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18話 新しい村

話が進まない……

村に着く。この村もいくつかの家が立ち並んでいる。

こうやってみると本当、人間も魔物もたいして生活は変わらないんじゃないだろうか。


「お、いらっしゃい」

村に入ると、顔がトカゲで人型をしている魔物、リザードマンとでも言えばいいのだろうか、出迎えてくれた。


「こんにちは。これを届けるように頼まれたんですが」

そういうとそのリザードマンさんは険しい顔をする。

どうしたのだろうか。何かあったのか? 俺が不思議には思っているとリザードマンさんはこう言った。


「悪いがこの村に人間を入れることはできないんだ。この村に住んでいる魔物の多くは人間を恨んでいる。入るのはそっちの二人だけにしてくれ」

「どうにかなりませんか?」

「悪いが無理だ」

「どうしましますライさん?」


再びそう言われてしまう。俺も行きたかったが仕方が無い。

頼まれた荷物はラフ達に頼むとしよう。

「悪いがラフ達だけで行ってくれ。俺はこの辺りで待機しておくからさ」

「でも、ライさん……」

「いいんだ、仕方がないだろ。荷物も届けなければいけないしさ。頼んだよ」

「なるべく早く帰ってきますからね!」

「兄ちゃんまったね~!」


そう言いながらラフとアンリは村の中へと入っていく。俺はもう少し離れた場所で待機しておくとしよう。さて、ラフとアンリが帰ってくるまで暇になるな。何をしていようかなぁ。

久々の一人な気がする。最近はずっとラフやアンリが一緒にいたからな。

さて、今のうちにできることをしておくとしよう。



ライさんが村の外に残ってしまった。これは早く戻らないと。あんまりライさんを待たせたくない。

早く荷物を届けてライさんの所に戻りたい。そういえば、旅に出てからライさんの隣を離れるのは初めてかもしれない。アンリちゃんがいるから一人というわけではないのだけれども、なんとなく不安になってしまう。


「とりあえず届け物だったな。えーと、ああ。あの方か」

リザード族の方に場所を教えてもらった。どうやらこの村の村長さんのようだ。

なんかどの村に行っても村長さんと関わっている気がしている。まあそんなものなのかな?


この村は人間を恨んでいる、といったがこういう村は別に珍しくない。むしろこれが普通だ。

今まで行った村の方が少数だろう。少し前まで人間と争っていたそうだし、恨んでいる村の方が多い。

それにしてもライさんと一緒に村を回れないのは残念だなぁ。せっかくだし一緒に回りたかった。

ライさんに会ってからずっとライさんのことばかり考えている気がする。ライさんは私のことどう思っているのだろうか。


「ラフ姉ちゃん、どうしたの? ボーっとして。もう着いたよ」

おっと、そんなことを話している内に村長さんとやらの家に着いてしまった。

この疑問はとりあえず置いておく。そんなことより早く荷物を届けてライさんの所にいくとしよう。


家に入ると中には背中から美しい羽が生えた女性がいた。私のお母さんぐらいの年だろうか。

ぱっと見た感じでは人間だ。羽が生えているだけで他は違いがない。なんの種族なんだろう?

「あら? どなたかしら」

「僕はアンリだよ!」

「ラフといいます。頼まれて届け物を届けに来ました」

そういって、荷物をその方に渡す。

「私はクレアよ。ああ、あの人からね。ありがとう」

よし、頼まれたものも届けたし、ライさんの所に戻るとしよう。そう思って部屋を出ようとしたら

クレアさんに呼び止められた。


「ひょっとしてあなた龍かしら?」

なんで分かったのだろう。普通誰も龍が目の前にいるとは考えないから、爬虫類系か鳥類系の魔物と

勘違いするというのに。私が不思議に思っていると、顔に出てしまっていたのだろうか?

クレアさんが、

「そんなに驚かなくてもいいじゃない。ただ雰囲気が私の知り合いに似ていたからね。

 ひょっとしてエマの子供?」

「お母さんを知っているんですか!?」

お母さんの知り合いなのだろうか。こんなところでお母さんの知り合いに会うとは

思ってもいなかった。


「あら、まさか本当にエマさんの子供とは。エマさんは元気?」

「はい、元気です。お母さんとはどういう関係なんですか」

「そうねぇ、言うなら親友かしら。エマとは昔色々とやったからね。せっかくだしゆっくりしていきなさい。色々話を聞かせてほしいわ。食事も用意するわよ」

食事! この村の食べ物はどんなものがあるんだろうかな? ってそうじゃない。

私も色々な話を聞きたいがライさんを待たせている。


「すいません、折角なんですが村の外に人を待たせているので……」

「ひょっとして人間かしら? ごめんねぇ。この村には入れないからね。それにしても人間と旅をしているのね。さすがエマの子供さんね」

申し訳なさそうにクレアさんは言う。まあそれは仕方がないことだ。この村の食事やクレアさんの事は

凄い気になるが仕方がない。そんなことよりライさんの所に行かなければ。

このままだと引き留められることもなくこの村から出れそうだ。


そんなことを考えていた時、外で大きな爆発音がした。

いきなりなんだろうか?

ひょっとしてライさんだろうか。早く行かなければ……



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