レイア暗殺計画・・・・?
sideレイア
交流祭から1ヶ月、学院にも冬休みが来た。
遂に本格的に冬になり、寒くなった環境を生き延びるために俺は様々な工夫を凝らした。
まったくの余談なのだが、俺の努力を是非とも聞いてほしい。
Pattern1
まず、魔力量の少なさから魔道具は却下、なので、会得してお披露目も済ませた【部分龍化】を使って暖をとる事にした。
「【部分龍化】!」
ーパァンッ
服が弾けた。
筋肉の膨張が一気に起こり、服が弾けたようだ。
あまりの寒さに俺は泣いた。
龍は本来冬眠する位寒さに弱い。元々寒さに弱い俺が龍を真似ても悪化する一方だった。
Pattern2
今度は【闘術】を使って体温を上げてみた。
「【闘術】、【活性化】!」
【活性化】は身体が固まらないように体内の熱を僅かに上昇させ、循環させるスキルだ。
これは案外快適だった。一応バシップスキルだから発動以外魔力を消費しなかった。
ただ・・・・
「あっつ⁉︎」
風呂で火傷し
「・・・・あぢぃ」
暑くて眠れなかった。
解いたら解いたで寒い、しかも解く前との格差から悪夢のような寒さだった。
Pattern3
いい加減アイデアが尽きた。
そんな俺がとった最後の手段は、これだ!!
ーコンコンコン
「エッジ、入れてくれ。エルフのお前なら暖房の魔道具くらいつけれるだろう!」
もう居候するしか無い。
「ちょっとレイア〜、あたし達の愛の巣に入ってこないでよ!
他を当たりなさい!」
何故かクラリスに追い出された。と言うか入れてすらもらえなかった。
Pattern4
仕方ないのでベルゼの部屋へ向かった。
ーコンコンコン
「ベルゼ、冬の間だけで良い、暖をとらせてくれ」
「・・・・・」
「ベルゼ?居ないのか⁉︎」
マナー違反だが、客を確認する為の覗き窓から中を覗いてみた。
「・・・うへ、うへへへへへ」
「・・・・・・」
ベルゼは金貨を数えながらニヤニヤしていた。
俺はそっと目を背け、部屋の前から立ち去った。
Pattern5〜9
「・・・・・仕方ない。こうなったらアリシア達を訪ねる他ない!」
俺は女子寮に乗り込み、みんなの部屋を訪ねた。
だが、世界は俺に厳しかった
「嫌よ」
「すみません、お兄様」
「悪いなレイア、他を当たってくれ」
「すみませんレイアくん、流石にそれはちょっと・・・・」
「・・・・・断る」
全員沈没であった。
Pattern10
「・・・・・仕方ない、実家に帰るか。流石に実家なら大丈夫だろう」
俺はあえて馬車を使わずに走って帰った。
学院から家までは遠いが行けないほどではない。俺は運動して体を暖めつつ走り続けた。
辿り着いた屋敷の門には張り紙があった
[現在当主及び全使用人不在の為、御用の方はまた後日いらして下さい]
世界は俺に厳しかった。
俺は寮の我が家にて風呂に浸かりつつ考え、気がついた。
「・・・・え、俺、ひょっとして避けられてる?」
この歳になってまさかの知り合い全員によるイジメだった。
「・・・・マジでか。俺、なんかやったっけ?自慢じゃないけど真面目に生きてきたつもりだよ?
もしかしてこの間の雷魔の件での誤解解けてなかった?解けないまま広がっちゃった?
よくよく考えたらアリシアと宿でやらかしかけ、ソフィに目撃される。
アヴァールを裏路地に連れてって拘束とか犯罪じゃん!
クラリスにも交流祭で酷いこと言ったし、ベルゼは・・・あれは違うか。
エンヴィはケルベロス戦で迷惑かけたし、父さん達にもアイナの件で迷惑かけてるし」
こうして思い出してると結構心当たりあるぞ俺!
「・・・・・寝よう。そして明日から外に出よう。ナイトは・・・冬眠してたな」
仕方ない。明日からは王都でも徘徊するか。
暖房効いた店に居座ろう。あわよくば働いて暖をとらせてもらおう。
さあ、朝だ。今日も寒いなちくしょう!
俺は私服に着替え、違和感がない程度に厚着し、外へ出る。
今日は昨日ほど寒くなく、震えながら外出する事にはならなさそうだ。
それでも寒いけど。
俺は商店通りを歩き、久々に露店を見る。
前までは市場調査も兼ねて見ていたが、継承権がなくなった今でも習慣になっている、と言うか素直に楽しい。
武器屋や防具屋にも顔を見せていく。冒険者になったらナイフとか必要になりそうだからな。暫くは、と言うか多分一生聖剣で戦う事になりそうだが。
商店通りを歩いているとふと、あるものが目に入った。
「あれは・・・・アリシアとアヴァールにソフィか、何やってるんだ?」
話しかけようとして昨日風呂で考えた事を思い出し、諦める。
「・・・・なんか気分悪くなってきた。今日は帰ろうかなぁ」
出歩いて10分も経たないうちに帰ろうとする俺。そんな俺の耳に更なる追い打ちが!!
「いいですね?ぜっったいにお兄様には気づかれないようにして下さいね」
「ええ、勿論よ。レイアが目に止まったら速攻で逃げるわ!」
「ん・・・・・魔法、で、イチコロ」
「・・・・・・」
え、何?俺、ひょっとして避けられてるんじゃなくて嫌われてる?魔法でイチコロ?じゃああの手に抱えた大きめの袋は、何かの機材?
ひょっとしてエルスとエンヴィも加わってるんじゃないのか?まさかクラリスまで加わってないよな?
自慢じゃないけどエンヴィと夜戦った場合、あるいは日常の中でクラリスに狙われたら勝てる気しないぞ⁉︎
エンヴィなんて昼でもかなり強いのに夜だとそれ+30%だからね⁉︎クラリスなんてその気になったら俺の行くとこ行くとこ罠仕掛けるよ?そしたら俺多分死ぬよ?死んじゃうよ?
「・・・・・追いかけて様子を見よう。流石に話しかける勇気はない。
しかしアリシアにもソフィにも嫌われていたとは・・・全然気がつかなかった」
取り敢えず尾行を続けよう。
俺は物陰に隠れつつアリシア達を追いかける。
だが、嫌な予想しかできない俺には最早ストレス源でしかない。
(あそこは、確か罠用の道具屋⁉︎ヤバイ、きっとあの糸で首絞められたりするんだ!)
(あそこは、確か魔法陣売ってる店。確か野営用の物から攻撃術まで扱ってるチョット危ないお店!アヴァールに使われたら一瞬で灰になっちまう!)
(あそこは、確か装飾屋?今度は普通の買い物か?ってアレは、技術国で見かけた銃⁉︎接近戦の出来ないメンバーは遠距離攻撃する気か⁉︎)
「・・・・念の為荷物を纏めておこう。それから常に武装して、足元と背後には気をつけるようにしないとな」
これでも何回か暗殺されかけたことがある身だ。当時の経験を生かしていけば、多少寿命も延びるだろう。
ブツブツと喋っているとアヴァールがこちらを見た。
「ーっ⁉︎気づかれた・・・!今接触したら殺られる!急いで逃げないと・・・!!」
俺は【闘術】を使いながら裏路地へ入り込み、そのまま学生寮に戻った。
sideアヴァール
「・・・・帰った、か」
「どうかしたんですか?」
「ん・・・・レイア、が、いた」
私は前々から予定していた買い物にアリシアとソフィと一緒に来ていた。
何やら視線を感じて魔力を探ってみるとレイアだったので思わず振り返ってしまったのだが、どうやらレイアは帰ったようだ。
「大丈夫ですか?気づかれて、ませんよね?」
「気づかれたら台無しよ⁉︎折角今まで隠し通せてたのに、流石に長い間レイアと距離を置きすぎてバレた・・・?」
「ん・・・遠く、から、見て、た、から、多分、平気」
「そうですよ。鈍いお兄様の事です。学院があるならまだしも、関わりの浅い休みにやってるのにバレるはずがありません。
この計画、なんとしても成功させますよ・・・・!!」
そう、普段は口にしないだけで恋敵な私たちだけど、今回は別だ。
何故なら・・・・
「12月25日は・・・・」
計画の内容は・・・・
「お兄様のお誕生日なんですから」
(レイアの誕生日なんだから)
クリスマスだと思いましたか?
否!!異世界にクリスマスは必要ありません!
神様がいてもキリストは居ないのです!!




