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40話 情報収集

「にしても大きいな」

その町はとんでもなく大きかった。前いった、魔物の町とは比べ物にならない大きさだ。

「そりゃあね! ここは人間の町の中で一番……ではないか。まあ、国都の次に大きな町よ」

という事はラフも確実に立ち寄っただろう。これは期待できそうだな。とりあえずは情報集めか。

やっぱりそういって話を聞ける場所といえば、

「まあ、とりあえずは酒場ね! あそこなら沢山情報が集まるでしょうしね」

まあ、そうだよな。まずはそこか。

「私が案内するわよ! この町は詳しいからね」

「おお、ありがたい。よろしく頼む」

案内されるがままにリンについて行く。しかし、なんで詳しいんだろうか? いやまあ、元々リンはこっち側で生きていたんだろうし、詳しくてもおかしくはないか。


酒場はいろんな人で賑わっていた。おお、これこそ酒場って感じだな。魔物の町のギルドもそうだったけれどもここもなかなかだな。この店の店主だろう、いかついおじさんがカウンターに腰かけていた。まさに筋肉だるま? とにかく体のどこを見ても筋肉だらけだ。なんかギルドのゴーレムさんをなんとなく思い出すなぁ……元気だろうか。

「久しぶりー! おっちゃん」

気軽にそのおっちゃんにリンが話しかける。おや、知り合いなのだろうか?

「お!? リンか!? お前帰ってきてたのか」

「まあ、色々とあってね。っと、今日用があるのは私じゃないんだ」

「お? そこの兄ちゃんか! ひょっとしてお前の彼氏か?」

「なわけないわよ! ほら、ライ君」


おっと、やっと俺を紹介してくれるのか。

「どうも、ライです。でさっそくですが聞きたいことがあるんですが……」

「おう、何だ? リンのスリーサイズか?」

「ちょっと何を言っているのよ!」

「がはははは、冗談だ、冗談!」

そう豪快に笑う。いや、リンのスリーサイズなんか興味ないからな。それより質問を……


「ちょっとライ君? それはそれでひどくないかなぁ」

リンが不満げな顔をこっちに向ける。いや、そうは言っても仕方がないだろう。興味がないものには興味がない。いま必要なのはラフの行方だ。

「むぅ……」

「はははは、男だったらまずそれを聞いてくるからな。さて、ライだったか? 聞きたいことはなんなんだ?」

「最近ここらへんに魔物の少女がこなかったか? その少女の行方が知りたい」

「ほう、確かにきたぞ。この町にもな、三日ぐらい前だったな」

「本当か!? それについて詳しく知りたい」

「じゃあ話してやる、といってやりたいところなんだがなぁ。生憎その少女に口止めされているんだよ」

ラフが口止めを……? なぜだ?

「んー……まあ、これぐらいは話しても大丈夫だろう。いやぁ、この町も魔物がきたって大騒ぎになったんだよ。その魔物は羽と尻尾が生えた少女でな。人を探している、と言っていろんなところでその人の事を聞いていたな。しかしな、やはり魔物は珍しいからな。捕まえようとした人や、無理やりいろいろ聞き出したりしようとした奴らがいたんだよ。少女は見た目は弱そうだったからなぁ」

まあ、見た目は普通の少女だからな。羽と尻尾が生えているだけで。大体どうなったかは想像がつくな。


「まあ、皆返り討ちにあったんだよ。で、少女の場所をそいつらに売っていた俺の所にまできてなぁ。口止めされたよ。本当おっかなかったぜ」

どれだけラフは怒っていたんだろうなぁ……ラフは怒ると本当怖いからな。

「ということでだ。話すわけにはいかないんだ」

まいったな。結局分かったことはラフがここに立ち寄ったということが分かっただけじゃないか。なんとかして話してくれないかな? もう無理やりにでも聞き出すしか……

「待て待て待て、ライ、お前も結構強そうだし勘弁してくれ。というかそういうことはリン、お前の方が詳しいんじゃないか?」

「そうねぇ、確かにあそこに行けばいいんだけどねぇ……面倒くさいのがいるじゃない」

「ああ……あいつか、悪いやつではないんだけどなぁ……」


その話の流れだとリンが知っているような感じなんだが? リンは何か知っているのか?

「本当はおっちゃんに聞けたら一番よかったんだけどね。仕方がないしそっちに行くかぁ」

「おう、リン。またな!」

「おっちゃんも元気で!」

そう言って酒場を後にする。ちょっと待て、結局大したことは聞けなかったがこれでいいのか!?

そうリンに言うと、とりあえずついてくるように言われた。細かな路地を抜けて行き人通りの少ないところへと歩いて行く。リンがいなかったら確実に迷っていることだろう。にしても一体リンがどこへと向かっているんだろうか? しばらく路地を歩き続けるとリンはいきなり立ち止った。目の前には壁があるだけだ。ここに何があるのだろうか?

「私よ、開けて」

リンがそういうと目の前の壁が開き始める。リンはその中へと入っていく。 

「ライ君? どうしたの、ライ君も早くきて」

「あ、ああ」


一体中はどうなっているんだろうか……。


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