゃないか」

夢であっている……もしかしてあの蛇か?

「そうだよ! 忘れられたのかと思ったじゃないか」

いや、そりゃあそんな少年の姿で現れたら分かるわけないだろ。というかこんな風に話している場合じゃないだろ。

「ああ、それは大丈夫だよ。時を止めているからね」

はい? 周りを見てみるとミチやラフ、それにあいつまでもが全く動いていなかった。まさか……本当に時が止まっている?

「これぐらい僕には簡単なことだからね。本当は手を出す気はなかったんだけどねぇ……今君があいつの所に行くと非常に面倒くさいんだよ。全く……君が不甲斐ないからだよ? 二度とこんな事はないようにね?」

そう言って再び少年は消えた。ほとんど何を言っているか分からなかったんだが……


「どうしましょうライさん……」

ミチが心配そうに言ってくる。ああ、時が普通に戻ったのか。さっきの少年、否蛇は何とかしてやるみたいな事を言っていたが、何が変わったんだろうか。あいつは未だに目の前にいるし状況は変わっていないように思える。変わっている可能性があるとしたら結界か?

ミチを引っ張り、そのまま牢屋を開ける。今度はすんなりと開いた。あの蛇のお陰か?

「だから、その結界は……ってなんで開いているのよ!?」

あいつは驚いている。そりゃあそうだろう。何もしていないのにいきなり結界がとかれたわけだしな。俺にも何が起こったかはいまいち分からんが。

「ま、待ちなさい!」

珍しくあいつが焦っている。だがもう遅い。ラフとミチをつれ宿屋へと飛ぶ。


「はぁぁぁぁ」

なんとかラフを連れて戻ってくることができたな。

一話が短いとはいえ五十話まで来ました!

ここまで読んでくださりありがとうございます。


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