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11話 町

今回はいつもより更に短いです。


また草原を歩き続ける。

一日ぐらいと言っていたが本当か?

いまだに見える気がしない。


「そんなことないですよ。ほら、あそこに」

そういってラフが指を指すが相変わらず何も見えない。


「でも楽しみですね。そんなに大きな町なんて!」

そういえばラフは結界の外に出るのはこの旅が初めてなのか。

とても楽しそうだ。



結局、この日のうちにはつかなかった。

しかしもう俺の目でも見える場所まで来た。明日の昼にはつくだろう。


それにしてもこの世界に来てから本当にのんびりとしかしていない。これでいいんだろうか。

まあ、しなければならない事があるわけでもないが……

記憶を戻すにしても方法が分からないとどうしようもない。


小屋にあった紙には基本的な記憶だけ戻しておくとかあった。

という事はあの紙を書いた奴が俺の記憶を持っているのだろうか。

またはこの世界に来る前にあった少女なんだろうか。


確かに期限は一年と言っていた。

あの場所に戻って少女と会うのも一年後ということだ。

今のところ手がかりはそれしかない。一番有力な手がかりが一年後なんだもんなぁ。


「ライさん? また何か悩んでますね」

おっと、ご飯を食べる手が止まっていたようだ。ラフにそう言われた。


「やっぱり記憶のことですか?」

「まあな……」

ラフにはこの世界に来るまでのことをすべて話してある。

少しでも手掛かりが手に入らないかと思ったのだ。


「私にはライさんの苦しみは分かりませんが……なんでも相談してください。一緒に旅をするんですし少しでも力になりたいです」

ラフも心配してくれているのかそう言ってくれる。


「ありがとう、ラフ」

そうだよな、気にしていても仕方が無いんだ。この世界を楽しむ。前にそう決めたじゃないか。


ーーーー


次の日の昼に町についた。城壁で覆われていて、周りでは様々な人達が街道を行き交いしている。


「お、兄ちゃん人間か。珍しいなこんな所にくるなんて」

「ほお、人間と魔物が一緒に旅をしているか。珍しいなぁ」


すれ違った大抵の人達からこのような事を言われた。

そもそも人間が来ることが珍しいうえ、魔物と一緒にいるので更に珍しいみたいだ。

町の中ではもっと注目されそうだな。先が思いやられる。


途中町から出てくる商人さんに町について色々と話を聞いた。

町は基本的には人間の町と変わらないらしい。ここにいるのは人型の魔物が多いせいらしい。


後は宿の場所とお金を稼げる場所についてだ。しばらくは村長さんから貰ったお金で

どうにかなるだろうがずっとそうしているわけにもいかない。

稼がなければならない。


商人さんによると、町にはギルドというものがあるらしい。いわゆる職業斡旋所だ。

そこにいけば誰にでも仕事を紹介してくれるらしい。

しかし人間の俺にも紹介してくれるだろうか。兎に角いってみるしかないかなぁ。


最後に商人さんにはこう言われた。

「ああ、まだ人間を恨んでいる奴らもたくさんいるから気をつけな。

 まあ、あんたは強そうだから気にしなくてもいいかもしれないがな」

そういって商人さんは豪快に笑った。俺としては笑い事じゃないんだけどなぁ。

町の中で後ろからいきなり刺されるとかたまったもんじゃない。



俺達は城壁の中に入る。入るときに検査とかはない。その辺は結構緩い。

町に入るとたくさんの建物、屋台のようなもの、魔物がいる。

「おお、賑わっているな」

いうならば日本の祭りのようなものだろうか。道が魔物で溢れている。

おお、いろんなものが売っているな。あそこで売っている鳥の丸焼きみたいなものとか

美味しそうだ。他にもなんだろうあれ……? 卵か? 

孵化する前のアヒルの卵が茹でたみたいな……おいしいのだろうか? 

っといかんいかん先に宿を取りにいかないとな。


「じゃあとりあえず宿を取りに行くか」

そうラフに言おうとした。しかしそこにラフはいなかった。


そうラフは俺が町を見ている間に攫われてしまっていたのだ!

というようなことはなく、いつの間にかラフは屋台を見てまわっていた。

「おいしいですね、あ! これも頂けますか!」


ラフ……はしゃぎすぎだろう……

そんなラフに声をかける。

「ラフ! 宿を取りに行くぞ」

「あ、はい! すいません今行きます」

ラフがこっちに小走りでやってくる。

左手には焼き鳥、右手には大量の肉まんみたいな物を抱えている。


「おいしいのでたくさん買っちゃいました」

「町を見るのは後でな、まず宿を取りに行こう」

先に町を見てもいいかもしれないがこの調子だとあっというまに

日が暮れてしまうだろう。


「そ、そうでしたね。すいませんはしゃぎすぎました」

そういいながら肉まんをおいしそうに頬張る。

たくさんあった肉まんがあっという間になくなっていく。お腹がすいていたのだろうか?

というかそのお金は村長さんから貰ったものだよな。


……まあ、ラフが幸せそうならいいか。


商人……人?


アヒルの卵の茹でた奴はバロットというそうです。

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