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47話 城

カイルが喋らない……

カイルやリンも宿に帰ってき、四人で話し合う。

「で、リン達はどうだったんだ?」

「私達も大体同じだったわ。城にいったきり見た人はいないそうよ。城にいるんじゃない? ひょっとしたらもういないだけなのかもしれないけど……」

そうか、という事はやはり城に向かうべきか。しかしいきなり行って入れてくれるものだろか。

まあ、とりあえず行くしかないな。


「なんだお前らは?」

城まで行くと城の前にいた兵士にそう言われた。

「城に入ることはできないのか?」

「無理に決まっているだろう! そもそも何をしにきたんだ」

「ここにきた魔物の少女を探しているんだが……」

「魔物の少女? そんなのはここにはきてないぞ。ほら、帰った帰った」

そう追い返されてしまった。しかし、ここにはきていない……? どういうことだろう。

「リン、確かに城に入っていったんだよな」

「ええ、そのはずよ」

俺もいろんな人からそう聞いたしな。ということはやはりあの兵士が嘘をついていることになる。

しかし……一体なんのために? わざわざ隠すような必要があるのだろうか。

「もう一回情報を集めなおすわね。城に入る手段も考えておくわ」

そっちはリンとカイルに任せておいていだろう。なら俺は、いったん村に戻るとしよう。ひょっとしたらラフも戻ってきているかもしれない。

「ミチはどうする?」

「わ、私もライさんについていきたいです!」

ミチもくるのか。といっても行ってすぐ帰ってくるだけだが。

「まあ、いい経験になると思うわよ」

「いい経験……?」

ミチが頭にハテナを浮かべている。いい経験か。まあ、確かにあの村みたいに魔物と人間が一緒に暮らしているところはないもんなぁ。

「あと、ライ君もいくらミチが可愛いからって襲ったりしないようにね」

「するわけないからな! 何言ってんだ!」

「そう考えてみればライ君のワープってそういう事に便利よね……」

確かに……いつでも人をさらい、どこかに連れ込んだりする事もできるもんな……決して俺はそんなことしないぞ、うん。


「じゃあ俺達は行ってくるぞ」

「はーい、また後でねー」

ミチを連れて村まで飛ぶ。さて、戻ってきているいいけどな。

「凄いですね……一瞬で移動するなんて」

周りの風景を見渡しながら呆然としている。そういやミチに見せたのはまだ一回だけだったな。そうなるのも無理はないか。

「行くぞミチ」

「あ、はいっ」

後ろからミチが小走りでついてくる。やっぱり可愛らしいな。


村に入るといつもの奴らは俺を見て声をかけてくる。ラフの事を聞いてみるがどうやら戻ってきてはいないようだ。んー、どうしようか。とりあえずエマさんの所には行っておくか。エマさんの家に行くといつも通りエマさんが迎えてくれた。

「あら、ライさん。残念ながらラフはまだ……」

「はい、聞きました。もう大体どこにいるかもめどがついたんですが……」

今までのことをエマさんに話す。


「んー人間のお城……ねぇ。それは明らかに怪しいわね。くれぐれも気を付けて」

まあ、忍び込むんだし何があるかわからないからな。

「私も行きたいんだけどねぇ。娘が危なそうだし……あの子結構抜けたところがあるからね。まあ、ライさん娘をよろしくお願いします」

エマさんに頼まれてしまった。まあ、頼まれなくてももちろん探しに行くつもりだったけれども。それにまだ城にいると決まったわけではない。今の状況だとその可能性が一番高そうだが。

「それはそうとライさん、別に何人娶っても私は構いませんがラフを泣かせるようなことはしないでくださいね?」

「はい? いやいや、どういうことですか!?」

「え、だってそこのミチちゃんともそういう関係じゃないのかしら?」

「いやいや、違いますから! 大体話したじゃないですか!」

相変わらず唐突だな!? 後ろで話を聞いているミチは頬を赤くして俯いている。いやいや、ミチもその反応はどうなんだ。それだとエマさんに勘違いされるだろ? 

「これだからライさんは……」

ミチが後ろで呟いた気がしたが気のせいだな。……気のせいだよな?

「まあ、ラフのことをよろしくお願いします」

エマさんがそう言って頭を下げる。前々から思っていたがもうこれエマさん公認だよな。

つまり……いやいや、そのためにも早くラフに会わないと。


ミチと町までワープで戻り、宿に戻る。あれからミチはずっと俯いたままだが……やっぱりエマさんが言ったことなんだろうか。俺としては勘違いであって欲しいんだが……勘違いじゃなかったら色々とまずい気がする。まあ、それはとりあえず頭の隅に置いておく事にする。それよりも今はラフのことだ。

「お、ライ君お帰りー。どうだった?」

「村にはいなかったよ。やっぱり城じゃないかな」

「城か……忍び込むのか?」

「それしかないだろ。そっちの情報はどうだったんだ?」

「こっちもねぇ……やっぱり城に入ったのを見た人はいるんだけど出て行ったのを見た人はいないのよね。どうやら王様の所に連れていかれたみたいだけど」

王様の所か、そう簡単に入れるようなところではないだろうが……ラフがそこにいるっていうなら行くしかない!


それからリン達と城に入る算段を立て始めた。











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