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黒銀の魔眼剣士  作者: 神名一葉
第2章:学院三年生
78/124

闘技大会の2回戦のアッサリ風味

遅れました

sideレイア


「・・・すまない、みんな」


「いや、気にするなって。全員通れる方が奇跡なんだ。こっちが当たり前だ」


「ん・・・だいじょうぶ。敵、は、とるか、ら」


戻ってきたエンヴィは今まで勢いに乗ってた分、相当落ち込んでいた。

まあ、エンヴィ以外の王国選手、つまり俺たちは1回戦通過してるからな。

俺だったら2日くらい引きこもる自信がある。


「そうだぞエンヴィ、お前はアリシア達と応援してくれ。仇は俺たちが絶対に取るから!」


「レイア、アヴァール・・・・ありがとう」


よし!その為にもまず、2回戦を突破しないとな!

2回戦はシード枠のイリウス・ノウンだ‼︎


「そう言えばエンヴィ、お前・・・・・結構メンタル弱いよな」


「言うな‼︎」












「はぁ・・・・なんで俺らが先じゃないんだよ」


「知らないわよ。運営に聞いて頂戴」


「運営とかどうせイリス様が乗っ取ってるだろ」


「・・・・あり得るわね」


意気込んでいた俺だが、まずはアヴァール対帝国代表デジルス・カユエルとの戦いのようだ。

意気込んでた分、モチベーション削がれた感じだ。


「はぁ・・・なんで技術国は参加しないんだよ。技術国が居ればこんなことにならなかったのに・・・」


「レイア、技術国は道具を使って物量押しだからな、しばらく出ることはないだろう」


「知ってるよ!」


技術国は戦乱の時代、技術力故にどの国からも大切に扱われた国だ。

言っちゃなんだがエンヴィが言ったように物量押しで道具任せな国だ。

戦乱の時代も間接的被害ならともかく、直接的被害なら技術国は一番少ない。被害を出す方も、出された方もだ。


「まあいい、切り替えよう。まずはアヴァールの応援をしないとな」


「ええ、勝ってくれると良いのですけど・・・」


ソフィはアヴァールとはそこそこ親しいからな、いつもより応援を張り切っている。










sideアヴァール


だいぶ悲惨な過去と一緒に思い出した自分の力。

成長した今だからこそこの力の効率的な使い方がわかる。


私は、ベルゼが言ってたカーススキルの仕組みを思い出し、強化していた。

つまりレイアに甘えながら自分の【強欲】を満たし、こっそりランクダウンした【水魔法】の訓練をしていた。


その結果・・・・





名前:アヴァール・アワリティ

種族:エルフ

年齢:15

性別:女

称号:災厄

レベル:27

HP:1120/1120

魔力:1790/1790

攻撃:127

魔攻:765

防御:108

魔防:371

俊敏:92


スキル:【分析】【樹木魔法LV3】【水魔法LV4】【隠蔽】【偽装】


固有スキル:【魔導砲】


カーススキル:【強欲】


加護:





やっぱり【水魔法】は前までレベル高かったから、昔使った中級魔法使ってたら簡単に伸びるわね。


「ん・・・・そろ、そろ、武器、スキルに、も、手、出そう、かし、ら?」


まあ、今は関係ないわね。


『大変長らくお待たせいたしました‼︎これより闘技大会2回戦1組目を開始します‼︎

方や1回戦で強力な魔法を披露してくださった王国の『魔導師』、王国代表のアヴァール・アワリティ選手です‼︎」


『魔導師』なんて、大層なもの貰えるほど、強くないわ。

一般的に魔法職は魔法士とかって呼ばれるけど、実際はちょっとした意識的階級がある。

並べるとこうだ


魔導師≧魔法士>魔法使い>魔法使い見習い


【強欲】を使う前なら私は魔法士に位置していたけど、個人的には魔導師なんて言われるほどじゃない。

レイアに聞いた。『ぼく』はレイアの【魔眼王】を詠唱も魔法名も無しに無効化したと。

そのレベルになって魔導師だと、私は思っている。私は未だにレイアの魔眼を無効化できずにいる。つまりまだ未熟ということ。


『さあ、方や1回戦で驚異の反応速度を見せた帝国の『俊足』!

あらゆる魔法、剣を避け、圧倒的スピードで駆けるその様は獣人という事もありまるでフェンリルのよう‼︎

帝国代表のデジルス・カユエル選手‼︎』


出てきたのは白い狼の獣人、白狼族と言う一族の獣人。

白狼族の獣人は【水魔法】と【風魔法】、【火魔法】持ちの多い一族。魔法関係に強く、獣人らしく身体能力も高い万能種。

獣人族には気高い一族がいるけど、この白狼族は特に高い一族の1つだ。


「・・・・手強い」


「はっ!戦う前から弱気か?アァ゛⁉︎」


・・・・気高い万能種の筈なのに、なんて残念な。

・・・・ちょっとからかってみようかな


「・・・・貴方、との、戦い、は、重視、してい、ない。

さっさと、終わら、せ、て、あげる、から、お家、で、おねん、ね、して、なさい」


「てっめぇ・・・‼︎調子乗ってんなよゴラァ‼︎」


『おぉっと⁉︎両選手、戦う前から別の戦いが始まっております‼︎

これは面白い戦いになるのではないのでしょうか⁉︎

それでは皆様お待たせいたしました、試合開始です‼︎』


さっきの挑発は冗談じゃない。本当に、一瞬で終わらせる。

早くエンヴィの仇をとって、レイアを倒したいもの。

だからズルいけど、いいよね皆


「【強欲の魔手】」


「あぁ?・・・・」


【強欲の魔手】、自分より弱い敵の意識をある程度操作できるスキル。なんで魔手なんて名前なのかは知らない。

ついでに弱いの基準とかわからないし、相手が相当抵抗すると無効化されたり弱くなってしまう。


「【命令、よ。降参、しなさい】」


「・・・・・・・・・・・・・降参だ」


結構時間かかった。相当精神力あったみたい。


『え、えぇっと、デジルス・カユエル選手‼︎まさかの降参です‼︎

どういうことでしょう、いったい何が起こったのでしょうか⁉︎』


・・・・これって、説明要求されてる?


「えぇっと、私、の、固有スキル。幻影、を、見せる。それ、で、操って、降参、させた。

操れる、のは、言動、だけ。抑揚、も、ないわ。」


理論上は可能。【深淵魔法】にの応用でできると思う。


『な、なんと!今この場で、とんでもない技術が発表されてしまったのではないのでしょうか⁉︎

しかもこれは、『禁呪』指定されるレベルなのではないのでしょうか⁉︎』


『禁呪』とは、威力過多又は非人道的な魔法につけられるもので、理論も術式も属性も秘匿されている。

発表されているのは魔法名のみと言うレベルの国家機密レベルの魔法。


「(それの認定を受けるのはまずいわ。)

・・・この、魔法は、そんな、大層な、もの、じゃ、ない。この、魔法、では、精々、足止め、しか、でき、ない、わ。

感情的、になった、ら、術、に、かかる、けれど、気を、つけて、れば、平気」


これは【強欲《アワリティア》】でも魔法でも同じこと。


『は、はぁ・・・・・あ、で、では!これで闘技大会2回戦1組目を終了します‼︎

2組目が始まるまで少々お待ちください‼︎』


・・・・厄介事の種を作っただけな気がする。







sideレイア


俺は控え室でアヴァールと二人で話をしていた。


「アヴァール、またとんでも無い魔法を作ったな」


「ん、ちが、う。あれ、は、【強欲】、の、基礎スキル。カース、スキル、持ち、は、簡単、に、防げる。

しかも、格下、しか、通用、しない。

だ、から、皆、には、通用、しない。特に、ベルゼ、には」


「あぁ、あいつ魔力とかの実体のないものまで食うからな」


あれは反則的だ、魔法士相手ならほぼ確実に勝てるやつだ。


「ん、ちが、う。カース、スキル、には、【精神耐性】が、ある。

同、程度、なら、まだ、いい、けど、格上、なら、確実、に通じ、ない。

格下、なら、行動、も、操、れる」


「なんか余計に恐ろしくなってきたぞおい」


それって耐性の無い俺が受けたら終わりじゃん。


「ん、まあ、ね。それ、よ、り、レイア、は、どうする、の?次、魔法士、相手」


まあ、普通に考えたら威力重視の両手剣士が遠距離型の魔法士相手に正式な戦いで勝てる確率は高くないよな。

だが!俺はちゃんと学習したんだ。あのソフィの誕生日の為に奮闘したあの時に学んだんだ‼︎


「任せとけ!俺の訓練の集大成を見せてやる!」


「???なん、で、テン、ション、上がっ、た?」


「はっはっははは‼︎いいから任せとけって!」


よっしゃ頑張るぞぉぉぉぉ‼︎‼︎


「・・・・・不安」








『さあドンドン参りましょう‼︎

2回戦第2試合は王国の若き剣!『名誉騎士』レイア・ドライア・ナイトヴァンス選手‼︎

たいするこちらは、毎年ダークホースとして期待され、成果を出している本試合のシード枠!

『神に愛されし巫女』!神聖国代表イリウス・ノウン選手です‼︎』


反対側から出てきたイリウスと言うのは、真っ赤な髪に翠の目をした長身のエルフの女だった。


「マジか・・・・あれか?俺が戦う相手で魔法士ってのは女じゃないといけない呪いでもかかってんのか?」


「はじめまして、若き『名誉騎士』レイアさん。ご紹介預かりましたイリウス・ノウンです。

今試合はどうぞよろしくお願いしますね」


「あ、あぁ、よろしく、イリウス」


態度が全然これから戦うとは思えないほんわかしたもので、つい毒気が抜けてしまう。


「ふふふっ、貴方からは、とても強い主の加護を感じますね。僅かにですが、呪縛の方も・・・・」


「ーっ⁉︎」


【悲報】

俺の国家レベルの機密が初対面の、一番ばれたらヤバイ国にばれた件について。


いや真面目な話、加護はともかく呪縛の方がばれたら普通以上に『聖女』に近づけない気がする。

俺だったら呪われてる奴なんかアリシアには近づけないし。


「ふふふっ、安心してください。主は寛大な方々です。

たった1つ不順があるからといって、我が国は貴方を神敵になどしませんよ。

貴方の場合、祝福のが濃いみたいですからね」


「・・・・取り敢えず国家機密が一瞬でばれた訳だが、今は最悪の最悪でない事に感謝だな」


「おや、前向きなお方ですね。それと、そろそろ試合が始まりますよ」


イリウスがそう言った次の瞬間、放送がなった。


『それでは闘技大会第2試合第2試合、開始です‼︎』


開始といった次の瞬間、俺は飛び出した。

その一瞬後、俺のいた場所に地面から光の触手が伸び、絡め取ったかのような動きをする。


「(遅延型の単一効果をもたらす魔法か。効果は出現し、その場所にいる人物を絡め取ること。つまり障害物にあたってしまえば消えるだろう)」


俺はささっと剣で斬りはらい、考える。問題は、向こうの魔力量だろう。

さっき【鑑定眼】でみた結果、魔力量が凄かった。アヴァールに匹敵しかねない程だ。ついでに加護も凄かった。

つまり持久戦は望めない。


「まあ、いつも通りってことね」


いつもものこと。

対魔法士戦のセオリーの1つである持久戦は俺の周りにいるやつには通じないからな。魔力回復したり、奪ったり、前衛も兼任してたり。

俺の周りは無茶苦茶すぎる


「うっし、いくぜイリウス!」


「どうぞ、いらして下さいな」


俺は真正面から特攻し、魔法を発動する。


「必殺の〜、【フラッシュ】!」


「〜っきゃっ⁉︎」


必殺の目くらまし。


魔法士は罠を周囲に仕掛けるタイプも多いので俺は大きく飛上がり、後ろから斬りかかる。


「貰ったぁ‼︎」


「あ、甘いです!『トラップマジック』!」


発動したトラップは彼女の周囲を凍らせ、結界のようなものを作った。


「全方位型か、厄介な」


「ふふふ、まだ若いとはいえ、『名誉騎士』様にそう言われるともっとやる気になっちゃいます。『ライトウィップ』」


再び地面から光の触手が伸びてくる。

さっきは回避してて時間を与えてしまった。

今回はそうはいかない!


「いっくぜ魔法士殺しの切り札!【斬光波】!」


俺が剣を振り上げると同時にイリウスが触手を操作する。


「『絡めなさい』!」


触手が伸びて、俺に触ろうとするが・・・


「超・無駄‼︎」


「ーなっ⁉︎」


触手は俺に触れた瞬間に崩れていく。

イリウスはその光景に驚き、大きな隙を作り出した。


「はい俺の勝ちぃぃ‼︎‼︎」


「ーっ!し、しまっt」


ーバゴンッ‼︎


俺はグロいことにならない程度の力でイリウスの後頭部を地面に叩きつける。


『・・・・えー、どうやらイリウス選手、意識がないようですので、これで試合終了‼︎

勝者は魔法を無効化し、容赦なくイリウス選手の頭を叩きつけたレイア選手だぁぁぁ‼︎』


言い方‼︎言い方どうにかしろって‼︎俺が外道みたいじゃないか‼︎

・・・・やった事はまさしく外道だけど、戦闘不能にして結界から出すよりましだろ‼︎


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