表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星降夜譚  作者: 稲葉 鈴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/20

 夢を見た。夢を見た。


 空には月が輝いている。久しぶりの常夜の森だ。星はどうだろう。月が明るいからよく分からない。あんまり興味もないことだし。明るいとか、暗いとか。小鬼はそういうことにしか興味がない。


 前は毎日ここで目が覚めたのに、最近はそうでもない。まあ、べつにいいか。また今日も、ここで目が覚めたのだし。毎日じゃないのは分かるけれど、じゃじゃ前がどれくらい前なのか。小鬼は分からないし、あんまり興味もない。だって今、ここで、目が覚めたのだし。


 ぐうぐうなるお腹を抱えて、小鬼は森を出る。目指すのは、この間と同じ街だ。あそこにはまだまだ美味しそうな匂いが一杯あった。知らないけれど美味しそうな匂いもあった。知ってる匂いと知らない匂いと、知ってるのと知らないのが入り混じった美味しそうな匂い。とても楽しみ。


 だからルンルン気分で街を目指して、夜中ぴょんぴょこ跳ねた。


 街のひとびとは小鬼を見ると少し足を止めるけれど、特別小鬼に何かをしない。この間の店までの道が開かれるくらい。歩きやすくてありがたい。


 ゆっくり小さめに、店を見落とさないように、ぴょんっぴょんっと跳ねて、小鬼はこの間のお店に向かった。


 お店はすでにあかりがついていて、ドアをガラッと開けたら先日注文を聞いてくれた男のひとが小鬼を出迎えた。けれど別に小鬼に声を掛けるわけではなく、小鬼がカウンターの隅っこの隣の席に座るのを待っていた。小鬼は店内を見回すでもなく、メニューの二つ目を指さした。ちなみに小鬼に手とか指に該当するものはない。だから実際は、視線で示すのみだ。



「承りました」



 同じようにじっとメニューを見つめた男のひとがそう言って、厨房へと戻っていく。まだかな。楽しみだな。


 出てきたのはこの間の肉が乗ったご飯に、目玉焼きが乗ったやつ。覚えてる。これも好き。


 もぐもぐもぐと食べて、食べ終わって。じゃあお代わりを頼もうかな、と思ったら白いひとが来た。


 残念、時間切れ。



 また、来るよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ