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黒銀の魔眼剣士  作者: 神名一葉
第1章:学院2年生
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武道大会予選

sideレイア


ゴブリンナイトを倒した次の日、武道大会参加者と非参加者に別れて訓練を行っていた。

勿論一般科目は同じだ。剣術等の実技が別れているだけだ


俺は今、実力を測るためにと、教官相手に両手剣を降っていた。勿論木剣だ。


「【縮地突き】!」


「【ステップ】」


流石教官、いくら攻めてもあっという間に間を取られる。

教官たちは勝つ必要は無いから基本的に回避に徹している。


【縮地突き】は一瞬で敵の懐に入り込み、突きを入れるスキルだ。

俺は【縮地突き】の後から連続してスキルを発動する。勿論固有スキルなんて使わない


「【ハイ・ジャンプ】」


【ハイ・ジャンプ】で高く飛び上がり、教官の上を取る


「(もらった!!)」


一撃入れようとしたその時、教官が腰のレイピアを抜いた。勿論木製。

そのレイピアを力任せに頭上、つまり俺の方へ振りかぶる。完全に攻めるつもりだった俺はそのままレイピアの攻撃をモロに受けた。


「レイア、最後のは中々良かったぞ。ただ、攻めに出すぎで守りが上手く出来ていない。そこを直せ」


「・・・・はい」


「だが俺に剣を抜かせたのは良かったぞ。これからも精進しろ」


「ーっ!!はい!!」


これが実技の基本内容の1つだ。他は生徒同士の模擬戦やなんかがある。

今回の授業は先生との模擬戦をし、見ていたいものは見学、空いてる生徒は生徒同士の模擬戦だ。

教官との模擬戦も良いが、本命はエッジとの模擬戦の方だ。


「エッジ、本当に良いのか?」


「ああ、俺はお前の秘密を知ってる訳だしな。

特に秘密があるわけじゃない俺のステータスを見られたところで困りゃしねぇよ。

ま、その分大会では手加減しねぇけどな」


今回の授業の本命は【鑑定眼】の性能についてだ。

【鑑定眼】でエッジのステータスを調べるだけだが、どれだけの情報が出るのかのテストだ。


「いくぞ・・・・【鑑定眼】」





名前:エッジ・スチール

種族:エルフ族

年齢:14歳

性別:男

称号:国立クラウン魔法学院生

レベル:19

HP:210/210

魔力:823/1150

攻撃:215

魔攻:340

防御:115

魔防:240

俊敏:320


スキル:【風魔法LV5】【土魔法LV3】【弓術LV3】【短剣術LV1】【分析】【念話】


固有スキルーーー


加護:弓神の加護





特に変わりは無いな。俺のステータスとたいして変わらない。

強いて言えばカーススキルが無いこと位か。これはもう両親のステータスを教えて貰って確認をとってあるが。


「見えたぞ。ステータスだけみたいだ」


「え、マジで見れたのか!?・・・・だけどちょっとあれだな・・・」


「やっぱりか・・・・?」


俺は昔から少し不安だった。この【魔眼王】と加護は異常だ。加護に至っては最早加護ですらない物もあった。

だから、周りから拒絶されるのが怖い。


「エッジ・・・・」


「スリーサイズとか分かんねぇのかチクショウ‼︎」


「・・・・・・・・」


・・・・不安がってた自分が馬鹿みたいだ。

そもそも俺はこいつが細かい事を気にしない豪胆な奴だから友達になったのに、なんで心配したんだろうか?


軽く現実逃避していたらあるものが見え、俺は自分の顔が恐怖で歪むのを感じた。


「エッジ、俺、お前の後ろに修羅が見える」


「は?一体何言って・・・・ひっ!?」


「エッジ?スリーサイズってどういう事かしら?」


エッジの後ろにいた修羅、クラリスはとってもとっても良い笑顔でエッジの肩に手を置いた。

手を置いてる様にしか見えないのにエッジの肩から破壊音が聞こえる。


「ク、クラリス、これには深い訳があってだな・・・」


「へぇ〜、どういう訳があるから女の子のスリーサイズを知りたがる訳?」


ーメキメキメキメキ‼︎!


流石獣人、腕力が尋常じゃない。

現に開きっぱなしのエッジのHPが凄い勢いで減っている。

あ、120切った


「アババババババ」


「クラリス、その辺にしておいてやれ。エッジは俺の魔眼の性能テストに付き合ってくれたんだ」


「え?そうなの?って言うか新しいのが増えたの⁉︎」


クラリスも【魔眼王】の事は知っているが、【鑑定眼】はまだだ。


そもそも俺が懸念していたのはクラリスがお喋りだと言う以外にさっきエッジが言ってたスリーサイズも関係している。

・・・・俺は嘘が下手だからな。性能聞かれたらうっかりスリーサイズの事まで言いかねない。


「でもそれってエッジがスリーサイズ云々言ってたのと関係ないよね?」


「・・・・・・・・」


否定出来なかった


「・・まぁ良いわ。レイア、武道大会の予選、あたしとエッジとチーム組まない?」


人数が多い武道大会には予選がある。

内容は3人1組のチームでサバイバルをすることだ。そこでどれだけ魔物を狩れるかで本戦に行けるかが決まる。

危険度の高い魔物は冒険者や先生が狩りつくしたから命の危険は少ない。


「わかった。俺も気のおける人と組みたいからな。予選ではよろしく頼む」


「ええ、決まりね‼︎」


これで武道大会に向けた不安要素は大体消えた。


「じゃ、あたしはエッジと『お話し』してくるわ」


訂正、俺にとっての不安要素だった。

エッジ、強く生きろよ。





部屋にいると、玄関からノック音と声が聞こえた。


「お兄様、いらっしゃいますか?」


「ああ、居るよ」


大会予選前日、今日は学院は休みだから寮の部屋で剣の手入れと鎧の手入れをしていたんだが、

突然ソフィが部屋に来た。それはわかるんだけど・・・・


「ア、アリシア!?」


何故かアリシアまで来ていた


「私はソフィに付いてきただけなので気にしないで下さい。

ソフィ、先に用事を済ませて下さい」


「ええ。お兄様、お父様から剣を預かってきました。

どうぞ」


「え、お父様から?」


ソフィがホロウウィンドウから出したのは、鞘に納められた両手剣だ。


だが、両手剣と言うには薄く、しかし横幅が広い様に見える。そして柄は青い。

試しに抜いてみると、刀身は白く、何処か神聖さを感じる剣だった。

例え素人目で見ても良い剣だとわかる。


「これは?」


「お父様が仰るには、『聖剣ヴァルハラ』と言う剣だそうです。お兄様が使う様に、とも仰ってました」


「聖剣だと!?」


「聖剣ですか!!?」


アリシアが驚いてる事からも分かると思うが、聖剣は相当レアな剣だ。聖剣の上に神剣と言うのもあるらしいが、今は関係ない。

聖剣には大体【光魔法】か【神聖魔法】が付与してある。

【分析】を使うと【神聖魔法LV8】が付与されていた。


「って、【神聖魔法LV8】!?」


「「え、LV8ですか!?」」


LV8はそんなに珍しくない。魔法職で中の上位の人は持ってるし、エルフ族の魔法職も殆ど持っている。


だが装備に付いてるのとは訳が違う。

装備に付けるには【鍛治LV6】以上が必要になる。【鍛治】に加えて【神聖魔法】まで上げてる人はそうは居ない。

だからこの手の剣は相当レアな物に分類される


「・・・後でお父様に礼を言わないとな・・・・・・お使いありがとう、ソフィ」


ソフィの頭を軽く撫でてやる。


「え、あ、ありがとうございます///」


「で、アリシアは何か用か?」


「ええ、私からは明日に向けて応援でもと思いまして」


「応援って普通当日じゃないか?」


まさか前日に応援に来るとは思わなかった


「い、いいから私の為にも優勝しなさい‼」


「な、なんでそんな怒ってるんだよ?」


確かに少し言い方が悪かったと思うが


「クスクス、お兄様、アリシアさんはクラスの男子に「レイアより劣ってる男と意中になるなどありえません」

と言って貴族からのお誘いを全て断ってしまって話題になってるんですよ」


アリシア、なにやっちゃってるの!!?


「ソ、ソフィ///なんでそういう事言っちゃうんですか!?」


アリシアの様子を見る限り事実らしい


「だからお兄様が優勝しなければ、特に予選落ちなんて事になったら不味いんですよ。

それに、私もお兄様を悪く言われるのはそろそろ限界でしてね・・・・」


・・・・それは個人的な事情だろう?

とは言え俺が良い意味で目立たなければ2人に迷惑がかかる。だから・・・


「任せておけ、2人の為にも俺は絶対優勝してみせる」





そして予選当日





『ーーーーそれではルールを説明する。

今回の予選は例年通り町の西にある森で狩りをしてもらう。そこで最も多くのポイントを手に入れたチーム3組が本選に進める。

ポイントはFランクで5ポイント、Eランクで15ポイント、Dランクで20ポイントとなっている。


尚、Cランク以上の魔物は冒険者によって粗方狩り尽くされているが、もし居た場合、決して戦わなないように。

見かけた場合、その魔物にもよるが予選を中止することになる。


また、互いのチームで戦うことは禁止するが、共闘することは禁止しないため、仲間を作り、大人数で戦ってくれても構わない。

以上が今大会の主なルールだ。諸君等の健闘を祈る』


随分と長い文章を一回で読んだものだ。学院長凄いな。

だがそれは別としてもルールは単純だが心理的には複雑に出来ている。どうするか迷うな。


「エッジ、クラリス、どうする?仲間を作るか、それとも俺たちだけで狩るか?」


いや、なんで俺はこの2人に聞いたんだ。こいつらが言うことは決まってる。そう言う(馬鹿な)性格なんだから


「「勿論私(俺)達だけで狩る‼︎」」


やっぱり。そもそも後衛のエッジがなんでこんなに好戦的なんだ?

ちなみにクラリスは罠設置、解除専門のシーフだ。武器は短剣。つまり中衛と言う扱いだ。


「だよな、うん。じゃあクラリスは罠の設置頼む。エッジは中距離からクラリスを囮にして魔物を奇襲。クラリスも自衛くらいはするようにしろよ。

俺はクラリスを中心に円を書くような感じで順番に見つけた魔物を狩る。

だから基本的に俺の撃ち漏らしがそっちに行くことになるな。

手分けした方がポイント稼げるし、分け方もちょうどいいだろ」


俺は両手剣士、クラリスは罠使い兼ナイフ使い、エッジは魔法使い兼弓使い。

チーム分けするならクラリスとエッジで狩人見たいな感じで敵を仕留めれるし、俺は聖剣のおかげで火力は申し分ないし、低ランクの魔物相手ならどうにでもなる。


これで作戦は決まった。後は実行するだけだ


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