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黒銀の魔眼剣士  作者: 神名一葉
第2章:学院三年生
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私の思い

sideマリー


クローク伯爵が護衛に戦いを命じた後、伯爵は早歩きで逃げてしまいました。

途中でそれに気づいた私は伯爵を追いかけます。

伯爵には言わなくてはならない事があるのです。


「待ってください、クローク伯爵‼︎」


「ちっ、また貴様か。何度言おうと私の答えは変わらん!私は罪など認めはせんぞ‼︎」


私は、そんな事が言いたいのでは無いのです。


「認めなくても良いのです!私はただ、反省して欲しいのです!」


「反省だと⁉︎」


「そうです!貴方が何故、私の事を欲っし、子供たちを売ろうとしたのかは知りません。

確かにそのような事をするのなら、貴方にとって利益があるのでしょう。

ですが‼︎貴方が困っていたとしても、悪事を働き、それで利益を得ようとするのはいけません‼︎

利益が必要ならば、貴方は貴族なのですから働けば良いのです!

世の中には、働きたくても働け無い人だって居るんです。貴方はまだ、恵まれているんですよ⁉︎」


私は、自分の思いを伯爵に伝えます。

罪を受け入れ、罰を受ける必要などありません。

罪を反省し、自分に出来る償いをすれば、それで良いのです。


「ええい!貴様の様な職種の者には分かるまい‼︎

例えどの様な職に着き、どの様な利益を得ても、助けられ無いものがあるのだと‼︎

その方法が、悪に進んだのだとしても、しなければなら無いのだと言う事が‼︎

貴様の様な神に許しを乞い、只々祈るばかりの者には、分からんのだ‼︎」


確かにそういう事もあります。

ですが・・・・


「それは、貴方の奥様の事を言ってるんですか?」


「ーっ⁉︎」


クローク伯爵には奥様がいらっしゃる。

そして、あまり知られてい無い事ですが、その奥様は不治の病いに犯されているのです。

恐らくはその薬を買う為に、この様な事をしたのでしょう。


「貴方が何を対価にしたのかは知りません。

ですが、貴方は自分の奥様を治すために他人を犠牲にしようとしています。

そんな事をして、奥様は喜ばれるのですか⁉︎

他人の命と引き換えに手に入れた命を、奥様は喜ぶと、本気で思っているんですか⁉︎」


「うっ・・・・だが、だが、それでも、私は、彼女を助けたかったのだ‼︎

例えそれが、人として触てはいけ無いものであっても、助けたかったのだ‼︎

私は、私は、あんなに苦しむ妻を見たくなど無いのだ。

なんとしても、なんとしても、治したい。また、私の側で笑っていて欲しいのだ‼︎

神の為と言って異性との交際を禁じられている貴様には分かるまい‼︎

この、失う事の恐怖が‼︎大切な人の苦しむ顔を見る苦しみが‼︎」


確かに、私達シスターや神父は異性との交際を禁じられています。

そして結婚の際にその職をクビにされ、新たな職を斡旋してもらう事が可能です。

私には夫が居ないので、正確にはその苦しみは分からないでしょう。

ですが・・・‼︎


「私だって、大切な人を失う辛さ位、分かっています‼︎

私は、孤児でした。私が育った教会の神父様がお父さんでした。

ある年、その神父様が病いに犯され、苦しみながら死んでいきました。

何人ものシスターや神父、過去に神父様に育てられた人達全員が、回復魔法をかけました。

ですが、神父様は寧ろ苦しむ一方。

神父様は、最後、に、笑いながら、死んでいきました。

私達を、悲しませない様に!苦しくて!痛いのに!それを我慢して、笑って逝ったんです‼︎

そんな痛々しい姿を見て、私が苦しまないと思いますか⁉︎

苦しみましたよ‼︎そして、そんな人を出さない為にシスターになったんです‼︎

神父様の思いを汚さない為に‼︎

なのに貴方は、貴方の大切な人の思いを踏みにじるのですか⁉︎

どうなんですかクローク伯爵‼︎⁉︎」


私は、泣きながら、半分近く意味をなしていない支離滅裂な事を伯爵に叫びました。

いくら支離滅裂だと言っても、私の思いに変わりはありません。


「私は、私は・・・・・・・」


クローク伯爵の出した答えは・・・


「・・・・・・・・私は、彼女の、妻の思いを尊重し、短くとも幸せなひと時を、過ごすとするよ」


「ーっ!じゃ、じゃあ」


「あぁ、今は無理だが、せめて妻が死んだ後に、今まで会えなかった分の時間も全てを費やしたあとになら、

私は、私の罪を受け入れ、裁かれるとも。

逃げたりなどしないし、私が悪い事も分かっている。

だがせめて、妻と過ごさせてくれ・・・・・頼む」


それは、私の決めていい事じゃありませんけど、


「大丈夫です。主は、全てを受け入れる方です。

それに、例え主が許さなくとも、私や、アリシア王女様や、レイア様が、掛け合って下さるでしょう。

彼らもまた、優しい方々ですから」


大丈夫、きっと、皆分かってくれます。









sideレイア


俺たちはマリーさんと伯爵の二人から隠れて話しを聞いていた。


「・・・・伯爵も、根っからの悪人って訳じゃなかったんだな」


「人に、根っからの悪人なんて居ないわ。生きる過程で受けた教育、環境、考えが影響していくのよ」


「そうですね。アリシア様の仰る事にも一理あります。

私が過去に捉えた者達も皆そうでしたからね」


みんな同意見のようだ。

じゃあ、伯爵の思いは通せそうだな。


「よし、じゃあ早い事出て行って、伯爵とマリーさんを安心させなきゃな」


そう言って俺たちが建物から出た時だった、あいつが現れたのは










「・・・・くだらん。とんだ茶番だな。」


「「「「「ーっ⁉︎」」」」」


その場にいた全員が、その方向を向いた。

そこに居たのは、黒く、禍々しい魔力を放ち、見るもの全てを跪かせる圧力を放つ霧。

伝説の通りなら、間違いない。

奴こそが俺の旅の目標にして、戦女神様の宿敵、


「・・・・『雷魔』」


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