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38話 村到着

なぜ俺は今日中につくとか思ったのだろうか……


リンはもちろんこっち側にきたことは無い。俺も人間側から魔物側にきたことは初めてだ。

どこに行けばいいのか分からない。とりあえず適当に歩いているが……こっちであっているのだろうか?

「なあ、リン。お前遠くを見渡す能力とかないのか?」

「ある訳ないわよ」

「じゃあ集団の気配を感じ取れるとか」

「無理よ、近くならともかく」

「行ったことのある村に一瞬で移動できるとか」

「どんな魔法よ」

「え、ド〇クエのル……」

「なによそれ」

言い終わる前に突っ込まれてしまった。そうだった、この世界に機械はないんだった。あったとしてもド〇クエはないだろうが。俺のワープってそれの上位版みたいなものだよな。どこにでもいけるし、いつでも使える。屋根があろうがなかろうが関係ない。まあなぜか今は遠距離は使えないが。

そういえばしばらく試してなかったし久しぶりに試してみるか。


まずエマさんの村を想像してみる……だめだな、目の前の風景は同じままだ。他にも想像してみるがだめだった。なぜだろう? やはり何か条件があるのだろうか? そういえば人間側の場所はまだ試したことなかったな。試してみるか。

砦を想像してみる。

「ねえ、さっきからどうしたの? ずっと立ち止まっ……えっ!?」


目の前には砦があった。俺とリンがでてきた場所だ。ワープできたのか! しかしなぜできたんだろうか。やはり何か条件が……?

「何だお前は!?」

砦の見張りが驚いた顔でこっちに剣をむける。おっと、まずいまずい、さっさとリンのところへと戻るとしよう。もう一度ワープする。

「は……?」

その場にとり残された見張りが呆然としていたのは言うまでもない。


「ただいまー」

リンの場所まで戻る。普通にワープを使えたな。だけれどもやっぱり魔物側の場所には飛べない。うーん……

「ちょっと!? いま何が起こったの」

「ん? 透明になっていただけだが」

「さらっと嘘つかないでよ。気配も感じなかったし今消える意味でしょ」

まあ、そりゃごまかせないか。どうしようかなぁ。リンにはまだワープのことを説明していない。味方のふりをしているという可能性もあったしな。まあ、もう説明していいかな?

「まあ、一瞬で行きたい場所に行ける魔法みたいなものだ」

「じゃあそれで村まで戻ればいいじゃない」

「それが……」

それからリンにワープについて説明し始めた。


「そんなことができたのね……にしても条件ねぇ……」

それさえ分かれば村まで簡単に戻ることができるのだが。人間側に飛べて、魔物側に飛べない理由、本当なんでだろうな。

「ねえ、それって言ったことのある場所にしか行けないのよね?」

「ああ、そうだが」

「今いる場所からそこまでの道のりが分かってないといけないとかは?」

リンがそう言う。そういえば考えたことなかったな。道のりか……だからここからどうやって来たかわかる砦や人間の村には行けて、魔物側には行けなかったのか? それだと一応つじつまは合うか?

しかしそれが分かったところで結局、魔物側の知っている村までいかないといけないな。


一応、人間側に近い村として、ドワーフさんとクレアさんのとこがあるが……どっちかにいければそこからの道は分かるんだけどなぁ。リンの言う通りだったらそこからワープすることができる。結局そこに行けるよう祈りながら歩くしかないか。


結局、その日のうちにはつかなかった。リンと野宿の準備を進める。しかし本当、こっちであってるのだろうか。いや、まあどうしようもないんだが。ただ歩くだけだ。

ふとリンが会話の中でこんなことを聞いてきた。

「ライ君の彼女ってさぁ、どんな人なの?」

「どんな人か、かぁ……」

そもそも人ではないんだけどな。ひょっとしてリンはまだ魔物側にいる人間とでも思っているのかな?

強いて言うなら気立てがよくて優しくて可愛くて、料理もできるまさに理想の彼女だな。

まあ、すこし抜けたところはあるが。そこもまた可愛い。

「どれだけ好きなのよ……」

「どれだけ好きかって? そりゃあ……」

「いや、説明しなくていいからね」

さえぎられてしまった。ちえっ、せっかくこれからラフの魅力についてさらに詳しく語ろうとしたのに。

でもなんでそんなことを聞いたんだ?

「ライ君と付き合っている人なんて気になるじゃない」

気になるものかな? まあ、いいや。

それからはリンとたわいのない事を話してから寝た。はぁ、明日には村につけるといいけどなぁ。



次の日もリンと歩き続ける。昼もすぎ、日が暮れてきたころだろうか。やっと一つの村が見え始めた。

「やっと村ね……ライ君の知っている村だといいんだけど」

そうだといいけどな……これで知らない村だったらまたそこから歩かないとなぁ。


幸い、そこの村は俺の知っているドワーフさんのところだった。よっていってもいいがそれより先にエマさんのところだな。

「リン、飛ぶぞ」

「え!? あ、うん」

リンの手を握り、エマさんの村まで飛ぶ。リンの顔が赤くなっていた気がするが気のせいだろう。

今度は無事に村まで飛べた。良かった……やはりリンの言った通りそこまでの行き方が分かってないとだめなのか。何にしろこれで村に戻ってこれた。そういえばリンが呆然としているがどうしたんだろうか?

ひょっとしてワープで体調を崩したりとか? いや、それよりも驚いて呆然としている方がありえるな。

「おーい? リン?」

「……」

「リン!」

「!? えっ! ああなに?」

「いや、何って……どうしたんだそんな呆然として。早く行くぞ」

「あ、うん……」


まだ少し変な感じだな。まあ、とにかく村についたんだ。

さっさとエマさんのところに行くとしよう





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