レイア・ドライア・ナイトヴァンスの出生
sideレイア
「いいかレイア、落ち着いて聞いてくれ」
「はい。お父様」
俺の名前はレイア・ドライア・ナイトヴァンス、ナイトヴァンス公爵家長男で、国立クラウン魔法学院の2年生、14歳だ。
今俺は、お父様とお母様に寮から呼び出されたところだ。俺の隣には妹のソフィーナがいる。年は俺の一つ下だ。
俺はソフィと呼んでいる
「レイアお前はな、養子なんだ」
「・・・・・はい!?お、お父様、今なんて仰いましたか!?」
「お前は私の実の子では無い、と言ったんだ」
聞き間違えでは無いようだ
「お、お父様!!それは事実なのですか!?」
「あ、あぁ、嘘偽りない事実だ」
・・・・なんでだろう。今一瞬、ソフィが嬉しそうな顔をしたように見えた
「・・・・お父様、お母様、それでは俺は、俺の本当の両親は、誰なんですか?」
「うむ。私もお前を拾った時、つまり12年前に調べたんだが、全くの不明だった。
ステータスには名前と年齢があっただけで家名が無かったからな」
ステータスとは、その人の力や身分を表すものだ。
それに家名が無いと言うのは、名前を付けられた後に、しかし家族と会う事無く棄てられた、と言うことだ。
かなり異質だ。過去の情報を調べても無いと思う。
「そう、ですか・・・・」
「・・・・レイア、私達を、真実を知った今でも、親と呼んでくれるの?」
今まで黙っていたお母様が初めて口を開いた。
「勿論です。お母様、お父様、俺は例え他に親が居ようとも育ての親である二人以外を親とは呼びませんから」
「あぁ、レイア・・・・うっ、うぅうぅ」
「シーナ、良かったなぁ。本当に、良かった・・・・」
広い応接室には、お父様とお母様が嗚咽が響いた
「さてレイア、これで暗い話は終わりだ!!将来どうしたいか聞かせてくれ!!」
「あらマルテ、先に気になる異性の話って言ったじゃない!」
「あぁ、そうだったな。すまんシーナ。で、どうなんだレイア!?」
・・・・・数分前までの空気は何処へやら、マルテと呼ばれた金髪の壮年男性、お父様とシーナと呼ばれた茶髪の女性、お母様は、
普段通り元気に俺の事を聴いてきた
「お兄様!!す、すすすすす、好きな女性が、い、いいいいい、いらっしゃるのですか!?」
「ソフィ、落ち着いて、噛んでるから」
「は、はひっ」
ふふふふ、ソフィは可愛いなぁ」
「お、お兄様・・・///そ、そんな、可愛いなど・・・・えへへへへ」
「あ、声に出しちゃってたかぁ」
まぁ、たまにあることだし、気にしちゃいけない。そもそも悪いこと考えてた訳じゃないし
「あらあら、ふふふふふ、ソフィはレイアのこと大好きだものね。そんな事言われたら照れちゃうわよねぇ?」
「えっ、あ、いや、そのぉ///」
ソフィが顔を真っ赤にしながらあたふたする。あぁもう、可愛いなぁ。流石俺の妹
「ふふ、ソフィ、俺もソフィの事、大好きだよ」
「お、お兄様・・・・///」
「なんせ俺の大切な妹だからね」
「い、妹、ですか」
ソフィが少しがっかりしてる、してるけど凄い嬉しそうな顔してる。どっちなんだろう?
「おほんっ!!それでレイア、将来はどうしたいんだ?」
「はい、冒険者になろうと思っています。冒険者になって、世界を見て周り、自分の正体を、調べる旅に出ます」
俺は養子とは言え公爵家の長男だ。将来は家を継がなければいけない。
許されるとは最初から思っていない。けど家を継ぐまでの間は旅をしたい。
でも冒険者は死ぬ確率が高い。無理だと思っていた。
だからこの言葉を聞いた時は驚いた
「そうか・・・・・無理するなよ」
「ーっ!!は、はい!!」
これで俺の進路は決まった。