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43話 村襲撃

目が覚め、体をおこし村を出る準備を整える。

にしても相変わらずいきなり呼ばれていきなりかえされるなぁ。

今回はあの蛇ではなかった。まだ聞くことは沢山あったというのに。こっちから会いに行くことはできないのかな。そうしたらいつでも聞きに行けるのに。


「ライ君ー? 起きてる? そろそろ村を出るよ」

「ああ、すぐに行く」

まあ、どうしようもないし取りあえずは忘れるとしよう。部屋を出て宿の前に出るともうすでにリンとカイルが待っていた。

「じゃあ行きましょうか」


村を出て、また馬車に揺られながら北へと向かう。

やはり馬車があると楽だなぁ。これもカイルのお陰だ。まあ、そのカイルは不満そうだが。

「なぜ俺が……しかしこれもリンのため……」

聞こえてないことにしておこう。


時々でる魔獣を倒しながら進む。にしても、魔物側にいた時よりもこっち側の方が魔獣が出てきやすい気がする。何故だろう。

何かあったりするのかな。しばらく馬車にいると、村が見えてきた。今回は着くのが早かったな。まだ日も暮れていないし半日もかかっていない。このまま行けばすぐに追いつけるか?

「うおっ!?」

「きゃっ!」

急に馬車が止まった。なんだ?

「村が襲われている……?」

カイルがそう呟く。俺も村のほうを見てみると確かに魔物、いや魔獣か? それに襲われていた。さて、どうしようか。あの村を避けて通るとしても魔獣がこっちにくる可能性は高いだろう。一回逃げてまたここに来るか? しかしそれだと確実に時間がかかるだろう。村を助けるしかないのかなぁ……

「どうするリン」

「ライ君に任せるわ。あ、でも分かっているとは思うけど私はほとんど戦力にはならないわよ」

「俺は行かない方がいいと思うがな……リンもこう言っているしお前に任せる。お前ならどうにかなるだろうしな」

俺次第か……ならば、

「助けに行こう」

待つぐらいなら助けに行こう。それにここで見捨てるとラフに会った時に幻滅されそうだしな。

「はぁい」

「はぁ……やれやれ」

リンは俺がそういうのを分かっていたかのか嬉々としながら、カイルはため息をつきながら仕方がなくというように村へと向かう。


村は様々な魔獣であふれかえっていた。一部壊されている家もある。泥の塊、大きな狼、ここまで来るまでにあったマンモスのようなものもいた。村人達も戦っているものもいるが、あまり戦える人がいないのか押され気味だ。よし、俺も手伝いますか。とりあえず村に入ってすぐの所にいた魔獣達をさっさと片づけていく。なんだ、強さはそこらへんにいた奴らと変わらないのか。これは思ったよりも楽そうだな。

「相変わらずねぇ、ライ君は。あっという間じゃない」

「これは俺達はいらないんじゃないか?」

二人が遅れてついてくる。いや、お前らも働いてくれよ……


その魔獣と戦っていた一人が話しかけてくる。

「すまない……助かった。君たちは?」

「まあ、国都に向けて旅をしているものです。そんなことよりもこの状況は一体……?」

「分からない、いきなり魔獣が集団で現れたんだ。この村は戦えるものが少ないからこんな状況だ」

んー、分からないのか。まあ今はそんなことはどうでもいいか、とりあえずはこいつらの処理が先だな。

「分かりました。後は任せてください」

それだけ言って次の魔獣を倒しに向かう。魔獣に襲われている人を助けながら先へと進む。短剣で倒せるような奴は短剣で、倒せないようなら拳銃で一発魔素の塊をぶつけるだけで次々と倒れていった。リンやカイルも気配を殺してこっそり近距離で魔法を打ち込んで倒しているようだ。さすがに俺ほどの速さではないが。魔獣達は村の北の方に行くほど多くなった。どうやら一つの壊された後の家に集中しているようだ。一体何があるんだろうか? 家に群がっている魔物倒す。


「ふぅ……」

「大体終わったわね」

これでほとんど倒したか? 残りはカイルがなんとかしてくれるだろう。リンはなぜか俺について来ているようだが。

「何でここに群がっていたんだろうな」

「ちょっと待ってね……」

そう言ってリンが集中し始める。うん? 何をしているのだろうか。

「この家の下に二人いるみたい。恐らく家の地下があるわね」

怪しいな。しかしその地下に行くにはこの瓦礫と死体をどうにかしなければいけない訳だが。

「ええと、入口はここだから……えいっ」

リンが手をかざした場所の瓦礫や死体が一瞬で燃え尽きた。すごいなぁ。魔法……だよな? というかこんなのが使えるなら十分強いんじゃないのか?

言った通り死体や瓦礫の下には地下へとつながる階段があった、

「これを使うには結構集中しなければいけないからね。戦闘には使えないのよ。そんなことよりほら、さっさと行きましょうよ」

地下への階段を降りていき、歩いていくと一人の少女と魔物が戦っていた。影からこっそり二人の様子を伺う。全身青い体で頭には二本の角が生えている。何の種族なんだろうか。


「はぁ、はぁ……」

「いい加減諦めたらどうだ? お前では俺には敵わない」

「諦めてたまるかぁ!」

再び少女が魔物に向かって自分の背丈ほどある大剣を振り下ろす。しかし魔物はそれを軽々と防いでいく。

「はぁ、もういいか」

「きゃぁ」

魔法か……? 魔物が腕を振ると離れていた場所にいた少女が吹き飛ぶ。トドメをさすのか倒れている少女に魔物は迫っていく。

「じゃあな」

少女に向かって腕を振り下ろす。だがその腕が少女に当たることは無かった。俺はワープでその間に割り込み、少女を連れてよけたからだ。

「んぁ?」

魔物は何が起こったのか分からないというような顔をしている。

とにかく先に少女を離れた場所に連れていっとこう。呆然としている少女を抱きかかえ、ついでにリンも連れ、上へとワープする。

「大丈夫か?」

「あっ、はい! だ、大丈夫です」

顔を赤くしながら少女が答える。まあ、とりあえず大丈夫そうかな?

「じゃあリン、こっちは頼む」

「分かったわ。ライ君も気をつけてね」

少女をリンに任せ、再び戻る。戻ると腕を組んで座っている魔物の姿があった。


「やはりまたお前か……」

「お前は何者なんだ?」

「俺か? そうだな、強いて言うならお前が前にあったことある女性の仲間さ」

「あの女性の仲間か。という事は聞き出せることが沢山あるな」

「そういうわけにはいかないんでな。俺じゃあお前には敵わないからな。できたら使いたくなかったんだけどなぁ。あいつもうるさいし」

そういってその魔物は青い宝石を取り出す。あれは……逃げられてたまるかっ! ワープでそれを奪おうとする。だが、遅かった。

「じゃあな」

そう言ってその魔物は消えていった。結局逃がしてしまったな……

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