尋問室再び‼︎
sideレイア
現在懐かしの尋問室にいる。
もっと言うなら久々にアティさんも一緒だ。
「さて、レイアの頼みですからね。何が何でも情報を吐いてもらいますよ。
伯爵の所業に関しても、決して許容できることではありませんからね」
久々に会ったアティさんは相変わらず正義感あふれる真面目さんだった。
1年ぶりに会ったが、髪を切ったくらいしか変化がない。
昔はポニーテールだったが、今は肩下までただ伸ばしてあるだけだ。
「アティさん、こいつは恐らく末端でしょう。
こいつらの拠点が聞ければ万歳、契約書なりなんなり出てくれば万々歳と言う事でいきましょう」
「わかりました。それ以外も一応聞きますよ」
そう言ってアティさんは気絶したおっさんを叩き起こした
「うっ、ぅおおお⁉︎」
物凄い声だ。不謹慎だが、笑ってしまった。
そして思った。え?もしかして俺も年取ったらこんなのになるの?と
・・・・聞くべき事が増えたな
「起きましたか?」
「・・・こ、こは・・・・?」
「王城の尋問室です。あなたには、聞かなければならない事が山程あります。
長々と話してられないので勝手に座らせてもらってますがね」
普段と違う声色で話すアティさんは、なかなか威圧感がある。
俺だったら逃げちゃうね、怖くて。
などと考えてる間にも話は進んでいく。
「つまり、私は貴方が全て吐いてくだされば、多少は陛下に進言しようと言ってるんです。
貴方が逆らえないのは仕方ない事、それらも考慮すれば、国家反逆罪にしては破格の刑罰ですみますよ」
ちなみに国家反逆罪の刑罰は酷ければ死罪、良ければ懲役15年(人間は)だ。
これでも他国よりは優しい刑だ。
他の国だよ問答無用で死罪だったり、その家族親戚全て死刑だったりする。
当然、この男は頷くしかないわけだ。
そうなるように、アティさんが彼に罪はない、仕方ないと、言外に言ったんだから。
「ーっ⁉︎わ、わかった!なんでも話す。話すから、陛下にはどうか、どうか・・・・‼︎」
・・・・思ったより凄い懇願ぶりだ。
「ではまず、この件に関する指令書のようなものはありますか?」
「いいや、今回の誘拐は伯爵直々にいらっしゃった。そんなものは無い」
まあ、あの少人数じゃな
「では次に、今後の計画は聞かされていますか?」
「いいや、ただ銀髪の女を連れ去って来い、目撃者は消し、一緒にいる奴は攫えとしか・・・」
それでアリシアも狙ったわけだ。
俺の場合は一応目撃者という事にし、消そうとしたわけだ。
その後もアティさんの質問は続いたが、こうなった時のためなのか、殆ど情報を持ってなかった。
一応、伯爵が教会を焼き払ったという事の証言は得られたため、騎士団を動かせるが
「「情報が足りない(ませんね)・・・・」」
もう少し、何か欲しい。
そのあとの1人も同じ方法で尋問したが、結果は1人目と同じだった。
「アティさん、彼らの証言をもとに騎士団を、数人でも構わないので動かせませんか?」
「・・・・私と、あと四人ほどなら動かせます。
それ以上は伯爵に勘付かれてしまうかもしれません。
伯爵の目を気にしなくて良いのなら、10人ほど動かせます」
「そうですか。それじゃあ・・・・」
俺はアティさんに作戦を説明した。
「・・・・可能ですが、リスクが大きいですね。特に孤児の子達とシスターが。
移動の際は帰りに騎士団の馬車を出します。追っ手も一旦伯爵のもとへ戻るはずです。
そうすれば、帰りに公爵家の馬車が襲われることも無いでしょう」
「なるほど、じゃあ一応馬車をお願いします。詳しい日時はまた後日」
「わかりました。後は任せてください、レイア」
俺は尋問室から出て行き、城を出ようと歩いていると・・・・
「あ、アリシア」
「あらレイア、尋問はもう終わったの?」
アリシアとすれ違った。
「ああ、新しい情報は無しだ。
精々伯爵が放火したって証言が得られた程度だ」
「まあ、いざという時の保険ができたわけね」
「ああ、お陰でアティさんと数人の騎士が動いてくれることになった。
作戦決行時は建物の外側を囲んでもらうつもりだ」
「騎士団という保険も追加で増えたのね。事が解決したらもう少し動員できるんでしょ?」
「ああ、十数人は動かせるそうだ。
伯爵家から書類を探すのを頼むつもりだ」
「妥当ね」
俺の方はこんなもの、か?
うん、こんなもんだ。多分
「私の方は作戦につかえそうな建物を見繕っておいたわ」
見せられたのは焼かれた教会の跡地だった。
「おいおいおい⁉︎流石にここはダメだろ⁉︎
子供達がパニックになったらどうする⁉︎」
「あ、ごめん、それじゃないわ。こっちよこっち」
次に見せられたのは持ち主が死に、崩す途中という二階建ての建物だった。
適度に人が居ず、伯爵家の領地の中にあり、馬車一つ隠せそうな倉庫がある。
「中々いい所を見つけたなここなら馬車も止められるし、一見隠れてるように見える。
いかにも子供の密会場所って感じだ。あっちも油断するだろうな」
「・・・・で、でしょ?」
「・・・・なんで目をそらす?」
「・・・・・」
「・・・・もしかして、本気で隠れるのに適してるとおもったのか?」
「こ、子供っぽくて悪かったわね‼︎」
アリシアはそれだけ言うと走って逃げていった。
「・・・ああ言う所だけ、姉に似てきたな」
血筋ってやつか?




